ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

「何度目の青空か?」個別握手会が7日915部へ緊急拡大、危険水域に入った乃木坂46とAKB48G [11Sep14]

2014-09-11 16:00:00 | 芸能
遂にやってしまいましたね、個別握手会の日数増加を。

(表1) 10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の日程

凡例
[順番] 設定部数:日付 場所

[1] 130部:11月02日(日) パシフィコ横浜
[2] 135部:11月24日(月祝) 幕張メッセ
[3] 120部:12月23日(火祝) ポートメッセ名古屋
[4] 115部:12月28日(日) 京都パルスプラザ
[5] 140部:01月18日(日) パシフィコ横浜
[6] 135部:01月31日(土) 東京ビッグサイト
[7] 140部:02月08日(日) パシフィコ横浜


10枚目「何度目の青空か?」個別は、6番目となる、1月31日(土)東京ビッグサイトが発表された後、間髪を入れず、2月8日(日)パシフィコ横浜が7番目として、追加されました。

6枚目「ガールズルール」から4シングル、関東4日名古屋京都各1日の個別6日が続きましたが、10枚目では、関東を5日に増やした個別7日になります。


乃木坂の個別握手会の売り上げ効率は、8枚目、9枚目と続落している

まず言いたいのは、現時点での日数増加は非常に危険だということです。

AKB48襲撃事件以来、厳重な警備が要求され、1部を設置する費用は格段に上がっている筈で、握手会の部数や日数を増やすのであれば、それに見合うだけの大幅な売り上げ増が不可欠です。

ところが、乃木坂の握手会人気は、7枚目「バレッタ」以降、勢いを失っていて、にもかかわらず部数増加を続けたために、以下のように、売り上げ効率が大きく落ちてきています。

(表2) 歴代シングル個別握手会の総日数、総部数、単位当たりの第1週売り上げ枚数

凡例
シングル番号 : 個別総日数 総部数 [個別1日当たりの第1週売上枚数, 100部当たりに換算した売上枚数]

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「5次分まで」は個別握手会第5次応募分までが第1週売り上げに計上されていることを示す

1枚目:3日 300部 [1.9万枚/日, 1.9万枚/百部]
2枚目:2日+ミニ4日 300部 [1.4万枚/日, 2.8万枚/百部]
3枚目:4日 330部 [3.2万枚/日, 3.9万枚/百部]
4枚目:5日 430部 [3.4万枚/日, 4.0万枚/百部]
5枚目:5日 437部 [3.5万枚/日, 4.0万枚/百部]
6枚目:6日 630部 [4.1万枚/日, 3.9万枚/百部]
7枚目:6日 664部 [5.2万枚/日, 4.7万枚/百部] (5次分まで)
8枚目:6日 759部 [5.7万枚/日, 4.5万枚/百部] (8次分まで)
9枚目:6日 786部 [5.2万枚/日, 4.0万枚/百部] (9次分まで)
10枚目:7日 915部 [?万枚/日, ?万枚/百部] (9次分まで)


3枚目「走れ!Bicycle」から「5枚目「君の名は希望」までは、100部当たりの売り上げは4万枚で一定していています。

6枚目「ガールズルール」で個別日数を5日から6日にして、総部数を大幅に増やしたときも、100部当たりの売り上げ枚数はほとんど変わらず、握手会の規模拡大に見合ったCDセールスを達成しました。

つまり、乃木坂の握手会人気には安定した勢いがあって、日数や部数の増加についていくだけの余力があったわけです。

しかし、7枚目「バレッタ」以降、総部数を増やす度に、100部当たりの売り上げ枚数が落ちています。

上表では、オリコン初動に算入された枚数から100部当たりを求めているのですが、8枚目「気づいたら片想い」、9枚目「夏のFree&Easy」は、流し込む応募次数を意図的に増やしているので、7枚目より8枚目、8枚目より9枚目と、条件はより有利になっているのだけど、逆に、数字が下がっている。

明らかに握手会人気の上昇率が落ちていて、部数増加に見合った結果を出せず、シングル毎に売り上げ効率が悪くなっています。


いやいや第1週がダメでも、その後、じわじわ人気が出て累計が良ければ問題ないという意見があります。

ところが、初動で勢いのないものが、累計で盛り返すというのは難しくて、「スルメ曲」なんて滅多にありません(笑)。

次の表は、8枚目と9枚目の100部当たりの売り上げ枚数を第17次応募終了時点で比べたものです。

(表3) 8枚目、9枚目個別握手会の総日数、総部数、単位当たりの第17次応募分までの推定売り上げ枚数

凡例
シングル番号 : 個別総日数 総部数 [個別1日当たりの第17次応募分までの推定売上枚数, 100部当たりに換算した売上枚数]

8枚目:6日 759部 [6.2万枚/日, 5.2万枚/百部] (17次分まで)
9枚目:6日 786部 [5.8万枚/日, 4.4万枚/百部] (17次分まで)


第1週時点、100部当たりのセールスで、9枚目は8枚目を0.5万枚下回っていたのが、第17次時点では、0.8万枚とさらに引き離されています。

8枚目と9枚目の個別応募受付は、ほぼ同じスケジュールで進んでいるので、同次数の成績はダイレクトに比べてもよく、9枚目における握手会人気の退潮傾向を明確に示しています。


5枚目から6枚目の時点であればいざ知らず、こういった状態で総部数を増やすと、握手会の売り上げ効率はさらに下落して、収支が一層厳しくなる可能性が高い。

とくに、日数を増やすとなると、新たに会場を借りて、新たにレーンを設営して、新たに警備を整えることになるわけで、莫大な追加費用が掛かってしまいます。

しかし、(表2)と(表3)に示されているように、それを賄えるだけの追加売り上げを期待出来る状況ではありません。

今回の個別日数増加は、握手会全体が大赤字になる危険があって、収支を考えれば止めた方がいい計画です。


乃木坂10枚目の初動前作越えは「心のプラカード」ショックで不透明に

もちろん、乃木坂の運営も、そういったことは十分承知していると思います。

にもかかわらず、なぜ総日数を増やそうとするのでしょう。

まず考えられるのは、AKB48の37枚目「心のプラカード」が、初動100万6千枚とミリオンぎりぎりとなり、とりわけサウンドスキャン調べの店頭販売CDセールスが23万枚という衝撃的な数字になってしまったことです。

前回記事に載せた表と重なる部分がありますが、以下のように、「心のプラカード」は、店頭販売CDの売り上げが、昨年同時期、同条件である「恋するフォーチュンクッキー」のほぼ半分で、それ以前の夏シングルと比べても、突出して低いセールスになっています。

(表4) AKB48歴代Bシングルの店頭販売によるCDセールス

凡例
シングル番号:サウンドスキャン第1週累計枚数の店頭販売CD全タイプについての合計「タイトル」

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目:49.3万枚「フライングゲット」
27枚目:45.2万枚「ギンガムチェック」
32枚目:43.9万枚「恋するフォーチュンクッキー」
37枚目:23.0万枚「心のプラカード」


さらに、発売2週目のオリコン週間売り上げが劇的に少なく、このデータからも店頭販売CD、つまり初回限定盤の売り上げが芳しくないことが分かります。

(表5) AKB48歴代Bシングルの発売1週目、2週目のオリコン成績

凡例
シングル番号 タイトル (発売日)
[1週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数
[2週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数

# 取り上げたのは2011年からのBシングル、すなわち総選挙によって選ばれたメンバーが担当する夏シングル
# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目 フライングゲット (2011/08/24)
[1週目] 1位:135.4万枚
[2週目] 2位:9.9万枚

27枚目 ギンガムチェック (2012/08/29)
[1週目] 1位:118.2万枚
[2週目] 3位:5.4万枚

32枚目 恋するフォーチュンクッキー (2013/08/21)
[1週目] 1位:133.0万枚
[2週目] 2位:5.7万枚

37枚目 心のプラカード (2014/08/27)
[1週目] 1位:100.6万枚
[2週目] 5位:2.2万枚


「心のプラカード」初回限定盤は、特典として全国握手会参加券が付いていて、10月以降に全7日を予定しているようです。

ただ、襲撃事件が全国握手会で起こったこともあって、AKB48Gの運営は警備に神経を尖らせていて、事前の身元確認が出来ない観客が多人数参加するミニライブは、中止する流れになりつつあります。

しかし、ミニライブのない全国握手会は、ファンからすれば魅力に乏しい筈で、「心のプラカード」の初回限定盤セールスが大きく落ち込んだことで、それが裏付けられた形になってしまいました。


乃木坂46も、全国握手会のミニライブは行わない方向で動いているように見えます。

ただ、そうなると、10枚目「何度目の青空か?」の初動を前作並みに持っていくのは、結構、大変な話になってきます。

10枚目個別を6日775部のままにした場合、9枚目個別と同じ、4万枚/百部の売り上げ効率であれば、31万枚ほどになって、前作レベルを維持するためには、以下の表のように、店頭販売を11万2千枚にしなければならない。

(表6) 10枚目オリコン初動が前作と並ぶ場合の個別100部あたり売り上げ枚数と店頭販売CDセールス

9枚目:6日 786部 [4.0万枚/百部] ==> 個別31.1万枚 + 店頭11.0万枚 (初動42.2万枚)

個別6日のとき
10枚目:6日 775部 [4.0万枚/百部] ==> 個別31.0万枚 + 店頭11.2万枚

個別7日のとき
10枚目:7日 915部 [4.2万枚/百部] ==> 個別38.4万枚 + 店頭3.8万枚
10枚目:7日 915部 [4.0万枚/百部] ==> 個別37.0万枚 + 店頭5.2万枚
10枚目:7日 915部 [3.8万枚/百部] ==> 個別34.8万枚 + 店頭7.4万枚
10枚目:7日 915部 [3.6万枚/百部] ==> 個別32.9万枚 + 店頭9.3万枚


「心のプラカード」のセールスを見ていると、「何度目の青空か?」でも、店頭販売が大きく落ち込む可能性があって、11万2千枚という目標は、かなりヘビーな数字に見える。

一方、個別を1日増やして、7日915部まで規模拡大を図った場合は、上表後半のように、売り上げ効率を4万枚/百部に保てれば、店頭分は5万2千枚で前作維持を達成出来る計算になります。

しかし、乃木坂の握手会人気は、特定メンバーは別にしても、全体として決して調子が上向きでなく、総部数増加に耐えて、4万枚/百部をキープ出来るかどうか予断を許さない、というより、(表2)と(表3)から考えると、売り上げ効率の減少が起こっても何の不思議もない。

もし、売り上げ効率が3.8万枚/百部、3.6万枚/百部と落ちてしまったら、オリコン初動の前作維持はどんどん厳しくなっていきます。


つまり、「心のプラカード」初回限定盤セールスで衝撃の数字が出た以上、「何度目の青空か?」個別を9枚目とほとんど変わらない6日775部に設定すると、前作維持は望み薄という状況が出来てしまう。

個別を7日にして、大幅に増部しても、必ず前作を越えるという保証はないけど、まだ確率は高くなるので、オリコンの数字にこだわるのであれば、赤字であっても、決行するしかない。

乃木坂公式サイトを見ると、当初運営は、10枚目個別を6会場に収めるつもりだったようですが、ここにきて、急遽方針を変え、7会場に踏み切ったのは、やはり、「心のプラカード」ショックが背景にあるのかもしれません。


では、10枚目は前作を越えられるのかどうかですが、現在分かっている第5次応募分までの完売状況を見ると、「大丈夫」という言葉は、一切口に出来ません。

個別セールスは今のところ、想像以上に厳しいです。

また、次のように、「何度目の青空か?」7番目の最終個別は、発売から4ヶ月以上先の開催で、しかも2月上旬というゴタゴタする時期なので、累計を押し上げる効果はともかく、初動にどのくらいプラスになるのか、ちょっと未知数の部分がある。

(表7) 各シングルの個別握手会期間

凡例
シングル番号:発売から最終個別までの日数 [最初の個別から最終個別までの日数]「タイトル」

01枚目:66日 [35日]「ぐるぐるカーテン」
02枚目:45日 [26日]「おいでシャンプー」
03枚目:66日 [55日]「走れ!Bicycle」
04枚目:60日 [56日]「制服のマネキン」
05枚目:47日 [44日]「君の名は希望」
06枚目:102日 [78日]「ガールズルール」
07枚目:95日 [77日]「バレッタ」
08枚目:110日 [106日]「気づいたら片想い」
09枚目:101日 [97日]「夏のFree&Easy」
10枚目:123日 [98日]「何度目の青空か?」


関東の会場なので、「1期10」の50部は全完売が期待出来て、それ以外のメンバーも完売が多数出なくても、それなりに売れるのは間違いないだろうから、4万枚くらいの新たな積み上げは見込んでいいという気はします。

4万枚の余裕が出れば、残り6会場が前作並みの売れ行きでも、店頭販売分は7万2千枚で初動前作割れを防げるので、まあ、何とか話が出来るレベルには持っていけるんじゃないでしょうか。

ただ、7番目の会場に申し込みが流れた分、残り会場が売れなくなることもあり得るわけで、初回限定盤のセールスと併せて、何一つ許せる予断はありません(笑)。

つまり、10枚目の初動前作越えは、今回の総部数増加でも、決して楽勝とは言えないということです。


AKB48運営会社の台所は想像以上に厳しいのか

もちろん、個別日数を増やして、多額の出費をする以上、前作をやや上回る程度の売り上げでは、収支はむしろ悪化する可能性が高く、一連の動きを見ていると、運営が握手会全体の会計を考えているとは、到底思えなくなってきます。

しかし、一方で、運営が赤字覚悟で、ここまでオリコンの数字に執着するというのも、ちょっと考えづらい。

乃木坂の場合は、ミリオン維持といった「記録」にこだわる必要はないので、二作連続での前作割れが起こっても、40万枚ほどの売り上げでオリコン1位となれば、とくに問題があるようには思えません。

もう、握手でCDを売っているのは、周知の事実で、多少数字が上がろうが下がろうが、メディアも気にしないでしょう(笑)。

そんな状況なのに、CDセールスを1ミリも落としたくないがために、赤字覚悟で、多額の出費が必要な握手会を追加で行なうかなと。


となると、個別の規模を緊急拡大したのは、とにかく目先のお金が必要ということで、かなり台所事情が宜しくないんだろうかと、疑いたくなります。

週刊誌の記事に、AKB48を運営する会社が、相当額の赤字を出していると読める情報が載っていました。

実は、37枚目「心のプラカード」の売り上げは、店頭販売の大幅下落だけでなく、今後のCDセールスを考える上で、極めてショッキングな内容です。

(表8) AKB48シングルCD売り上げの総選挙サイクル

凡例
総選挙サイクル記号 : OC第1週枚数 [SS第1週+初動(OC-SS)差, 初動(SS/OC)比, X万枚/日)「タイトル略記」

# 枚数はすべて万枚単位、小数点以下1桁目を四捨五入して表示
# 初動(SS/OC)比はサウンドスキャン第1週をオリコン初動で割ったもの。パーセント表示で、小数点以下1桁目を四捨五入
# 初動(OC-SS)差はオリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたもの。個別握手会によるCD売り上げにほぼ等しいと考えられる
# Xは初動(OC-SS)差を個別握手会の日数で割ったもの。握手会日数は、31枚目まで3日、32枚目から37枚目が4日で、35枚目だけは5日

2011年度
A 21枚目:133 [54+79, 41%, 26] (2011/05/25)「Every」
B 22枚目:135 [49+86, 36%, 29] (2011/08/24)「フラゲ」
C 23枚目:130 [38+92, 29%, 31] (2011/10/26)「風は吹」
D 24枚目:120 [22+97, 19%, 32] (2011/12/07)「マリコ」
E 25枚目:129 [50+79, 39%, 26] (2012/02/15)「GMF!」

2012年度
A 26枚目:162 [73+88, 45%, 29] (2012/05/23)「真夏」
B 27枚目:118 [45+73, 38%, 24] (2012/08/29)「ギンガム」
C 28枚目:113 [40+73, 35%, 24] (2012/10/31)「UZA」
D 29枚目:107 [26+81, 25%, 27] (2012/12/05)「永遠」
E 30枚目:104 [33+71, 32%, 24] (2013/02/20) 「SL!」

2013年度
A 31枚目:176 [59+118, 33%, 39] (2013/05/22)「クロール」
B 32枚目:133 [44+89, 33%, 22] (2013/08/21)「恋する」
C 33枚目:120 [31+90, 25%, 22] (2013/10/30)「エレキ」
D 34枚目:103 [20+83, 20%, 21] (2013/12/11)「鈴懸」
E 35枚目:109 [24+86, 22%, 17] (2014/02/26) 「前しか」

2014年度
A 36枚目:166 [49+117, 29%, 29] (2014/05/21)「レトリバー」
B 37枚目:101 [23+78, 23%, 19] (2014/08/27)「プラカード」
C 38枚目:(予想2014/10/29)
D 39枚目:(予想2014/12/10)
E 40枚目:(予想2015/02/25)


AKB48は、総選挙投票券付きのAシングルを5月に、総選挙選抜が担当するBシングルが8月に発売され、その後、10月にCシングル、12月にDシングル、翌年2月にEシングルとリリースされていくサイクルを、毎年繰り返しています。

2011年度は、店頭販売セールスが、A、B、C、Dと進むにつれ下がっていき、Eで戻すパターンを見せています。

オリコン初動には、AからEまで、このパターンが微かに反映されているけど、さほど大きな変動はありません。

というのも、個別握手会による売り上げ枚数には、規則的な変動がなく、店頭販売セールスのパターンをやや緩和する形になっているからです。

2012年度にも、店頭販売は、Aを頂点に徐々に下がっていく推移を見せますが、一方、個別セールスはかなり一定した数字となったため、オリコン初動にもこの漸減パターンが現れてきます。

そして、2013年度に入ると、それが一層顕著になって、オリコン、サウンドスキャンともに、Aシングルを頂点として、シングルごとに大きく売り上げを減らすパターンが明確になってくる。


こういう流れから、2014年度は、総選挙サイクルに伴って、さらに急激な売り上げの減少パターンが予想されていましたが、実際、Bシングルである「心のプラカード」は、Aシングルと比べて、オリコン初動が65万枚減少、また店頭販売セールスは半分以下となっていて、かつてないほど大きな下落幅になってしまった。

そのため、「心のプラカード」は、Bシングルでありながら、昨年のDシングルやEシングル並のセールスに留まっていて、2014年度のC、D、Eは極めて厳しい数字になる可能性があります。

AKB48Gの運営からすれば、今後、CDセールスによる収入は大きく減少する可能性が濃厚なわけで、「心のプラカード」セールスの数字は、これからの活動展開を左右するほど、重大な意味を持っているかもしれません。


(表8)で、各年度ごとを比較して、特徴的なのは、個別1日当たりの売り上げ枚数です。

Aシングルを除いて眺めると、2011年度は20万台後半から30万台前半あったものが、2012年度には、20万台半ばから後半となり、2013年度では、10万台後半から20万台前半と落ち続けていて、明らかに握手会の売り上げ効率が、年々、下がっている。

効率が下がると、握手会の収支を良好に保つのが難しくなってくる。

追い打ちをかけるように、2014年5月には襲撃事件が起こって、予定していた多くの握手会が延期となり、キャンセル料などが相当額発生した筈で、再開した握手会でも、以前より遥かに大きな警備費が掛かって、収支をさらに圧迫しているでしょう。

また、AKB48Gの握手会や特典イベントは、事件による延期と再開で、日程的に足の踏み場もないほど過密化していて、新たな握手会を入れることが、スケジュール的にだんだん限界に近づいています。

Cシングルは、本来なら10月29日(水)あたりに発売される筈ですが、握手会日程を眺めると、延期分をある程度消化するまで、先延ばしにすることさえあり得るんじゃないかと感じます。


「心のプラカード」セールスから低空飛行が予想される今後のCD売り上げ、効率低下と警備費高騰のダブルパンチで厳しさを増す握手会の収支、飽和状態になっている特典イベントのスケジュール。

これでAKB48G運営の経営が順風満帆だとすれば、むしろ首を傾げたくなるような状況です。


AKB48G運営が「乃木坂カード」を切り始めた可能性

運営から見ると、握手会は、借りたお金を返しているようなイベントで、開催しているときは、会場費、レーンの設置費、メンバーとスタッフの交通費宿泊費、バイトスタッフの人件費、警備費など、ただお金が出ていくだけです。

消化出来ていない握手会が大量に残っているのに、次のシングルが出せず、新たな応募受付が出来なくなると、収入のない状態で、ひたすら出費だけを強いられるわけで、台所事情が良くなる要素はありません。

こうなってくると、AKB48Gの運営にとって、乃木坂が重要になってくる。

9枚目「夏のFree&Easy」から、前作個別を残した状態でCDを発売する「前倒し」になっているとはいえ、AKB48Gに比べると、乃木坂の握手会消化は順調に進んでいて、また事件による延期はほとんどありませんでした。

新しいシングルを出して、応募受付を行い、取り敢えず収入を得るとすれば、もう乃木坂しかなくなってきている、それゆえの10枚目個別の日数増加?、という思いが頭をよぎります(笑)。


乃木坂を運営する会社の経営や資金繰りが、順調でなければいろいろ困るので、ここに書いていることは、私の取り越し苦労であって欲しいと思っています。

しかし、これまで出さなかったアルバムを、今になってリリースするという噂が流れていて、気になっています。

乃木坂の曲を集めたCDをただ発売するなら問題ないけど、当然、握手会のような特典を付ける可能性が高い。

そうなると、シングルの握手会に追加して、アルバムの特典イベントが入ってきて、メンバーはさらに過密なスケジュールを強いられてしまいます。


AKB48Gの運営会社を助けるために、特典イベントがバンバン増やされて、スケジュールが握手会などで埋め尽くされ、乃木坂も身動きが取れなくなってしまうなんてこと、絶対にあってはならない話です。

アルバムを出すのであれば、特典イベントを付けない形にすべきで、例えば、オリジナル曲が多く入ったアルバムを作って、握手会ではなく、全国ツアーを打つのであれば大歓迎です。

ポルノグラフィティや家入レオのように、コンサートツアーは、アルバムの宣伝という形で行うのが普通で、それこそ、アーティストの本来の姿ってやつですよ(笑)。

でも、乃木坂の運営は、なかなかやってくれませんね、普通のことを。


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// 過去の記事を読みたい方へ

2014年7月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~)

2013年11月 ~ 2014年6月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)

2013年4月 ~ 2013年10月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)


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7月18日14:18 星野みなみ

乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える

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アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー


// 特集ページ

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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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