行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

第三次日本取材チーム「新緑」は京都奈良へ

2019-03-31 17:37:14 | 日記
2017年から毎年続けてきた汕頭大学新聞学院の日本取材ツアーだが、今年も第3次となる学生取材団を引率することになった。1年前から計画を立て、紆余曲折を経ながらもようやく実現した。4月22日から5月2日まで、大阪、京都、奈良の古都を訪ね、中国とも縁の深い日本の伝統文化がいかに継承され、現代的な要素を取り込みながら発展しようとしているかをテーマとする。



学内のサイトで発表されたメンバー選考結果の通知には、3回目を迎えるわれわれの取材団がすでに「シリーズ」として認められ、

「各自の技能と熱意、チームワークなど多方面の評価を考慮して8人を選抜した」

とメンバーの名前が紹介されている。



過去2回とも学生は計6人だったが、今回は8人に増員し、活字だけでなく映像のスタッフを強化した。いつものことながら女子ばかりになった。日本と違いジャーナリズムの分野は女性が幅広く活躍している。男子学生の影は薄く、今回も書類選考後の面接で、すでに男子の姿はなかった。次回以降の課題である。



先週ビザが発給され、取材チームのネームカードも出来上がった。毎回、ビザを手にした学生たちが歓喜する姿をみるたび、こちらも胸が熱くなる。ビザ発給に必要な招請状を発行していただいた京都外国語大学(森田嘉一総長)には、仲介の労をとってくださった知人とともに、深く感謝申し上げたい。

2月末にメンバーを内定して以来、すでに20回近い会議を重ね、具体的な取材の個別テーマや対象を練る一方、数多くの人々に支えられ、取材先との連絡やスケジュール調整を行ってきた。大学時代の友人で京都・正定院住職の木村純香さんには、各方面において力を貸してもらった。彼女が取材チームの一員のように熱心に対応してくれているのが非常にありがたい。

そのほか、中国駐在時代に知り合い、現在、京都にいる日本メディアの仲間にも助けてもらった。唐招提寺の大修理に関する取材アポについては、奈良県の担当者が多忙の中、力を尽くしてくださった。多くの日本人が快く、私の学生の取材申し込みを引き受けてくださった。中国人学生を引率する日本人教師として、これほどうれしいことはない。

また、今回は大学の資金事情が厳しい中、笹川日中友好基金から多大なる支援をいただいた。思わぬ縁から実現した援助である。関係のみなさまに深く感謝申し上げたい。人の縁はありがたい、とつくづく感じている。

明日、平成に次ぐ年号が発表される。取材チームは京都で新年号を迎えることになる。中国から伝わった漢字、そして年号、これもまた重要な取材テーマの一つである。8人の新鮮な目が、どんな日本を見つけるのか。あと3週間後、少し不安を抱えながら、期待に満ちた旅が始まる。これから具体的な取材内容や成果について、少しずつ報告していきたい。