行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

2週間の隔離を終え、9か月ぶりに大学へ①

2020-10-10 16:27:42 | 昔のコラム(2015年10月~15年5月
今年の1月、春節休みで大学を離れて以降、コロナ禍を経て一昨日、9か月ぶりに大学に戻った。コロナの状況下、学部内では外国から復帰した外国人教師第一号だった。様々な手続きや2週間の隔離を含め、非常に困難な道のりだったが、到着してすぐ友人や職場の仲間、学生たちの熱烈歓迎を受け、これまでの苦労が報われた気がした。

9か月間、窓も開けずに宿舎を放置した。亜熱帯で湿気も多く、室内がどうなっているのか心配だった。恐る恐るドアを開けたが、ほこりが少したまっているほか、ゴキブリの死骸が何体がある程度で、予想外に乱れていなかった。



幸い男子学生2人が手伝いに来てくれ、荷物運びや部屋の掃除が大いにはかどった。2人はいつも遊びに来ている学生なので、こちらから指示をする必要もなく、コップや皿を洗い、期限切れの調味料もてきぱきと処分してくれた。非常にありがたい若者たちだ。



片づけが一段落し、3人でテイクアウトの夕食をしていると、別の男子学生2人が果物を差し入れてくれた。懐かしい顔を見て、ようやく大学に戻ったという実感が湧いてきた。

しばらくして、今度は日本取材チーム「新緑」の女子学生が、スワトウ特産の月餅「ラオビン」をお土産に持ってきてくれた。月餅は中秋節(今年は10月1日)の食べ物だが、私が隔離中だったため、改めてみんなで一緒に食べようと持ってきてくれたのだ。その気持ちがありがたかった。



一夜明けて昨日は、大学の向かいに会社を構える企業家の友人から、胡蝶蘭の鉢が二つ、それとニュージーランドから輸入したキウイとリンゴが箱ごと届いた。大学に戻ったお祝いだという。とても一人で食べきれない量なので、早速、学生たちにおすそ分けした。







夜になると今度は、前学期オンライン授業をした「日中文化コミュニケーション」の班長で、芸術学部の女子学生が、クラスのみんなが写真や言葉を寄せた記念冊子と、自分の作った手作りの紙に、自分で描いた「浮世絵」を私の誕生日プレゼントとして送ってくれた。





記念冊子には私の似顔絵も添えられ(かなり若作りではあるが・・・)、大いに感激した。序文には「いちごいちえ」と日本語の表記もあり、「これは贈り物ではなく、大切な記念です」「2020年前半は順調でなく、オンラインの授業には少しがっかりしました。ただ突然の事態だからこそ、特別な経験もできたのだと思います」と書かれていた。





こうして今学期の新たな1ページが始まった。次回ブログでは、出国までの手続きから隔離2週間にいたる経験談を紹介したい。

(続)


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1 コメント

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Unknown (田中義人)
2020-10-10 21:04:35
加藤さん、ご無沙汰しております。ずっと日本にいらっしゃったんですね。お会い出来ず残念でした。私は軽井沢でカフェも開業し毎日店頭に立って色んな方々との会話を楽しんでます。私はしばらく中国には行っておりませんし、もうすっかり中国語もさびれてしまいました。やはり加藤さんには羨ましいくらい中国の生活が似合いますね。機会があればお邪魔したいと思います。どうぞご健康にご留意のうえ人生を謳歌して下さい。

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