*『告発!検察「裏ガネ作り」』著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。54回目の紹介
~口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~
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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介
12 独居房で迎えた正月 P171~
そういえば、知人が差し入れてくれた本の中に、偶然にも5舎4階について書かれている部分があった。その本によれば、5舎4階に収容されている被告は、ほぼ全員が死刑、無期懲役が予想される重罪犯らしい。房の番号は不明だが、以前に冤罪死刑第1号の免田栄氏が収容されていたとのこと。また、今でも何人かの確定死刑員がいて、日々息をひそめながら暮らしているらしい。私の隣房も懲役10年の確定因だった。
やがて12月の声を聴くようになると、房内は急に寒くなった。夏のサウナ部屋は冬は冷蔵庫になるのだ。忠臣蔵討ち入りのころに「桐灰カイロ(24時間持続)」の購入許可が出された。私も早速10袋購入し、夜は身に着けて眠ることにする。また、毛布も1枚追加支給された。しかし、入浴は週3回から月曜日と水曜日の週2回に減らされた。
拘置所内では四季の移り変わりは、体感によって知るだけである検討。鉄格子の隙間から見る外の眺めには、樹木など1本もないのである。あとは空の色が変わるくらいだけである。
勾留が250日近くなったころから、持病の糖尿病がさらに悪化しだした。血糖値が高値安定してしまい錠剤で抑えるのも限界に達したようだった。医師はインシュリン注射の検討も始めた。独居房でのストレスが余計に血糖値を上げるとのことだが、このまま獄死するわけには絶対いかない。病魔は気力と家族の絆で克服しなければならないのだ。
それにしても検察はこんな私の保釈請求を、なぜ執拗に反対し続けるのだろう。「事故(自殺)は困るが、病死なら構わない」とでも思っているのか。正月は間近に迫っている。しかし、自由は遥かに遠い。
※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(独居房で迎えた正月)は、
2017/1/18(水)22:00に投稿予定です。