Jun日記(さと さとみの世界)

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美湾

2017-12-10 21:45:33 | 日記

 空路シドニーへ向かいます。予定では13:10~17:45まで機内です。単純に計算するとエアーズロックからシドニーまでは4時間35分かかります。日程表によると機内食が出る予定でした。何が出たか全然記憶にないのですが、昼食時間帯ですから、軽食だったと思います。

 そうそう、エアーズロック空港の「りんごジュース」の事を書き忘れるところでした。これがとても美味しいジュースでした。本当に美味で懐かしい味がしました。色が透明な琥珀色だっただけに、味もすっきりと澄んだ優しい味わいのジュースでした。瓶が昔懐かしい牛乳瓶だったこともあり、幼い頃に銭湯で湯上りに飲んだ「りんごジュース」をほのぼのと思い出しました。将にその味でした。ジュースはとても良く冷えていて、心にも体にも優しい自然の贈り物となっていました。私はこのりんごジュースの味わいは土地の風土が生み出す味わいなのだろうと思いました。このジュースにもいたく感動して自然の恵みを有難いと思ったものでした。

 幼少の折、私は銭湯帰りの祖母に頼まれて、よく近所の髪飾り、簪(かんざし)などの置いてあるお店にりんごジュースを買いに行きました。お店には牛乳、コーヒー牛乳、りんごジュース、フルーツ牛乳などを冷蔵するガラスの蓋の販売ケースが置いてあり、それら飲料も販売していたのです。当時でも櫛や髪飾り、簪が置いてあるお店はもう珍しく、そのお店ももうあるだけの商品の販売で店仕舞いする予定のようでした。このお店へ、私はよく祖母のお使いでりんごジュースだけを買いに行ったのです。祖母はお使いのお駄賃として私にもりんごジュースを買ってくれました。その様な訳で私はよく祖母のお相伴に預かり、この当時のりんごジュースの味をよく知っているのです。私の舌の記憶に残る、正にその当時の味のりんごジュースの味でした。(余談です)

 私は待ち時間の間徒然に任せて、売店や係の人と様々なお客のやり取りの様子を眺めていました。私と同じように売店の若い子の髭に驚く人、質問する人、若い子のにこやかな応対、また、りんごジュースを買って来て椅子に座り飲む人の様子等々、興味深く眺めていました。係の若い子の対応に腹を立てる客や、その人に年配の係の方が対応して若い子を取り成す様子、私と同じようにりんごジュースを飲んだ人が、やはり同じように目を輝かせてジュースの瓶を見つめ、非常に感激している様子、そうしてもう1本りんごジュースを買って来て飲むとしみじみとしている様子等々、暇な私は概ねにこやかにそんな待合室の中の穏やかな、日常の悲喜交々の様子を眺めていました。

 この時の私には気分的に豊かな余裕という物が有りました。旅の第一目標であったウルル登山に成功したのですから、オーストラリアやこの旅にもう思い残す事が無く、非常に満ち足りていて幸福でした。あまり得意でもない英語を売店で披露したくらいですから、私のその時のリラックス度という物が分かるというものでした。

 

 (エアーズロック空港からシドニーまでの搭乗券。また訂正されていますが、本来何番の席なのか不明です。お天気は良かったので、窓際は素敵な眺めが見えた事でしょう。もしかすると、日程表にはありませんが、またアリススプリングス空港で休憩があったかもしれません。昔のこの土地の御領主さまが愛妻家で、奥様の名前をこの土地につけたとかいうような話を聞いたように思います。素敵ですね。間違っていたらごめんなさい。)


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