原発問題

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『世界が見た福島原発災害』第2章 飯舘村 ※7回目の紹介 <IAEA勧告を無視した政府>

2015-08-12 22:00:00 | 【世界が見た福島原発災害】

*『世界が見た福島原発災害』著者:大沼安史

第2章 飯舘村」を複数回に分け紹介します。7回目の紹介

  福島原発災害は、東電、原子力安全・保安院など政府機関、テレビ・新聞による大本営発表、御用学者の楽観論評で、真実を隠され、国民は欺かれている。事実 上の報道管制がしかれているのだ。「いま直ちに影響はない」を信じていたら、自らのいのちと子供たちのいのち、そして未来のいのちまで危険に曝されること になってしまう。

 本書は、福島原発災害を伝える海外メディアを追い、政府・マスコミの情報操作を暴き、事故と被曝の全貌と真実に迫る。

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**『世界が見た福島原発災害』著書 「第2章 飯舘村の紹介

前回の話:『世界が見た福島原発災害』第2章 飯舘村 ※6回目の紹介 <「政府から何の連絡もない」>

 IAEA勧告を無視した政府

 さて、こうした事態の推移の中で、「イイタテ」で動こうとしない日本政府を、世界はどう見ていたのか?

 ニューヨーク・タイムズは31日付で、米国の専門家、エドウィン・ライマン博士(「憂慮する科学者たち」の原発問題担当責任者)による、こんな警告を報じていた。

 ライマン博士は放射性物質の雲が風で流れていたとしたら、大量の汚染物質が雨によって一ヵ所に集中して落下していることもあり得ると述べ、「それだけの高濃度の汚染が特定の地区に濃縮してあったとしても驚くべきこととは思わない」と語った。博士はさらに、日本政府が半径30キロに設定した避難・退避圏を拡大すべきであると述べるとともに、IAEAに対して速やかな測定データの公開を求めた。IAEAでは現地での測定を3月18日から26日までの間に済ませていることを認めている。

 IAEAは18日から26日に現地で測定し、30日の前に、すでに結果がわかっていたはずだ・・・IAEAはなぜ早く発表しなかったのか?

 日本政府は避難圏を拡大しなければならない!

 ライマン博士は権威ある専門家だから、権威あるニューヨーク・タイムズがコメントを求めたのだ。その権威あるライマン博士が、日本政府は避難圏を拡大し、飯舘村の人達を避難させねばならない、と言ったのだ。

 つまり、そ知らぬ顔を決め込み、動こうとしない日本政府を非難していたわけだ。

 英国の「スカイ・テレビ」の報道はさらに手厳しく、直裁だった。

 「日本、国連の避難圏(勧告)を無視」

 なぜ、ここで「国連」が出てくるかというと、IAEA(国際原子力機関)とは、国連の機関であるからだ。日本はもちろん加盟国。「その日本政府が国連の機関であるIAEAの勧告を無視している・・・

 そう、その通りである。「この段階で世界はこう見ていたのである。IAEAはとにもかくにも、遅ればせながら、飯舘村の測定値を見て、日本政府に避難を勧告した。しかし、日本政府が勧告を無視した、と。

 スペインの最高級紙、「エル・パイス」も31日付で、IAEAが日本政府に「イイテタ」の人々を避難させるよう勧告した、と報じていたし、とくに環境問題では世界的な権威紙である英国のガーディアン紙も、環境団体「グリーンピース」の独自の現地測定結果を紹介し、日本政府に警告を発していた。

※続き第2章 飯舘村<国民を欺くNHKの飯舘報道>は、8/17(月)22:00に投稿予定です。

 

世界が見た福島原発災害─海外メディアが報じる真実

 


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