原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

福島第一原発3号機の爆発の翌日、沖合185キロで支援活動中の米軍空母が原発の風下から退避していた

2011-12-10 23:30:58 | 原発の異常情報

前日の福島第一原発3号機の爆発を受けて、
沖合185キロで支援活動中の米軍空母が、
他の艦船群とともに原発の風下から逃れていた。

米軍は広島・長崎のデータや核実験による米国兵士の被爆経験から放射能の
恐ろしさを言わば知り尽くしている。

 

米軍の「トモダチ作戦」苦戦 原発事故で一時退避も

 東日本大震災の被災者救援のため、米軍は14日、「トモダチ作戦」と名付けた活動を本格化させる予定だった。だが、福島第一原発の放射能漏れ事故を受け、原子力空母などによる支援活動は一時停止。日本の対米感情を改善し、在日米軍の存在意義を改めて強調する機会だが、見せ場を演出できるかどうかは見通せない状況だ。

 米軍は、13日に東北沖に到着した原子力空母ロナルド・レーガンのほか、横須賀、佐世保基地所属の艦船など計14隻を展開させる方針で、沖縄の海兵隊も投入した。背景には、「最も緊密な同盟国の一つ」(オバマ米大統領)である日本との関係を立て直したいとの思惑がのぞく。

 日米関係は、日本で民主党政権が誕生して以降、米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題で揺らぎ、今回の地震直前には、米国務省のメア前日本部長による「沖縄の人々は、ゆすりの名人」との発言に、沖縄が「差別だ」と反発する問題も起きたばかりだ。

 しかし、米海軍第7艦隊(神奈川県横須賀市)は14日、災害救援のため東北沖に派遣した艦船と航空機について、福島第一原発の近海から一時退避させたと発表した。大気中や展開中の米軍の航空機のほか、災害救援に携わったヘリコプター搭乗員らから低レベルの放射性物質が検出されたためという。

 空母ロナルド・レーガンは福島第一原発から北東約185キロの洋上に展開していたが、他の艦船群とともに原発の風下から逃れた。米紙ニューヨーク・タイムズによると、試料の採取は福島第一原発から約100キロ離れたところで行われており、放射能汚染が風でかなり広がっている可能性を示唆している。

 一方、在日米海兵隊(司令部・沖縄)も支援に本腰を入れ始めた。14日までに海兵隊普天間飛行場から輸送機10機、ヘリコプター8機を本土の岩国基地(山口)と厚木基地(神奈川)に派遣。14日には輸送機2機が数十人の海兵隊員を乗せて飛び立つところを報道陣に公開した。

 米軍基地が集中し、普天間飛行場の県内移設への反対が根強い沖縄では、「沖縄に海兵隊がいる必要があるのか」との不満が根強い。それを意識してか、在日米海兵隊は14日、「この支援活動で、普天間飛行場の位置が災害対応に決定的に重要だとはっきりした」とコメントを出した。

 在日米軍は大規模災害での支援活動を、戦争以外の軍事作戦における主要任務に位置づけている。日本周辺や東南アジアでの大地震や津波、台風などに伴う混乱は、地域の安全保障の問題に直結する、との認識があるためだ。

 災害時の救援訓練も重ねており、2004年末のスマトラ沖地震・津波のほか、フィリピンの台風(09年)、ミャンマー(ビルマ)のサイクロン(08年)などに対応してきた。米軍がこうした人道支援に力を入れる背景には、東南アジアで影響力を拡大する中国を牽制(けんせい)する目的もあるとされる。

 ルース駐日米大使は14日の会見で「これまで日本は(災害救助の姿勢を)何度も何度も世界で証明してきた。その日本がこれだけひどく傷ついた今、今度は我々が駆け付ける時だ」と同盟国としての姿勢を強調したが、原発事故の影響で救援活動が続けられるかどうかも不透明だ。(望月洋嗣=ワシントン、川上裕央、藤田直央)

 

(asahi.com 2011年3月14日)

http://www.asahi.com/international/update/0314/TKY201103140372_01.html


最新の画像もっと見る