原発問題

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『世界が見た福島原発災害』コンピュータによる事故解析モデルが示すもの ※3回目の紹介

2015-07-07 22:00:19 | 【世界が見た福島原発災害】

*『世界が見た福島原発災害』著者:大沼安史

第7章 安全コード」を複数回に分け紹介します。3回目の紹介

  福島原発災害は、東電、原子力安全・保安院など政府機関、テレビ・新聞による大本営発表、御用学者の楽観論評で、真実を隠され、国民は欺かれている。事実 上の報道管制がしかれているのだ。「いま直ちに影響はない」を信じていたら、自らのいのちと子供たちのいのち、そして未来のいのちまで危険に曝されること になってしまう。

 本書は、福島原発災害を伝える海外メディアを追い、政府・マスコミの情報操作を暴き、事故と被曝の全貌と真実に迫る。

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**『世界が見た福島原発災害』著書 「第7章 安全コード」の紹介

前回の話『世界が見た福島原発災害』コンピュータによる事故解析モデルが示すもの ※2回目の紹介

(中略)

 ▷ガス、原子炉建屋内のサービス・フロアに放出される

 ・水素は引火する

 ▶1・3号機

 ・サービス・フロア内で水素ガスが燃焼

 ・鉄筋で組んだ屋根を破壊

 ・強化コンクリート製の建屋はダメージを受けたようには見えず

 ・スペクタクルではあるが、安全の観点から言ってマイナー

 ▶2号機

 ・復水チェンバーから水素ガス おそらく漏洩(設計圧を超える内圧に)

 ・炉の建屋のチェットウェルに近接した場所で燃焼

 ・復水チェンバーに損傷

 ・制御不能の放出

 ・ガス・高度の汚染された水 核分裂生成物のエアロゾル
 
 ・一時退避

 ・発電所内の局地的な高い被曝量が復旧作業を阻止

 こうした過程を経て「フクシマ」は水素爆発に至るわけだが、長々とブラウン博士の「パワーポイント資料」の中身を紹介してきたのには、わけがある。

 ニューヨーク・タイムズによると、これは「フクシマ」の事故の事実の記録ではなく、「アレヴァ」社の「カタリ」というコンピュータ事故解析モデルによるものなのだ。「フクシマ」という原発で、事故がどんなふうに進行していったか、インプットされたデータ・情報をもとに「カタリ」が描き出したものなのだ。

 「アレヴァNC」のアラン・ハンソン副社長が3月21日という速い時期に、スタンフォード大学で、ブラウン博士作成の「パワーポイント資料」を使い、「フクシマ」の事故の展開と全貌を説明できたのも、この「カタリ」のおかげだった。

 誰も近づくことのできない「フクシマの煉獄」を、「カタリ」というコンピュータ事故解析モデルは、「再現」して見せていたのである。

 言い方を換えれば、こうなる。「アレヴァ」社という「フクシマ」に核燃料を供給していたフランスの世界的な原子力企業は、「カタリ」でもって、「フクシマ」の煉獄を、はるか彼方から見守り続けていたわけだ。


※続き「第7章 安全コード」は、7/8(水)22:00に投稿予定です。


世界が見た福島原発災害─海外メディアが報じる真実

 


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