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不破さんの「未来社会論」ー3ー「社会的格差」

2018-09-25 17:47:31 | kaeruの『資本論』

   今日の「しんぶん赤旗」の記事です、11月6日の米中間選挙に向けての政治戦の動向のひとつ。

   不破さんは〝『資本論』のなかの未来社会論〟(「前衛」10月号)のなかで三つの問題点をあげ〝「(資本主義の)必然的没落」の論理は、マルクスの時代以上の深刻さと強烈さをもって、21世紀の資本主義の前途を照らし出しています〟と論文の締めの部分で述べています。

   三つの問題点の第1にあげられたのが「社会的格差の途方もない拡大」です。

 

  社会的格差の途方もない拡大(該当節全文)

【 ➃は新日本出版社版の『資本論』の該当巻と該当ページを示します、他◯内は同趣旨。★部分の説明は省きました。】

  まず、資本主義がうみだす社会的格差の問題です。マルクスは、『資本論』第一部で、工場など直接的な生産過程の内部における搾取の実態の詳細な分析をすすめますが、最後の第七篇では、視野を社会全体にひろげた特別の一章をもうけました。そしてそこで、資本主義的蓄積のもとでは、「現役労働者軍」を広大な規模の「産業予備軍」が取り囲むという独特の人口構造(相対的過剰人口)が生まれることを明らかにしました。こうしてつくり出された社会状況が、社会全体の規模での経済的格差の拡大、すなわち、一方の極(資本家階級)では富の蓄積が、他方、その対極(労働者階級)の側では、「貧困、労働苦、奴隷状態、無知、野蛮化、および道徳的堕落の蓄積」という社会の二極分化を必然的に生み出し、拡大するのです(④108ページ)。
  マルクスは、続く部分で、「1846〜66年のイギリス」を例にとって、この分析を統計的に実証し、格差の途方もない拡大を嘆くイギリ  スの政治家グラッドストンの言葉を引用します。
 

   「人民の消費力が減退し、労働者階級の窮乏と貧困とが増加しているのに、それと同時に上層階級における富の不断の蓄積と資本の不断の  増大とが行なわれているということは、この国の社会状態のもっとも憂鬱な特徴の一つである」(同前1118ページ) 


  現代の資本主義のもとでは、社会的格差の拡大は、グラッドストンが聞いたら、「憂鬱」どころか、失神してしまうだろうほどの、いわば天文学的 規模にまで拡大しています。
  富と貧困の格差の問題について、系統的な調査にあたっているオックスファムという国際民間団体があります。

   この団体は、毎年1月に、前年度の調査結果を公表するのですが、今年1月に発表された2018年版報告書『資産ではなく労働に報酬を』の内容は、次のようなものでした。


  「最新報告書では、昨年、世界で新たに生み出された富の82%を世界の最も豊かな1 %が手にしたことが明らかになりました。一方で、世界の貧しい半分の37億人が手にした富の割合は1%未満でした」


  世界の人口は約74億人ですから、「最も豊かな1%」の富裕層の数は約7400万人です。この7400万人が世界の富の82%を手にし、37億人の貧困層が1%にも満たない富を分配しあい、「最低限の生活水準を維持することのできないレベルの賃金で厳しい生活を余儀なくされている」というのです。そのあいだの格差は、なんと4100倍をこえます。この途方もない格差が、世界の現実なのです。
   報告書は、貧富のこの格差が年々拡大する傾向にあることを指摘し、その原因についてもリアルな分析をおこない、社会格差の拡大が女性差別とも結びついていることを指摘します。


 「世界の億万長者の資産は、2010年以降、毎年平均して13%増加しています。一方では、一般的な労働者の賃金収入は、毎年平均し2%しか増加していません。また億万長者の数は、1年(2016年3月〜2017年3月)で2日に1人と、これまでにない水準で増えています」


「株主や経営層の報酬が増加する一方で、労働者の賃金水準や労働環境は改善していません。その具体的要因は、労働者の権利保護の衰退、大企業による国の政策決定への過剰な影響力の関与、そして株主利益最大化のために追求される企業の容赦ないコスト削減です。
   

 「女性労働者はその中でも苦しい立場に立たされていることが多い存在です。世界各地において女性は男性より賃金水準が低いばかりか、賃金が低く、雇用の不安定な職場ほど女性が多い傾向があります。一方で、億万長者の19人中九人は男性です」。


   ここには、21世紀を迎えた資本主義の危機的な現実が、動かしがたい数字で示されているではありませんか。利潤第一主義がひきおこし拡大してきた社会的格差の拡大は、人間社会にとって危機的な状況を、世界的規模で、またこれほどの深刻さでひきおこしているのです。

 以上、掲載文了

 

16年の大統領選で起きた「民主的社会主義」の旋風の再びの現象です。

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今日(18/9/25) の「しんぶん赤旗」

2018-09-25 12:30:38 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

 

今日の「しんぶん赤旗」

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