ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

9枚目「夏のFree&Easy」はなぜ前作割れしたのか、乃木坂を変えた8th選抜発表の「ショック」 [07Aug14]

2014-08-07 20:00:00 | 芸能
10枚目シングル個別握手会の日程が、以下のように発表されました。

[A] 11月02日(日) パシフィコ横浜
[B] 11月24日(月祝) 幕張メッセ
[C] 12月23日(火祝) ポートメッセ名古屋
[D] 12月28日(日) 京都パルスプラザ
[E] 01月18日(日) パシフィコ横浜

乃木坂公式サイトの関連ページ

関東でさらに1会場追加するとのことで、個別の総日数は、前作までと同じ6日になるようです。

ちょっと気になるのは、10月8日(水)発売なのに、10月に握手会がないことです。

生田絵梨花主演のミュージカル「虹のプレリュード」は、10月5日(日)に千秋楽を迎えるので、彼女のスケジュール的には支障がないと思うのですが、ひょっとして、進学関係の試験などが10月に行われたりするのでしょうか。

何となく、いくちゃんの進学関連の話は9月にめどが立つというイメージがあるんですが、それも憶測に過ぎず、実際のところは分かりません。

まあ、試験が9月だろうが、10月であろうが、この時期に乃木坂のセンターと舞台主演を同時にこなすのは、もう無茶ぶりもいいところで、いくちゃんには頑張って欲しいけど、くれぐれも頑張り過ぎないようにと、複雑な気分になります(笑)。


あと、10月下旬から11月上旬に、桜井玲香と衛藤美彩がスーパーエキセントリックシアターの舞台「Mr. カミナリ」にWキャストで出演するので、稽古と公演で二人の時間が取れないのかもしれません。

実際、この芝居は、完全なる外仕事で(笑)、乃木坂側の都合を考慮してくれる雰囲気ではないと思います。

二人とも最高部数全完売を期待出来る握手会スターで、欠席は困るので、10月の握手会を避けたという可能性は十分あります。

HKT48が4枚目を9月24日(水)に発売、さらにAKB48は10月29日(水)の秋シングル発売が濃厚で、AKB48グループとの日程調整なんかもあって、あれこれ考えることの多い秋ってことでしょうか(笑)。


ところで、昨年の7枚目「バレッタ」個別と同じく、またまた12月28日(日)なんていう超年の暮れに(笑)、京都の握手会が入っています。

NHK紅白歌合戦だけでなく、レコード大賞など、年末には大型歌謡祭が目白押しで、今年は出場の可能性があるのだから、せめて12月下旬は握手会を入れず、全員で歌とダンスの練習を積んで、パフォーマンスに意識を集中させるべきだと思うのですが。

12月23日(火祝)にも、名古屋の個別が予定されていて、こういう日程を見ていると、運営は本気で紅白に出る気があるんだろうかと、疑問を感じます。

握手会でメンバーが喉を痛めたり、風邪を引くなんてことだけはないよう、気をつけて欲しい。

もちろん、「第2回新春かくし芸大会」の練習で、紅白のステージがレベルダウンなんてことは、論外っすよ(笑)。


全部の日程がまだ判明してませんが、とりあえず、この5会場分で、過去の個別スケジュールと比較してみます。

(表1) 各シングルの発売から最終個別握手会までの期間

凡例
シングル番号:発売から最終個別までの日数「タイトル」
発売 =日数=> 第1回個別 =日数=> 最終個別

1枚目:66日「ぐるぐるカーテン」
発売 =31日=> 第1回 =35日=> 最終第3回

2枚目:45日「おいでシャンプー」
発売 =19日=> 第1回 =26日=> 最終第2回

3枚目:66日「走れ!Bicycle」
発売 =11日=> 第1回 =55日=> 最終第4回

4枚目:60日「制服のマネキン」
発売 =4日=> 第1回 =56日=> 最終第5回

5枚目:47日「君の名は希望」
発売 =3日=> 第1回 =44日=> 最終第5回

6枚目:102日「ガールズルール」
発売 =24日=> 第1回 =78日=> 最終第6回

7枚目:95日「バレッタ」
発売 =18日=> 第1回 =77日=> 最終第6回

8枚目:110日「気づいたら片想い」
発売 =4日=> 第1回 =106日=> 最終第6回

9枚目:101日「夏のFree&Easy」
発売 =4日=> 第1回 =97日=> 最終第6回

10枚目:102日 (発売から[E]までの日数)「タイトル未定」
発売 =25日=> [A] =77日=> [E]


[A]の11月2日(日)パシフィコ横浜が第1回の個別だとすると、過去の例と比べて、やはり、ちょっとスタートが遅い。

一方、来年1月18日(日)のパシフィコ横浜が最終としても、発売から102日間の長さで、10枚目も個別握手会は長期販売と言えます。

しかし、7枚目「バレッタ」以降は、個別日程と応募期間を長く設定しても、シングル発売の間隔は短くなっています。

(表2) 各シングルの発売間隔

1枚目発売 == 10週 ==> 2枚目発売
2枚目発売 == 16週 ==> 3枚目発売
3枚目発売 == 17週 ==> 4枚目発売
4枚目発売 == 12週 ==> 5枚目発売
5枚目発売 == 16週 ==> 6枚目発売
6枚目発売 == 21週 ==> 7枚目発売
7枚目発売 == 18週 ==> 8枚目発売
8枚目発売 == 14週 ==> 9枚目発売
9枚目発売 == 13週 ==> 10枚目発売


これは、新選抜発表などの日程をどんどん早めて、前作の特典イベントを十分消化しないうちに、次シングルの発売スケジュールを始めるようになったためです。

その結果、9枚目「夏のFree&Easy」では、乃木坂初となる、個別握手会を1個残した状態での新曲発売となり、10枚目も、同様の「前倒し」が行われます。

こういった「前倒し」の理由としては、個別握手会の応募を長く続けても、途中で申し込み数が急激に減少することが大きい。

(表3) 9枚目「夏のFree&Easy」に関する、個別握手会応募受付の次数と推定売り上げ枚数の推移

凡例
[個別握手会の応募受付次数] その応募での積み上げ完売部数 {その時点での推定累計売り上げ枚数} (受付時期、応募最終日から初動集計締め切り日までの日数)

# 積み上げ完売部数が赤色の数字で示されているものは、その全部がオリコン初動に確実に算入されたことを、ピンク色の数字は、その一部が算入された可能性が高いことを示す
# 売り上げ枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入したもの
#「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味

9枚目「夏のFree&Easy」
発売日 2014年7月9日(水)
オリコン初動集計締め切り 2014年7月13日(日)
初動算入:第9次分まで
特定流通CD第1週売り上げ(=初動個別分) 31.1万枚

[01次] +4 {0.8万枚} (2014/05/09~05/09, -65d)
[02次] +52 {9.1万枚} (2014/05/15~05/16, -58d)
[03次] +61 {17.8万枚} (2014/05/22~05/23, -51d)
[04次] +46 {22.6万枚} (2014/05/29~05/30, -44d)
[05次] +31 {25.4万枚} (2014/06/05~06/06, -37d)
[06次] +32 {28.1万枚} (2014/06/12~06/13, -30d)
[07次] +19 {29.5万枚} (2014/06/19~06/20, -23d)
[08次] +12 {30.2万枚} (2014/06/26~06/27, -16d)
[09次] +7 {30.7万枚} (2014/07/03~07/04, -09d)
[10次] +4 {31.0万枚} (2014/07/10~07/11, -02d)
[11次] +6 {31.4万枚} (2014/07/17~07/18, +05d)
[12次] +8 {32.1万枚} (2014/07/24~07/25, +12d)
[13次] +5 {32.5万枚} (2014/07/31~08/01, +19d)
[14次] (2014/08/07~08/08, +26d)
[15次] (2014/08/14~08/15, +33d)
[16次] (2014/08/21~08/22, +40d)
[17次] (2014/08/28~08/29, +47d)


初動集計締め切りの16日前、発売の12日前である第8次応募を過ぎると、第9次以降は、前次からの積み上げ完売部数が1桁に留まっていて、売り上げ枚数の伸びが急速に鈍化しています。

9枚目は、オリコン初動が、歴代シングル初の前作割れとなりましたが、個別による売り上げが、このように勢いを失っているため、累計でも前作割れを起こす可能性が出てきました。

(表4) 9枚目「夏のFree&Easy」と8枚目「気づいたら片想い」のオリコン売り上げ枚数とチャート順位の推移

凡例
発売何週目:オリコンの売り上げ枚数 (順位, 前作同週との枚数差)

# 枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入

9枚目「夏のFree&Easy」
1週目:42.2万枚 (1位, -3.6万枚)
2週目:43.9万枚 (8位, -4.3万枚)
3週目:45.5万枚 (4位, -4.0万枚)
4週目:46.8万枚 (12位, -3.8万枚) [8月11日付最新チャート]

8枚目「気づいたら片想い」
1週目:45.8万枚 (1位)
2週目:48.3万枚 (3位)
3週目:49.5万枚 (7位)
4週目:50.7万枚 (11位)
5週目:51.8万枚 (13位)
6週目:52.3万枚 (14位)
7週目:53.1万枚 (17位)
***************
18週目:54.6万枚 [8月11日付最新チャート]


9枚目「夏のFree&Easy」は、発売4週目で8枚目「気づいたら片想い」の初動を越えましたが、同じ4週目と比べると、3万8千枚の開きがあり、1週目の3万6千枚差より大きくて、なかなか距離が縮まってきません。

最近は、アンダーメンバーに個別の初完売が出始め、オリコン売り上げも、3週目から枚数差が狭まる傾向にあって、明るい兆しは出てきました。

しかし、明日8月8日(金)から10枚目「タイトル未定」の個別応募が始まり、前作の最新売り上げ枚数と8万枚近い差があるため、累計での前作越えもなかなか厳しい状況と言わざるを得ません。


ちなみに、10枚目の個別応募は、9枚目と同じく週1回の受付であれば、以下のようなスケジュールで進むことになります。

(表5) 10枚目「タイトル未定」に関する、個別握手会応募受付の予想スケジュール

凡例
[個別握手会の応募受付次数] (受付時期、応募最終日から初動集計締め切り日までの日数)

#「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味
# オレンジ色は「予想」の意

10枚目「タイトル未定」
発売日 2014年10月8日(水)
オリコン初動集計締め切り 2014年10月12日(日)
初動算入:おそらく第9次分まで

[01次] (2014/08/08~08/08, -65d)
[02次] (2014/08/14~08/15, -58d)
[03次] (2014/08/21~08/22, -51d)
[04次] (2014/08/28~08/29, -44d)
[05次] (2014/09/04~09/05, -37d)
[06次] (2014/09/11~09/12, -30d)
[07次] (2014/09/18~09/19, -23d)
[08次] (2014/09/25~09/26, -16d)
[09次] (2014/10/02~10/03, -09d)
[10次] (2014/10/09~10/10, -02d)
[11次] (2014/10/16~10/17, +05d)
[12次] (2014/10/23~10/24, +12d)


第1回受付が前作と同じ65日前なので、オリコン初動算入は再び、第9次分までと思われます。

初動に流し込む次数は変わらないけど、10枚目では、生田絵梨花がセンターとして復帰するので、2万枚近いアップは見込めるでしょう。

また、「1期10」の売り上げにも、それほど大きな変動はないと思われます。

10th選抜では、アンダーからの抜擢が1人に留まり、「1期20」と「2期」がCDセールスを伸ばす要素はなかなか見当たらないけど、まあ、大幅にファンが減ることはないと思うので、個別による売り上げは、なんとか前作を越えることは期待出来るんじゃないでしょうか。


ただ、警備上の問題で、9枚目と同じく、全国握手会のミニライブが取りやめになった場合、初回限定盤の特典が弱くなり、全国握手会の魅力や「お得感」が薄れ、ファンの購買意欲を低下させるかもしれません。

また、それに伴って、全国握手会券や生写真のネットオークションでの売買が不活発になる可能性がある。

こういった取り引きは、正確なデータがないので、憶測するしかないのですが、初回限定盤の売り上げを左右するほど規模が大きくなっている可能性もあって、10枚目で運営が全国握手会をどういうイベントにするのか、何か追加の特典を用意するのか、非常に注目されます。


乃木坂の個別握手会は、かつてはシングル毎にぐいぐい総売り上げを伸ばし、CDセールスの初動と累計が、常に前作を越える原動力となってきました。

しかし、7枚目「バレッタ」を頂点に、個別による売り上げに陰りが見え始め、回復出来ないまま、9枚目での初動前作割れにつながってしまいます。

個別が全体として伸びなくなった原因は、このブログで何度も指摘したように、握手会人気トップ10人の「1期10」と、それ以外の1期である「1期20」、そして「2期」の間に、大きな「人気格差」が発生したことです。

今日、9枚目個別第13次応募終了時点での完売状況が判明しましたが、その一つ前である第12次応募後の売り上げを、7枚目「バレッタ」、8枚目「気づいたら片想い」、9枚目「夏のFree&Easy」で比較してみましょう。

(表6) 7枚目、8枚目、9枚目の個別第12次応募終了時点でのグループ別の売り上げ関連データ

凡例
シングル番号第12次応募後「タイトル」個別による推定売り上げ枚数
完売部数/担当部数 [完売率, 推定売り上げ枚数, 完売を出している人数/総人数, 1人当たりの平均完売部数]:グループ名

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある

7枚目個別第12次終了後「バレッタ」42.2万枚
280部/288部 [97.2%, 19.4万枚, 10/10人, 28.0部]:1期10
139部/266部 [52.3%, 16.4万枚, 20/20人, 07.0部]:1期20
042部/110部 [38.2%, 06.4万枚, 10/13人, 03.2部]:2期
461部/664部 [69.4%, 42.2万枚, 40/43人, 10.7部]:全体

8枚目個別第12次終了後「気づいたら片想い」38.1万枚
281部/294部 [95.6%, 19.8万枚, 10/10人, 28.1部]:1期10
052部/330部 [15.8%, 13.3万枚, 13/20人, 02.6部]:1期20
012部/135部 [08.9%, 04.9万枚, 05/12人, 01.0部]:2期
345部/759部 [45.5%, 38.1万枚, 28/42人, 08.2部]:全体

9枚目個別第12次終了後「夏のFree&Easy」32.1万枚
263部/270部 [97.4%, 18.2万枚, 09/09人, 29.2部]:1期10
010部/358部 [02.8%, 09.5万枚, 05/19人, 00.5部]:1期20
004部/153部 [02.6%, 04.0万枚, 02/12人, 00.3部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
282部/786部 [35.9%, 32.1万枚, 17/41人, 06.9部]:全体


「1期10」は、7枚目、8枚目、9枚目と変わらず勢いがあります。

9枚目第13次で、若月佑美と衛藤美彩に1部づつ新たに完売が出たので、「1期10」で現在残っている申し込み可能な未完売枠は、270部中なんと4枠しかないという売れ行きです。

一方、「1期20」を見ると、7枚目ではグループ完売率が50%を越え、20人全員が1部以上の完売を出していたのですが、8枚目、9枚目と急速に売り上げを落として、9枚目第12次応募後の完売率は3%弱、19人中5人にしか完売が出ていません。

また、「2期」も同じような状況で、完売部数、完売率、完売人数、1人あたりの完売部数、すべてが8枚目、9枚目と下がっています。


当然、全体売り上げへの「1期10」の貢献率は、8枚目、9枚目と以下のように、上昇していきます。

(表7) 「1期10」「1期10以外」「2期」の三グループの個別握手会における売り上げ比率

凡例
シングル番号個別第12次終了後「タイトル」
そのグループの推定売り上げ枚数の総売り上げ枚数に対する比(推定売り上げ枚数)、完売部数の総完売部数に対する比、担当部数の総担当部数に対する比、人数の総人数に対する比:グループ名

# 比率はすべて%表示で、小数点以下1桁を四捨五入したもの
# 枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入したもの

7枚目個別第12次終了後「バレッタ」
枚数46.0% 完売部数60.7% 担当部数43.4% 人数23.3%:1期10
枚数38.9% 完売部数30.2% 担当部数40.1% 人数46.5%:1期20
枚数15.2% 完売部数09.1% 担当部数16.6% 人数30.2%:2期

8枚目個別第12次終了後「気づいたら片想い」
枚数52.0% 完売部数81.4% 担当部数38.7% 人数23.8%:1期10
枚数34.9% 完売部数15.1% 担当部数43.5% 人数47.6%:1期20
枚数12.9% 完売部数03.5% 担当部数17.8% 人数28.6%:2期

9枚目個別第12次終了後「夏のFree&Easy」
枚数56.7% 完売部数93.3% 担当部数34.4% 人数22.0%:1期10
枚数29.6% 完売部数03.5% 担当部数45.5% 人数46.3%:1期20
枚数12.5% 完売部数01.4% 担当部数19.5% 人数29.3%:2期
枚数00.9% 完売部数01.8% 担当部数00.6% 人数02.4%:松井玲奈

# 9枚目「1期10」は一時休業中の生田絵梨花を除いた9人での数字


10th選抜では、「1期20」は高山一実、生駒里奈、星野みなみ、斎藤ちはるの4人、「2期」からは堀未央奈だけが起用されました。

実は、上表で示された9枚目個別売り上げ枚数の比率、つまり「1期10」56.7%、「1期20」29.6%、「2期」12.5%を、松井玲奈を除く選抜15枠に当てはめると「1期10」が8.5人、「1期20」が4.4人、「2期」は1.8人となって、現実の分配人数である、「1期10」10人、「1期20」4人、「2期」1人に非常に近くなります。

計算していて、ちょっと背筋に寒気が走りましたが(笑)、ここまでシビアに握手会主義を貫こうとする発想って、ちょっとあり得ないでしょう。

アイドルって、人が人に向かって行うエンターテイメントなのだから、数値化出来ない魅力こそ、一番大事な選考基準であるべきだと思うんですが。


「1期10」と「1期20」「2期」の間に、これほどの人気格差が出来てしまったルーツは、7枚目「バレッタ」の個別にあると思います。

次の表は、「バレッタ」個別握手会の応募状況推移を示しています。

(表8) 7枚目「バレッタ」に関する、個別握手会応募受付の次数と推定売り上げ枚数の推移

凡例
[個別握手会の応募受付次数] その応募での積み上げ完売部数 {その時点での推定累計売り上げ枚数} (受付時期、応募最終日から初動集計締め切り日までの日数)

# 積み上げ完売部数が赤色の数字で示されているものは、その全部がオリコン初動に確実に算入されたことを、ピンク色の数字は、その一部が算入された可能性が高いことを示す
# 売り上げ枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入したもの
#「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味

7枚目「バレッタ」
発売日 2013年11月27日(水)
初動集計締め切り 2013年12月1日(日)
初動算入:5次分まで
特定流通CD第1週売り上げ(=初動個別分) 30.5万枚

[1次] 0 (2013/10/08~10/09, -53d)
[2次] +49 (2013/10/16~10/18, -44d)
[3次] +84 {19.2万枚} (2013/10/25~10/28, -34d)
[4次] +75 {27.5万枚} (2013/11/06~11/08, -23d)
[5次] +64 {32.7万枚} (2013/11/15~11/18, -13d)
[6次] +47 {35.7万枚} (2013/11/26~11/28, -3d)
[7次] +19 {36.6万枚} (2013/12/05~12/06, +5d)
[8次] +20 {37.8万枚} (2013/12/13~12/16, +15d)
[9次] +40 {39.6万枚} (2013/12/25~12/26, +25d)
[10次] +28 {40.8万枚} (2014/01/07~01/09, +39d)
[11次] +29 {42.0万枚} (2014/01/17~01/20, +50d)
[12次] +6 {42.2万枚} (2014/01/28~01/30, +60d)
[13次] +4 {42.4万枚} (2014/02/07~02/10, +71d)
[最終14次] +? {???万枚} (2014/02/18~02/21, +82d)


注目したいのは、第12次応募で積み上げ完売部数が急に下がって、第13次でも低いままだったことです。

応募受付が発売日から2ヶ月を越えているので、申し込みの勢いが落ちるのは当然なんですが、時間的理由とばかり言えない部分がある。

(表9) 7枚目「バレッタ」のオリコンランキングの推移と関連イベント

凡例
発売何週目:オリコン順位 (集計対象期間)

01週目:01位(11/25~12/01)
02週目:05位(12/02~12/08)
03週目:08位(12/09~12/15)
04週目:08位(12/16~12/22)
05週目:07位(12/23~12/29)
==== 最終全国握手会(12/28)
06週目:08位(12/30~01/05)
07週目:10位(01/06~01/12)
08週目:09位(01/13~01/19)
====「お茶会」申込締切(01/14)
==== 個別第11次応募受付(01/17~01/20)
09週目:13位(01/20~01/26)
==== 8th選抜発表 (01/26)
10週目:32位(01/27~02/02)
==== 個別第12次応募受付(01/28~01/30)
11週目:28位(02/03~02/09)
==== 8枚目個別第1次応募受付(02/04~02/05)
==== 個別第13次応募受付 (02/07~02/10)
12週目:80位(02/10~02/16)
13週目:113位(02/17~02/23)
==== 個別第14次最終応募受付 (02/18~02/21)
14週目:101位(02/24~03/02)
15週目:136位(03/03~03/09)
16週目:113位(03/10~03/16)
17週目:114位(03/17~03/23)


「バレッタ」のオリコン順位は、10週目で急に28位に落ち込んでいて、これは次の8th選抜メンバーが発表された週の枚数ランキングです。

さらに、その後、第12次と第13次の応募が行われ、(表8)で見たように、急激に完売が出なくなってしまった。

そして、個別の売り上げ低下を反映して、「バレッタ」の順位は、12週目80位、13週目113位と大きく下がっていきます。

つまり、12次と13次で申し込み数が激減したのは、8th選抜の発表が原因だと考えられます。


新選抜が発表され、次作個別の応募が始まれば、前作に勢いがなくなっても不思議ではありません。

しかし、7枚目「バレッタ」で好調だった「1期20」と「2期」が、この時点を最後にして、8枚目以降、突然売れなくなったことを合わせて考えると、8枚目「気づいたら片想い」の選抜発表が別の意味を持ってきます。

次の表は、「バレッタ」個別で前作「ガールズルール」から伸ばした売り上げ枚数の順位表です。

(表10) 7枚目「バレッタ」第10次後の推定売り上げ枚数から前作第13次後のそれを引いた差の順位表 (1期のみTOP17)

凡例
[順位] (完売部数の伸び/担当部数の伸び) メンバーの名前

# メンバー名が青色は、8th選抜で1列目、緑色は2列目、オレンジ色は3列目という意味

[1] (+15部/0部) 高山一実
[2] (+18部/0部) 衛藤美彩
[3] (+9部/0部) 生駒里奈
[4] (+8部/0部) 永島聖羅
[5] (+9部/0部) 中元日芽香
[6] (+1部/+5部) 伊藤万理華
[7] (+8部/0部) 星野みなみ
[8] (+4部/0部) 川後陽菜
[9] (+4部/+2部) 若月佑美
[10] (+2部/+2部) 秋元真夏
[11] (+4部/0部) 樋口日奈
[12] (+4部/-1部) 井上小百合
[13] (+1部/0部) 大和里菜、和田まあや
[15] (+2部/1部) 桜井玲香
[16] (0部/0部) 齋藤飛鳥
[17] (+4部/0部) 深川麻衣


7枚目「バレッタ」個別は、握手会スターが何人も誕生した6枚目「ガールズルール」に負けないくらい、多くのメンバーが売り上げを伸ばしました。

おそらく6th選抜と7th選抜によって、運営が握手会人気を極めて重視して、選抜選考を行っていることが明らかとなり、多くのファンが自分の「推し」を選抜入りさせるために、熱心に個別のCDを購入したのだと思います。

その結果、上表のように、前作個別から大幅に売り上げを伸ばすメンバーが続出します。


ところが、8th選抜が発表されると、売り上げの伸びでトップ10位に入るメンバーのうち、選抜入りしたのは、高山一実、生駒里奈、若月佑美の選抜常連3人だけでした。

18部完売を積み上げた衛藤美彩、8部伸ばした永島聖羅、プラス9部の中元日芽香、プラス8部の星野みなみ、など握手会成績を大幅に上げたメンバーが軒並みアンダーに留まることになった。

そして、8th選抜では、売り上げの伸びではなく、売り上げ枚数そのものに従って、フロント、2列目、3列目の一部が決められ、残りはゼロ回解消など、握手会成績とは異なる基準でメンバーが選ばれました。

(表11) 7枚目「バレッタ」個別第10次後の推定売り上げ枚数の順位表

凡例
[順位] (完売部数/担当部数) メンバーの名前

# メンバー名が青色は、8th選抜で1列目、緑色は2列目、オレンジ色は3列目

[1] (30部/30部) 西野七瀬白石麻衣秋元真夏橋本奈々未
[5] (28部/30部) 松村沙友理
[6] (28部/28部) 桜井玲香若月佑美
[8] (25部/28部) 生田絵梨花深川麻衣
[10] (22部/28部) 高山一実
[11] (25部/26部) 衛藤美彩
[12] (14部/28部) 生駒里奈
[13] (12部/22部) 堀未央奈
[14] (12部/20部) 井上小百合
[15] (3部/26部) 中田花奈
[16] (8部/19部) 伊藤万理華
[17] (6部/20部) 斉藤優里
[18] (5部/20部) 齋藤飛鳥
[19] (8部/16部) 永島聖羅
[20] (7部/14部) 北野日奈子
[21] (9部/10部) 中元日芽香、星野みなみ
[23] (2部/12部) 畠中清羅
[24] (2部/10部) 伊藤寧々、新内眞衣
[26] (0部/10部) 伊藤かりん
[27] (5部/6部) 樋口日奈
[28] (4部/6部) 川後陽菜、鈴木絢音、伊藤純奈
[31] (3部/6部) 能條愛未、山崎怜奈
[33] (1部/6部) 大和里菜、和田まあや、寺田蘭世
[36] (0部/6部) 川村真洋、斎藤ちはる、矢田里沙子、西川七海、佐々木琴子、渡辺みり愛、米徳京花
[43] (0部/5部) 市來玲奈


つまり、「推し」を選抜に入れようと奮闘した多くのファンの頑張りが、実を結ばずに終わってしまったのが、2014年の1月26日(日)だったと見ることが出来ます。

このショックが、第12次以降の個別申し込みを激減させ、オリコンの順位を一気に下げたのだと思います。


運営にすると、確実に多くの完売を出してくれる「1期10」メンバーを、アンダーに落としてまで、握手会人気が高まりつつある新興勢力を選抜入りさせる、という発想が持てなかったのかもしれません。

「バレッタ」で売り上げを大きく伸ばしても、次のシングルでどうなるかは分からないから、「伸び」を評価して、そのメンバーを選抜入りさせ、新たな握手会スターの誕生を期待するという「冒険」を避けたように見えます。

そして、一時的なCDセールスの低下というリスクを負ってでも、メンバーを育てるというベンチャー精神を持たなかったため、「1期10」と「1期20」「2期」の差は、これ以降、どんどん広がる一方で、ついに初動前作割れに至ってしまった。

例えば、8th選抜、9th選抜に「バレッタ」で大きくCDセールスを伸ばした永島聖羅や中元日芽香を抜擢していれば、「バレッタ」個別で頑張ったファンが希望を持てて、(表6)や(表7)で示される、8枚目、9枚目での握手会人気の急速な低落は避けられたかもしれません。


乃木坂の運営を見ていると、メンバーへの先行投資というリスクを負わず、握手人気を上げてくるメンバーが出て来るのを、ただ待っているだけとしか思えないことがあります。

8枚目、9枚目のアンダーライブは、コンスタントに選抜入りしないと、なかなか上げられない握手会人気以外の部分で、アピールできる可能性のあるイベントとして、メンバーと担当スタッフが懸命に努力して成功を収め、10枚目でも開催されることが決まりました。

ところが、メディア露出の少なさを乗り越え、会場をライブの魅力で満員にするという、アイドルとして最も素晴らしい結果を出したのに、アンダーから10th選抜に入ったのは、初選抜となる斎藤ちはるだけでした。

8th選抜と同じく、運営は、今回も、現在の個別売り上げ枚数のみに囚われ、「伸び」つつあるアンダーの力を評価しませんでした。

ライブパフォーマーとして勢いを付けてきたアンダーメンバーを、「1期10」や選抜常連を何人か落としても、数人選抜入りさせるという決断が出来なかったわけです。


決断すべきときには、勇気を持って決断して、責任を持ってリスクを負うという覚悟がなければ、どんな商売をしても上手くいく筈がありません。

10枚目では、生田絵梨花をセンターにして、生駒里奈と星野みなみをセンターラインに並べるなど、パフォーマンスを意識した部分を見せていますが、それ以外は、厳然たる握手会主義を貫いていて、今までと大差ない選抜構成です。

紅白を睨んで歌とダンスを向上させたいけど、CDセールスは微塵も落としたくない。

そんな中途半端な気持ちでは、結局、パフォーマンスも向上せず、売り上げも伸びないという、虻蜂取らずの結果になりかねません。


グループとして、歌やダンスのレベルを上げるのは、野球やサッカーでチームを強くするのと同様、そうそう簡単に達成出来ることではなく、初動や累計が半減しても、乃木坂のパフォーマンスを良くするんだという気概がなければ、とても無理でしょう。

逆にCDセールスも、さらに伸ばそうと思うのであれば、リスクを負ってでも、新たな握手会スターを育てる気概を持たないと、じりじりと売り上げが下がっていくだけです。

9枚目での初の初動前作割れ、その原因は、8th選抜の選考でリスクを負わず、攻めの人事が出来なかった、運営の決断不足にあると、私は思います。

乃木坂を発展させるために、運営には、今こそ、勇気を持って大胆な改革に乗り出して欲しいですね。


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