原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『世界が見た福島原発災害』第14章 ミステリー ※5回目の紹介 <なぜ発電機は故障停止したのか>

2015-07-31 22:00:00 | 【世界が見た福島原発災害】

*『世界が見た福島原発災害』著者:大沼安史

第14章 ミステリー」を複数回に分け紹介します。5回目の紹介

  福島原発災害は、東電、原子力安全・保安院など政府機関、テレビ・新聞による大本営発表、御用学者の楽観論評で、真実を隠され、国民は欺かれている。事実 上の報道管制がしかれているのだ。「いま直ちに影響はない」を信じていたら、自らのいのちと子供たちのいのち、そして未来のいのちまで危険に曝されること になってしまう。

 本書は、福島原発災害を伝える海外メディアを追い、政府・マスコミの情報操作を暴き、事故と被曝の全貌と真実に迫る。

----------------

**『世界が見た福島原発災害』著書 「第14章 ミステリーの紹介

前回の話:『世界が見た福島原発災害』第14章 ミステリー ※4回目の紹介 <発電機はツナミでも生きていた>

 なぜ発電機は故障停止したのか

 さて、私の手元にある(といってもパソコンに取り込んでいただけのことだが)その東電報告書、「原子力災害策特別措置法第10条第一項の規定に基づく特定事象の発生について」を見ることにしよう。3月11日、事故発生当日付の文書だ。

 そこに事故発生時の経過がこう書かれている。

 午後2時46分頃に(地震で)タービンおよび原子炉が自動停止し・・・非常用ディーゼル発電機が自動起動しました。その後、午後3時41分、非常用ディーゼル発電機が故障停止し、これにより1、2および3号機の全ての交流電源が喪失したことから・・・

 つまり、大地震で発電所外からの送電がストップする中、「フクシマ」の非常用ディーゼル発電機はちゃんと生き残り、原子炉自動停止のおそらくは十秒後には自動起動し、「午後3時41分に故障停止」するまでは、発電を続けていたわけだ。つまり、55分間は発電を続けていたのである。電気をつくって非常用緊急炉心冷却装置を動かしていたのだ。それも1・2・3号機の全ての冷却装置を。

 これは東電報告書にある「午後3時41分、非常用ディーゼル発電機が故障停止し、これにより1、2および3号機の全ての交流電源が喪失した」が示す「事実」である。

 ということは、このディーゼル発電機の「故障停止」さえなければ、いまの「フクシマ」の惨状はなかったのだ。「チェルノブイリ」並みの「レベル7」に至る水素爆発も、「計画避難」も「放射能汚染」もなかったのだ。

 「運命の3時41分」ーということになるわけだが、東電の報告書には「故障停止」の詳しい内容は書かれていない。

 どんな故障を起こしたのか? 実は故障したのではなく、「燃料タンク」の流出で、一斉に「油切れ」を起こし「停止」しただけのことではないのか?

 「フクシマ」を津波が襲ったのは、前述のアレヴァ社のブラウン博士が作成した「パワーポイント資料」によれば、「3時1分(?)」。この前後に津波が襲来したのは間違いないことだ。となると、「燃料タンク」の流出後、40分ほどは「燃料タンク」からの供給がストップしても、一時貯蔵タンクの残留分などで(これは憶測ですー大沼)発電機は回っていたことになる・・・?

 今、手元にもうひとつ、当日の模様を報告した文書がある。当日(3月11日)午後11時の「政府緊急災害対策本部」の記録である。

 そこには「オイルタンクが津波で流出した時間が、「15時45分」と記されているのだ。

 つまり「午後3時45分」。

 東電の報告にある、ディーゼル発電機「故障停止」時間の午後3時41分」の4分後。

 もしも重油タンクが仮にこの時刻ー3時45分に津波で流されたのなら、ディーゼル発電機は、その後に停止していなければならない・・・。

 それに、なにより津波なそんな遅くに押し寄せていない・・・! 45分ほど前に押し寄せている・・・!

 この「矛盾」を、私たちはどう解釈したらいいのだろう。この「ミステリー」はいったい何を意味しているか?

 私の推測はこうだ。

続き第14章 ミステリー」<なぜ発電機は故障停止したのか>は、8/3(月)22:00に投稿予定です。

 

世界が見た福島原発災害─海外メディアが報じる真実

 


最新の画像もっと見る