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マイケル・サンデル 究極の選択「大震災特別講義~私たちはどう生きるべきか~」

2011-04-18 23:41:18 | テレビ・ラジオ

マイケル・サンデル 究極の選択「大震災特別講義~私たちはどう生きるべきか~」
放送:2011年4月16日(土)午後9時からNHK総合
出演:マイケル・サンデル教授、
  日本:高畑淳子(女優)、高田明(ジャパネット)、高橋ジョージ(歌手)、石田衣良(作家)
     東京大学をはじめとする大学生
  ボストンのアメリカ人大学生、上海の中国人大学生
★★★☆☆

史上稀にみる大災害となった東日本震災。
世界は、この未曾有の大災害をセンセーショナルに報道した。
その中で、震災の苦しみのなか、多くの人が秩序を持ち、冷静に行動する日本人に対し、世界中が感動し、称賛のエールを送った。

この行動の源は何なのか?
マイケル・サンデル教授が、私たちはこの災害から何を学び、どうすべきなのか?
ゲストや学生たちとTV会議を通じて議論する。
∞∞∞∞∞

ちょうど「正義の話をしよう」を読了した直後だったので、楽しみにして観ました。
「ハーバード白熱教室」も年始の再放送で全部見ましたから・・・

話題は
1.なぜ、このような状況の中、被災者は冷静に、秩序を持って行動できるのか?
2.危険な任務は、誰が担うべきなのか?高額の報酬で募集するのは公正なのか?
3.原発は今後も続けるべきか?それとも、不自由を甘受し、代替を模索すべきか?
4.今回の震災の支援の輪で、外交や歴史観は変わるのか?
5.国境、距離を超えて、グローバルな共感を持つことは、可能なのか?
などでした。

いつもの、活発な(というか究極な)議論が出るか?と思いきや、話題が(少なくとも今の日本では)デリケートな話題なだけに、いつものキレは影をひそめ、なんとも消化不良な議論が続いたように思います。
ゲストも、「?」というメンバーでしたしね。

ただ、「?」というのは悪い意味ではありません。
特に、高畑淳子さん、高橋ジョージさんは、ともすれば論理だけで議論が進みそうなところを、
ある意味、庶民感覚で話題を投じ、議論を引き戻していました。

そのせいか、いつもの論理的な議論が白熱せず、サンデル教授も困り顔で「議論が深まった」とピシャリ。
話題を変えているような感じでした。


私が思うに、今回の災害に対する日本人の対応は、サンデル教授流に言うと、極度に「美徳」によるものであり、さらに、その「美徳」はアメリカ人が思うほど、日本人は意識していないものなのだろうな?と思いました。

「正義の話をしよう」によると、サンデル教授も「美徳」主義者であるようですが、日本人のそれとは、たぶん違うし、理解の度合いも違う。
そこに、サンデル教授とは言え、太刀打ちできない哲学の深さと、議論と相互理解の必要性を感じるのでした。

それでも、この災害の大きさ、日本人の行動の美徳、そして、世界中の支援の輪。
個人個人の認識の程度の差はあるにせよ、心の奥底に感じる恐怖や感動は、万国共通なようです。

方向は同じなのだから、あとは微調整だけ。
世界中みんなで、このような自然災害に対処し、どのように行動することが、もっとも人間として正しく、未来へ向けて有効なのか?
それを、真正面から議論するサンデル教授と世界の人々は、すばらしいな。と思うのでした。



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