猫の気持ちになってみろ

愛猫「チコ」がぷるぷるしてます

スパルタの海

2012-06-30 23:23:28 | 映画

スパルタの海
1983年日本 監督:西河克己 キャスト:伊東四朗 原作:上之郷利昭
★★★★☆

「戸塚ヨットスクール」を運営する戸塚宏(伊東四朗)校長の元へは、数々の非行少年や不登校児がやってくる。戸塚校長の教育方針は「体罰」。
いつしか、更生施設として有名なスクールになるが・・・
∞∞∞∞∞

1983年作品でありながら、同年、「戸塚ヨットスクール事件」が社会問題となり、公開が見送られ、2005年にDVD化、2011年に劇場公開、となった作品です。

「戸塚ヨットスクール事件」は、校内暴力や家庭内暴力が社会問題となった80年代で、私も高校生でしたので、とても衝撃的な事件でした。
当時は、ドキュメンタリーフィルムや取材フィルムがTVでたくさん流れ、私も子供ながらに、指導の端々を見て、「怖ッ!」と思ったものです。

そんな戸塚ヨットスクール、今も続いていたのですね。
本作は「戸塚ヨットスクール公認」「戸塚ヨットスクール全面協力」作品のようで、厳しい訓練や更生へ向けての体罰を赤裸々に表現しつつも、ラストは「肯定的」になっています。
作品中、伊東四朗さん演じる戸塚宏さんが(本人か?と思うほど似てる・・・)

「あの子たちは、社会的には死んでるんや。だからワシが生き返らせたるんや」と言うシーンが印象的でした。

つまり、そのままにしていれば、すでに死んでいるのだから、死ぬほどの体罰を与えても、それは本人が「生き返る」ためには仕方のないことだ。ということのようです。

小学生の息子がいる私としては、本作について、肯定、否定、はここでは書きませんが、「衝撃的作品」であることは間違いありません。30年経った今見ても・・・いや、時代が変わり、私自身親になっているからこそ、う~ん・・・と考えさせられる映画。

観る価値はアリです。


失楽園

2012-06-29 00:30:36 | 映画

失楽園
1997年日本 監督:森田芳光 キャスト:役所広司、黒木瞳 原作:渡辺淳一
★★☆☆☆

やり手の編集長だった久木(役所広司)は、今では閑職に追いやられていた。
ある日、カルチャースクールの書道講師を務めていた凛子(黒木瞳)と知り合う。
二人にはそれぞれ家庭があり、許されぬ恋と知りつつも、ふたりの愛の炎は燃え盛り・・・
∞∞∞∞∞

公開当時、流行りましたよね「失楽園」という言葉。
映画も、ノリに乗っている役所広司さん、黒木瞳さんの主演で、激しい濡れ場もある。ということでヒットしました。

これもBSで久々に放映していたものを録画して、やっと観ました。

いやァ~・・・なんというんでしょ・・・獣(けもの)ですな。S○Xの!!
寝ても覚めても~S○X!!てな感じです。
せめてもの救いは、凛子さんを黒木瞳さんが演じていること。ギリギリの線で上品さを保っています。
他の女優さんだったら、ゾっとします。

原作なのか?脚本なのか???人物像の掘り下げが浅くて、なんでそんなにヤリまくるのか?
なんで最後、そんなことになっちゃうのか?
サッパリ???です。


ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

2012-06-27 01:30:09 | 映画

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
2009年日本 監督:松山博昭 キャスト:松田翔太、戸田恵梨香 原作:甲斐谷忍
★★★★☆

女子大生の直(戸田恵梨香)は、謎の組織が主催する、巨額の資金を賭けて互いにだまし合うライアーゲームに参加するハメになる。
彼女は天才詐欺師の秋山(松田翔太)の助けを借り、どうにか決勝戦まで勝ち進む。
二人は50億円の賞金を賭け、信じ合う心がテーマの“エデンの園ゲーム”と呼ばれる最後の戦いに挑むが・・・
∞∞∞∞∞

ずいぶん前に『再生』を観て、その映画の宣伝で、これまたずいぶん前にTV放映を録画してあったものをやっと観ました。
なんだ、こっちの方が面白いじゃないですか!

キャラも立ってるし、ゲームの内容も面白い。どんでんがえしもヨシ。です。
この作品を観てから『再生』観たら、きっと「無理やり続編作るんじゃねー」って思ったかもです。
でも、TVシリーズも予備知識も知らない私にとっては、『再生』→『ファイナルステージ』の順番で観たのは正解だったかも・・・

多部未華子さんより、戸田恵梨香さんの方が、
芦田愛菜ちゃん+江角マキコさんより、吉瀬美智子さん+渡辺いっけいさんの方が、
良く見えたのは、脚本のせいかな?


わが母の記

2012-06-25 00:35:47 | 映画

わが母の記
2011年日本 監督:原田眞人 キャスト:役所広司、樹木希林 原作:井上靖
★★★★☆

昭和39年。小説家の伊上洪作(役所広司)は実母の八重(樹木希林)の手で育てられなかったこともあって、長男ではあるが母と距離をとっていた。
しかし、父が亡くなったのを機に、伊上は母と向き合うことになる。
八重もまた消えゆく記憶の中で、息子への愛を確かめようとしていた。
∞∞∞∞∞

本作、ずっと観たいと思っていたのですが、なかなか機会がなく、やっと地元の映画館で上映することになり、観ることができました。

美しい日本の原風景。戦中戦後の混乱を引きずった人々。まだ人や家族の絆が深かった頃。
そんな頃が、美しい音楽と、さりげない撮影、実力派俳優によって支えられて映し出されます。

これだけでも、観る価値は十分なのですが、目を見張るは、話題となっている「樹木希林」さんの演技です。

ただ、この作品、「ストーリーとしては好き嫌いが分かれるかもしれないな」と思いました。
本作、老いるほどに記憶が薄れ、認知症が進む「八重」を取り巻く家族像の話なのですが、時代が戦後から1970年程度であること。なんだかんだ言って、この家族、作家一家で、ものすごい大金持ちであること。
出来の良い娘さんが3人もいて、お手伝いさんやら書生さんやらもいて、介護の手がたくさんあること。
とても環境的には、共感できるものではありませんし、主人公・洪作や家族のふるまいも、現実離れしているように感じます。

私の親族にも「認知症患者」がいるのですが、一般の認知症患者を抱える家族の生活はこんな優雅なものではなく、とても共感できるものではありません。

ただ、ただ、それを差し引いても「樹木希林」さんの演技が魅せる力はすばらしい。
親族や近い知り合いに「認知症患者」がいる人なら、きっと「あ、あの表情」「あ、あのしぐさ」と思うのではないでしょうか?

「認知症」というものを、少しでも身近に感じる人にとっては、その表情やしぐさ、そしてその向こうにある記憶のかなたの親子の絆を感じるだけで、この映画は観る価値があり、号泣するのでは?と思いました。


那須ショートフィルムフェスティバル2012(栃木県那須高原 南ヶ丘牧場)

2012-06-24 01:50:03 | イベント

那須ショートフィルムフェスティバル2012(栃木県那須高原 南ヶ丘牧場)

今年も那須の映画祭「那須ショートフィルムフェスティバル」(以下「那須ショート」)の季節がやってきました!
去年に続き、2年連の参戦です。





ショートフィルムは「25分以内」というルールで作られるフィルム。「那須ショート」では、6本程度の作品1ブロック。60~90分の上映で、
1.アワードA(邦画)
2.アワードB(邦画)
3.アワードC(邦画)
4.アワードD(邦画)
5.フランス映画35mm
6.シアターA(洋画)
7.シアターB(洋画)
の7ブロックが6/19(火)~6/24(日)の6日間。朝11:00~21:00くらいまで、1日5ブロック上映が開催されます。



私はアワードCを観ました。
見ごたえのある作品ばかりで、特に最後の『記憶のひとしずく』は「涙」でした。