JR4GPAの「つぶやき」

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TS-50S 修理

2020-08-23 | Weblog
TS-50S の修理です。

いつもの 故障品 を購入して、いつか修理しようと保管していた物。
そろそろやらないと、再起不能になります。
ここまで読んで、「ああ、あれね」と思われた方は 「通」 ですね!

それは、TS-50、TS-60に使われている、表面実装のコンデンサは
電解液が漏れて、周りの部品、プリント基板を腐食させてしまうのです。

良くあるのが、しばらく使わなくて、箱に入れて大切に保管していたのに
久しぶりに出して来て、電源を入れたらフロントパネルの押したボタンの表示と
違う動作をすると言う物。
もちろん送受信に関する不具合など色々動作しない部分が出てきます。
電解液をまき散らしてあるので、どこに不具合が出るかわからないのが曲者。



今回修理するのは、「受信音がおかしい、ビープ音がおかしい」と言われて購入した故障品です。
ビープ音がおかしいってどういう事?
電気を入れて確かめて見ると、なるほど変。
この機種は、モード切替をするとCWでどのモードかを教えてくれます。
USBだと ・・-
CWだと -・-・
など。しかし、USBに切り替えると何も聞こえず、CWだとー・しか聞こえません。
ビープ音がおかしいと言うのは、頭が切れると言う事みたいです。
他のボタンはピッ程度しか発しないので、何を押しても無音です。
そうです、頭が切れているので、ピッ程度の長さでは全部が切れるのです。

まずは定番のフロントパネルに実装されている LCD Assy 基板にある電解コンデンサのチェックです。
本体から、フロント部分を取り外します。





やはり、液漏れしています。
コンデンサを触っただけで、ポロッと取れてしまいました。



コンデンサを交換したついでに、バックライトのチェックをします。
2個の電球を直列で、それが2ラインの合計4個の電球が使われていますが
1個切れると2個が点灯しません。今回は1個が切れていましたので
1ライン2個が点灯していません。



PLL UNIT にも液漏れする電解コンデンサが使われています。
さらに多くの電解コンデンサが TX-RX UNIT にもあります。
それらの基板を本体から外します。





PLL UNIT から対処。



続いて TX-RX UNIT も。


え、1個だけ表面実装の電解コンデンサがリード付きの電解コンデンサに変えられています。
どうやら前オーナーさんが交換されたようです。
うまく外さないと、パターンが剥げてしまいますが、それをやってしまったようです。
剥げた部分を細工して繋がれているのですが、大丈夫か?
回路図と基板の回路を確認していると、GNDに落ちていなければならない部分が
浮いています。
なるほど、ビープがおかしいのを直そうとされたようで、コンデンサが原因と思って交換したら
パターンが切れたと言う事でしょう。電解液でパターンが切れてGNDが浮いていたのは
気付かなかったようです。

これで組み立てて、動作チェックです。

ビープはOK。頭切れが無くなり、ちゃんとCWでー・-・ 、USBで・・-と
全部聞こえています。
受信感度も他のTS-50Sと変わりないような感じがします。

ここで時間切れとなってしまいましたので、詳細な受信チェック、送信のチェック、各部調整はまた来週以降で。

頼んでいた部品の入荷の関係で、あれをやりながらこれをやる状態で机の上は大パニック!
だから、大物が乗っかっている時は、TS-50のような小型の無線機を
持ち出して来て、隅っこでごそごそ修理するのです。
広い修理部屋が欲しい.......







NRD-515 修理

2020-08-09 | Weblog
NRD-515 の修理です。

・VFOが動作しない
・受信していると、20分位で変な音がして復調できなくなる
と言う物。

どちらから直すか悩めます。

トランシーバーの送受不能なら、とりあえず受信しないと、送信だけ出来てもと受信部から手を付けますが
NRD-515の場合、VFOが動作しなくてもフロントパネルのUP、DOWNスイッチで周波数の可変は出来ますので
困りはしません。
但し、その速度が速いので、思った周波数には止められないとは思います。

復調できなくなる周波数はどこなのかを探す必要があるので、周波数をVFOで可変できないと言う
苦痛を考えると、これが先かな。

NRD-515のVFOは、後ろに基板が乗っています。ここをオシロスコープで信号を確認したいのですが
そのままでは無理なので、VFOが見える所まで分解。
と、思ったら、結局取り出さないと無理と言うのが分かり、こんな姿に。


両面とも基板を外して、フロントパネルも倒してバラバラ状態。



こうなると電源を入れられないので、VFOの測定が出来ません。
じゃあ、切っちゃえ。
適当に切った訳ではありません。ちゃんと作戦を立てています。









今後の事も考えて、コネクタ式に。



そして測定中は延長ケーブルを間に入れて、手前に大きく引き出せるようにしました。



こうやって試験をします。



そして、なぜVFOで周波数が可変できないかを調査。



上がUP信号、下がDOWN信号。
おいおい、右回しでUPのはずが、UPの後にDOWNが出ているじゃないですか。
こりゃあ、綱引きだ.....
プラス1してマイナス1すれば、周波数は0。動かないはずだ。


この基板を修理。



VFOでちゃんと周波数が動くようになりました。

元に戻す時は、中間の延長ケーブルは外して、短くコネクタで接続。
二度と修理しないかもしれませんし、もう一度修理する時には、あのケーブルどこやったっけ?って
なるんでしょうけど。

さて、次は復調問題を探ります。