JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

修理依頼は、2013年3月3日のBLOGの内容をご覧になり、メールにてご連絡ください。

FT-1000MP Mark-V 修理

2022-02-20 | Weblog
FT-1000MP Mark-V の修理です。

昨晩、一杯飲んでMark-Vでラジオを聞いていたら、椅子に座ったまま
いつのまにか眠ってしまいました。
ふと、目覚めてRIGを見ると、周波数表示が

「.100.00」

ん? 寝ぼけていて状況が良く分かりません。
こんな周波数聞いてないぞ.....
100KHzとは何が起こった?

バンドスイッチの14MHzをポチッ。
押した通りのバンドの14MHzにはなるのですが、DOWN方向に勝手にスキャンが始まります。
え?
じゃあ10MHzは? 同じです。
どのバンドスイッチを押しても、すぐにスキャンが始まります。

眠っている間に壊れて、どんどんダウンスキャンして、下限の周波数で張り付いていたのです!

マイクは繋いでないので、マイクのDOWNボタンが押されたままでもないし
本体にスキャンなんてボタンあったっけ?
無いよなあ。
じゃあ何でスキャンを始める?

そう言えば、数日前にリセットした時の初期値である
「7.000.00 LSB」 に勝手になっていた事がありました。
バックアップ電池が消耗して、毎回初期値で立ち上がるようになったか。
ラックから引っ張り出して電池交換するのは面倒だなあと思っていたのですが
それ以降初期値で立ち上がることありませんでしたので、そのままにしていました。

と、言う事はCPUのトラブルか?とも思いましたが
CPUが死んでいれば、スキャンもかからないし、周波数表示も
バンド切り替えも出来ないはず。
回路図を出して来て、深夜の
「一人作戦会議」
です。

UP/DOWNを制御する部分の、DOWN側のトランジスタの
E-C間ショートだなと言う推測で、太陽が昇ってきたので
寝る事にしました。

そして、朝ーーーーっ!
お楽しみの、修理開始です。
1時間もあれば終わるなと、気楽な気持ちで修理開始。


オシロスコープで目的のトランジスタを測定。
ガーーーーーーーン,予想は 「大外れ」

オシロスコープのプローブ片手に、回路図から回路を追いかけます。
みーーーつけた。

こんな部品持ってたっけ?

探す
探す
探す

あった!

交換して、緊張の電源ON!
スキャンが止まって、目的の周波数に気持ちよく合わせられます。



直りました。
めでたし、めでたし。

せっかく TS-940S の修理をしようと思ったのに、とんだ邪魔が入ってしまいました。
あー疲れた。
次の休みこそは、 TS-940S だぞ。






TS-940S 修理

2022-02-19 | Weblog
TS-940S の修理です。

棚の飾りになっている TS-940S ですが、売りに出すために動作確認をしようと
通電してみると、あらららPLLがUNLOCKを出しているじゃないですか。
まあ、この機種には良くある現象なので、びっくりはしませんが。

いつものように調整すれば良いかなと調整をしてみましたが、今回は様子が違います。
調整だけでは直りそうにありません。
これは重症です。腰を据えて調査しなければなりません。
ちょっと時間がかかりそうです。

他の部分もと、PLLをとっとと直せばよい物を今までの経験から、変えておいた方が良い
部品があるからと、ファイナルユニットを触り始めたのでさらに時間がかかります。

気になる部品を外して測定すると、うーん交換した方が良いかな....
あ、この部品持ってないぞなんてリストアップして、他の無線機の
部品も一緒になんてやっていると、すぐに一日が終わってしまいます。

分解ばらばらで保管してあったのですが、先日部品が届いたので部品交換をして組み立てました。


放熱用のシリコーングリスがカチカチになっていたので、拭き取って新しいのを塗布します。






せっかく分解したので、空冷用のファンに注油をと目をやると、すごい埃です。



清掃&注油をしておきました。

そんな事より、PLLを直さなくては。
あれこれ闇雲に触って見ても直らないので、回路図を片手に、いつもの
「一人作戦会議」
を行います。

不具合部分の回路を頭に叩き込んだので、測定器で頭に描いた通りの動作をしているか
どこでおかしくなっているかを調査開始です。
素直に直れば良いのですが......

こんな事をしているので、時間ばかりかかって、無線機の前に座っている時間が無いので
QSO数は延びません。


FT-980 修理

2022-02-12 | Weblog
FT-980 の修理です。

毎週BLOGを更新しようと思うには思うのですが、訳の分からない現象ばかりで
修理に熱中して、BLOGの更新は後回しになってしまいます....
部品入手の都合で、あれをやりながら、これをやりながら、それもやりながらと
頭の中は大パニックです。

既に、この無線機はオーナーさんの元に返却して、昔のアナログRIGを楽しんでおられます。
返却前にBLOGを更新しようと思ったのですが、自分の無線機を棚から出して来たら
動作品で保管していたのが、いつの間にか動作しなくなっていたので、それを
修理していたら、BLOGの更新は後回しに。

さて、本題です。
ご依頼内容は、
・感度が悪い
・Sメーターの振れが悪い

との事で、受信部のFETかトランジスタでも飛んだか?と軽い気持ちで作業を開始しましたが
予想が外れて、大捜索になってしまいました。

各部、出力レベルから探ってゆきます。



AC100Vがむき出しですので、触らないようにテーブで隠して作業をします。



思うように部品面で測定できない時は、こんな危険な格好で測定



毎度のことですが、この年代の無線機の基板は「試作品か?」と思ってしまいます。
売れ売れ!作れ作れ!いくらでも売れる、考えてる暇はない、こことここに
部品が無いぞ、しまったパターン変更する暇がないぞ、裏部品追加しといてって
感じでしょうね。

やっと動作がおかしい部分を発見!
ここの電圧は、これ位のはずと回路図から予想を立てながら確認。
しかし、そのおかしくなった部分の電圧には普通ではならないはず。
じゃあ、トランジスタか?、ダイオードか?  半田クラックか? あらゆる不具合を想定します。
色々測定したり、交換したりしましたが状況は変わらず。

結局、部品が悪い訳でもなく、調整ずれでもなくでもこの回路で動いていたんですよね。
どこかに修理に出されたのか、その怪しい回路は他の方も怪しいと思われたようで
部品のリードをカットして再度半田付けして接続されていました。

動作していた無線機を壊れて何も手を付けずにすぐにお送り頂ければ
勝負が早いのですが、あちこち触られたとか、10年以上放置していたとかとなると
色々考えなければなりませんし、複数故障を疑わなければならないので、かなり難しくなります。

今回のFT-980も20年ほど放置されていたようです。
最終的に、電圧が上がらないので感度が悪いのではなく、電圧が上がり過ぎているので感度が悪いと
言う事でした。じゃあ、調整して電圧が出ないようにすれば?と考えてしまいますが、電圧が出ないように
調整すると、目的の信号も無くなってしまいます。
感度を良くして、電圧が上がらないようにする?そんな事は出来ませんので
部品定数の変更で、必要な電圧が得られるようにしました。
従来、この回路でちゃんと動作していたようですが、約20年放置されていたようなので
完全にオリジナルの回路定数のままで感度を元に戻すことは不可能と考え、このような処置としました。
ボリュームで調整できるようにしてあれば大して悩む回路でもなかったのですが....
送信部には影響を与えない回路ですし、違和感なく信号が聞こえておりますので、良しとしましょう。

他にもAM,FM,SSBでAFで出力レベルが違うと言うのがありましたが、ここも調整ボリューム等は無く
改造しか方法はありませんので、そのままとしました。
お金と時間をかければ、良くはなりますが、古い無線機ですのである程度の妥協は必要です。





先程も書きましたが、
「おかしくなったらすぐ修理に出す」が基本ですね。
プロの修理屋さんに頼むと、時間単価で計算されますので、こう言う壊れ方だと
結構な金額になると思います。その前に改造の対応をしてくれるかですが....
すぐに修理に出せば、すんなり修理できるので安く仕上がるはずです!

さて、部品が届いたので、自分の無線機と格闘しますか。
これまた難しい修理なんです!!!