*『告発!検察「裏ガネ作り」』著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。29回目の紹介
~口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~
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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介
4 告発を決意した理由 P75~
(前回からの続き)
むろん、私がそんな脅しに怯えるはずはない。逮捕されるようないわれはなかったからだ。今回、逮捕容疑とされている詐欺も収賄もでっちあげだ。そもそも犯罪性のないところに犯罪がつくりあげられたのだ。
それはさておき、いったん検事長の線が消えた加納氏だったが、関西検察の秩序を守ろうとする逢坂氏や、元検事総長の土肥孝治氏らの強烈な巻き返しがあり、同年11月15日発令の検事長人事で、勇退する飯田英男福岡高検検事長の後任として、加納氏が昇任する案が浮上した。人事のゴリ押しである。
被告発人である加納氏がクロ・シロはっきりしないまま、天皇の認証官である検事長に就いていいはずがない。のこととを当時、裏ガネ告発について接触してきた「週刊文春」の記者に話すと、現職幹部の私が告発する形なら記事にできるということだった。実名が望ましいが、匿名でもかまわないという。
それまでの追及は私が表に出ず、「四国タイムズ」社長の川上道大氏が前面に立ってやってくれていた。私もなかなか決心がつかなかったが、いつまでもそうしてはいられない。そこで、とりあえず匿名でこの不正を告発することにした。それが「週刊文春」(13年11月8日号)の、
<現職幹部がすべてを語った/最後の聖域 検察庁組織ぐるみ/「機密費」横領を告発する!>
という記事だ。
朝日新聞の落合記者も「週刊朝日」(13年12月7日号)で、
<現職幹部が衝撃告発!!検察「裏ガネ」の全貌/組織ぐるみの裏ガネ「調査活動費」の驚くべき実態。架空の情報提供者でっち上げ、使途は高級料亭、ゴルフ・・>
という記事を書いた。
しかし法務省は、こうしたマスコミの批判に対して委詳構わず、11月1日、加納氏の福岡高検検事長昇任内示を発表した。
実はこの時、この裏で、検察の原点を崩壊させかねない信じられない事態が起きていたのだった。これが私をして現職のまま実名で検察の裏ガネ作りをマスコミなどに公表する決断をさせたきっかけだった。
その信じられない実態とは?それをこれから明らかにしよう。
※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(クロをシロにした検察の大罪)は、
2016/11/24(木)22:00に投稿予定です。