JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

修理依頼は、2013年3月3日のBLOGの内容をご覧になり、メールにてご連絡ください。

TS-50S 修理 5台目 その2

2014-12-30 | Weblog
TS-50S の送信出力が安定しない原因が分り、現在安定に動作していますので、
次はご要望のあったバックライトの電球切れの修理です。
TS-60V と同じように、LEDで処置しました。
電気を入れて、調光具合を調べてみると、設定をOFF,d1,d2,d3,d4と
変化させても、明るさが変わりません。
調べてみると、コンデンサの電解液漏れで、パターンが腐食して調光を
制御するICの電源ラインが切れていましたので、補修しました。



VFOのガタがありましたので、ナットを締めておきました。


バックアップ電池のソケット化をし、最後に各部調整です。
基準周波数は3Hzしかズレてなく、PLLロックレンジも問題なし、
その他あまりズレていませんでしたので、作業終了。

現在、連続通電試験を行っております。
TS-60V と TS-50S で記念撮影です。

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TS-50S 修理 5台目

2014-12-29 | Weblog
TS-50S の出力が安定しないとの事で、修理依頼がありました。
その他の不具合としてバックライトが点灯しないのと、メモリー保持用バッテリーを
ソケット式にしてほしいとの事で、作業開始。

ざっと試験してみると、
 ・21MHzで100W設定 CWで送信すると、出力が激しく変動
  他の周波数でも同じく変動を確認
 ・1.9MHz,3.5MHzは受信出来ず
 ・7MHZ~29MHzは感度良し
 ・バックライト切れ
 ・メインダイヤルにガタあり、また回転時カチカチ音

とりあえず、出力が変動するのを追いかけないと無線機としては使えないので
送信出力の変動から調査。

まず、FINALユニットを切り離し、TX-RXユニットの出力を見ると、非常に安定していて問題なし。
じゃあFINALユニットしかないとTX-RXユニットを元に戻し、TX-RXユニットの出力と
FINALユニットの両方を見ながら送信すると、両方の出力が激しく変化。
FINALユニットにSGから信号を入れて確認すると、出力は安定している。
じゃあALCが悪さしているしかないじゃないかと、検出回路を外してみても
状況は変わらず。
FILTERユニットも外して、FINALユニットの出力をダミーロードの直接繋ぐも変化なし。

さっぱり訳が分かりません。
整理すると
 ・TX-RXユニットの出力は安定
 ・FINALユニット単体では問題なし
 ・TX-RXユニットとPAを繋ぐと出力が激しく変動
 ・ALCを切り離しても出力が激しく変動
 ・FILTERユニットは外しているが状況は変わらず

????????????????? 頭の中に ?マークが数千個....

動作状態で測定機を使って色々調べたいポイントがあるのですが
基板の裏側であったり、基板が2階建て構造だったりするので、
見たい個所からリード線で引き出して測定して、ハズレだったらまた回路図で検討して
違う個所からリード線を引き出してと言う作業になります。
何度も繰り返したのですが、悪い個所は残念ながら見つかりませんでした。
リボンケーブルを使ってあり、何度も付けたり外したりすると、コネクタが
破損したり、リボンケーブルが断線したり折れたりする可能性があります。
自分の物なら、「やっちまえ、壊れたらその時だい」と思い切ってやるのですが
預かり物は、いくらプレゼントすると言われていてもそうは行きません。
メールで状況を説明して、今ならラジオとして使えるので、修理せず返却するか
一か八かやってみるかの選択を委ねました。
返ってきた返事は、「使えなくなったら、持っていても仕方ないので
差し上げます」との事。「それなら遠慮は要らん」

調べる事数時間。にっこり笑顔です!
分かってしまえば、なーんだそう言うカラクリかと、不良部品を交換して一件落着。
一点を見つめないで、四方八方を見回すと良い結果が出ました。
思い込みはいけません。
安定して100W出るようになりました。



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TS-60V 修理 2台目 その2

2014-12-28 | Weblog
TS-60V のバックアップ電池をソケット式にして欲しいと、先週連絡頂きましたが
修理で夜遅くなりましたので、今週に持ち越しになっておりました。
今週はここからスタート。



基準周波数を確認した所、37Hzズレておりましたので調整。
その他、必要個所の再調整を行いました。

2週間程度、毎日寝るまでの間連続通電試験を行い、問題なければ
オーナーさんに返却です。

これと並行して、TS-50Sも修理を頼まれましたので
不具合個所特定のため、調査しておりましたが、これが今までに
見た事のないトラブル。訳が分からず四苦八苦。
色々な壊れ方がある物ですね....

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TS-60V 修理 2台目

2014-12-21 | Weblog
TS-60S に続き TS-60V の修理で TS-60シリーズ 2台目です。

前回のTS-60Sは大変で、もう修理不能かと思いましたが
どうにか復活。忘れる事の出来ない大手術でした。
今回は間単に終りますようにと祈りながら、作業開始です。

パワーが少ないとの事でお預かりしました。
到着して、さっそくざっと動作試験。
おっしゃるとおり、パワーが1Wも出ていません。
さらに伺っていなかった現象が。
FM,AMはスケルチを切るとスピーカーからザー音が出るのですが
SSB,CWでは音がしません。
SGから信号を入れて見ると、Sメーターは振れています。

と、言う事で
 ・SSB,CWで音が出るようにする
 ・FM,CW,SSBで10W、AMで4W出るようにする
が今回の修理内容です。

いつもの通り、
  「送信出来ても受信出来なければただの箱」
ですので、受信部から着手。

CAR出力が出ていなかったので、PLLユニットを修理。


これで、各モードで受信出来るようになりました。

残るは送信。これはPAユニットを疑ったのですが、予想が外れ
制御信号の半田修正で直りました。

さらに、バックライトが切れているので交換とバックアップ電池の交換を
依頼されておりましたので対処する事に。

バックライトは電球2個を直列で、それが2回路の合計4個の電球で
構成されています。
6Vの電球だと思いますが、手持ちは12Vの物しかありませんので
LED化する事にしました。
設定で調光できるので、これも考慮しないといけません。
結局一番明るい部分にあわせて抵抗値を決めるとバックライトOFFの
設定でもかすかに光ってしまいます。
逆にOFFに合わせて抵抗値を決めると、一番明るい設定で光量が
足りません。
どちらかにしないといけませんがLEDですので、発熱、寿命を
あまり考えなくて良いので、OFFの設定を使う事もないだろうと思い
前者を選択しました。


残りはバックアップ電池の交換ですが、タブ付電池にするか、ソケット式に
するかですが、ソケット式を希望されましたが、夜も遅くなり
今週の修理は時間切れで終了。
来週はこのソケット取り付けと、総合調整、そして連続通電試験を
行う予定です。



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TS-930S 修理 その9

2014-12-14 | Weblog
TS-930S の次のトラブルは、POWERスイッチをOFFにしてもAC100Vが
トランスの1次側に供給され続けていると言う物です。

表示は消えているので、いかにも電源は切れているように
見えるのですが、改造した電源部を冷却するのに電源ON時は
受信時でもファンが回転するように改造していたのですが
いつまで経っても停止しないので気づいたのです。

今までは、パワーアンプの改造をやっていたので、発振などの
トラブルの時にすぐに電源が切れるように、外部のスイッチで
ON/OFFしていたのですが、パワーアンプが安定して動作している
ようなので、外部のスイッチを撤去してTS-930S本体のスイッチで
ON/OFFをするようにしたらこんな不具合を発見しました

それはまあ、1台の無線機にこれだけ不具合が
あると、前オーナーが修理を諦めるのも納得です。

何でそんな事になるかを回路図で追いかけました。
すぐには理解できませんでしたが、テスターで確認して納得。
このスイッチは2回路のNOで構成されていて、1回路は
トランスの1次側を、もう1回路はDC28Vを入り切りしています。
そのうちのトランスをON/OFFしている接点が溶着してしまっているのです。
なーんだ。

しかし困った。こんな古いスイッチは手に入らない......
ひらめきました。
生きている1回路を使って、パワーリレーをコントロールすれば良いのでは?

ATユニットとファイナルユニットの間に押し込みました。


横から一枚


結果はバッチリ。当たり前か。スイッチ1個、リレー1個の回路ですから。

電源OFFでDC28Vが32Vまで跳ね上がってその後じわっと
下がって行くのですが、気持ちの良いものではありませんので
電源OFFでもDC28Vより上がらないように処置をして
一件落着。

この不具合を見つける前にやっていた調整の続きを行い、
良い感じに仕上がって来ました。
パワーアンプのFANの音が大きかったので、取り外して注油と
異音が出ないように調整しました。また、電源部のFANも
同じように処置をしておきました。

来週はケースを元に戻して終了に出来るかな?
長い道のりでした。
もう不具合が出ませんように!

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TS-930S 修理 その8

2014-12-07 | Weblog
先週はWW CWに参加していたので、修理はしていませんでした。
普段なら土曜日は修理、日曜日は運用なのですが、WWとなると
世界中からかなり多くの方が参加されるのと、CWなので大声を
張り上げる必要も無いので、修理はお休みとしました。
ハイバンドのコンディションが良くて、沢山QSO出来、楽しい一時を楽しみました。

今週は定番の土曜日の修理を行いました。

TS-930と言えば、「不具合のお決まり事」デジタルユニットのスルーホールの問題を
対処しておいた方が良いと思い、早速作業開始。
この基板です。


基板のレジストと同じ色のラッピングワイヤを使用したので、分かりにくいですが
かなりの量のジャンパーがお分かり頂けるでしょうか。


これで完璧ではないでしょうが、SERVICE BULLETIN TS-930S NO.0045に
記載されているスルーホールNo.1~56までと、記載の無い箇所を画像のようにジャンパー線で
配線しておきました。もしこれでも不具合が起きたら、その時に
対処する事にして、今日配線した部分に間違いが無い事を祈りながら緊張のパワーON。
違うところを結んでしまうと、変な動きをするか煙が上がるか....ですが、

一発合格。

やっとそれらしい形になってきました。

前オーナーさんが結構ボリュームを回されているようですので、重要ポイントを
重点的に調整して行きます。
まずは、基準周波数。本来なら側面から調整できるのですが、高安定の
オプションユニットが実装されているので、デジタルユニットを外してズラさないと
調整できません。

わずか3Hzしかズレていませんでしたが、合わせておきました。

完成に向かって、一歩ずつ前進していると思った矢先、
またもやトラブル発生。
遊ばせてくれるなぁ~。


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