『わたしは、ダニエル・ブレイク』を新宿武蔵野館にて鑑賞。
人にはプライドがあり、そのプライドが他者から尊重された時、幸福感を得られる。
ダニエル・ブレイクは心臓発作で大工の仕事を休んでいる。休職中、行政の事務所で自分より困窮している親子に、手を差し伸べたことをキッカケに、その家族の恩人になる。
だが、自分自身の各種保険を申請しようとしたところ、制度の網の目からは振り落とされ、複雑な手続きの謎に阻まれてしまう。
行政の担当者の中にも、人間の血が通った者もいるのだが、社会システムは真面目な労働者を救済しないしくみとなっている。
弱者が弱者を救済し、国は弱者全体を押し上げてはくれない。
社会派映画と片付けるのは簡単だが、イギリスのジレンマに、深く斬り込んだ作品となっている。