「世界は恐怖する 死の灰の正体」
原爆被爆者の赤ちゃんはホルマリン標本に。16万人が調査対象。
亀井文夫監督「世界は恐怖する 死の灰の正体」(書き起こし)
http://ameblo.jp/chihointokyo/entry-11147185294.html より
http://ameblo.jp/chihointokyo/entry-11147185294.html より
世界は恐怖する 死の灰の正体
1957年制作原水爆実験後の日本の実態
http://www.youtube.com/watch?v=ogcIQKaIHcQ
じわじわ拡散されてきました。
が、50年以上前の作品で、ナレーションなどのテンポが今の私たちにとってかなりスローなので、すごく濃い内容なのに、正味80分なかなか観れない... (´・ω・`)。ということで書き起こしです。orz...)
とりあえず、流し読み得意な人、目を通してください。今、推進派の撹乱で議論になっていることの多くが、既にこの時点で答が出ていたのです。(参考までに時間経過メモを入れたままにしておきます。誤字脱字未チェックです。すみませんw)
なお、1キュリー(Ci)=370億ベクレル(Bq)ですので、
1マイクロキュリー(µCi)=37000ベクレル(Bq)
1マイクロマイクロキュリー(µµCi)=0.037ベクレル(Bq)
昭和年号を西暦に換算するときは、25を足します。
例)昭和32年→1957年。
2011年3月14日と20日の福島第一原発の爆発で放出された放射能の量はそれぞれの爆発当日だけで、原水爆実験が盛んであったこの映画作成時も入れて、過去60年間の累計値より大きかったのは既に知られるところです。(これを書いている現在、福一の1~3号機で1日当り約16億ベクレル、4号機も入れると推定で20億ベクレル、上から下から放出中です。)
世界は恐怖する 死の灰の正体
1:28:10 - 3 years ago
亀井文夫作品集 1957年制作 原水爆実験後の日本の実態
ブルーブラーニー、インド産の青い魚
発情するとオスはうるしのように真っ黒になり口から泡を出して泡の巣を準備します。
喜びに満ちたオスは泡の下に愛妻を連れてきて卵を生ませてようという訳です。
オスは背中でメスの背中をさすってやっています。
卵を産みました。こうしてあらゆる生物は種族繁栄の営みを素晴らしい喜びとしています。
しかし、この喜びにも、思いがけない破局がやってきそうです。
地下室に設けられた大量放射性物質操作実験室。
今日では様々な人間のの幸福のために放射能が使われていますが それを日本中に配給している日本ラジオアイソトープ協会の貯蔵庫です。
ジュウシマツのオスとメス。[鳥かごが実験室にマジックハンドで入れられる映像]
裏側の扉は厚さ45センチの鉄でできています。[ドアが閉まる音]
4:43 いよいよ、放射能が取り出されます。
4:54 まず、厚い鉛のフタ。その下の棚に載っている小さな容器に放射能が入っています。
大変危険なので、マジックハンドで操作を行います。
5:08 窓は二重ガラスで、その間にシュウカ亜鉛を溶かしこんだ水が入っていて、放射線が外側に出てくるのを遮っています。
5:20 3つの円筒型のタングステンの容器には、コバルト60といって、大変浸透力の強いガンマー線(γ線)を出す放射能が入っています。5:31
[コバルト60が入った容器の上に、マジックハンドで鳥かごが入れられる]
目には見えませんがどんどん放射線が飛び出しています。 05:37
今、小鳥たちは一分間に1500レントゲンの放射線をからだ一杯に受けています。 5:52
4分経ちました。 6:01
[時計のカチカチ音。2羽とも底に降りていて頭を時々震わせる]
9分経ちました。 06:34
[床に落ちて羽をバタバタさせる小鳥。なぜか片方だけを撮影。]
10分。11分 [1羽はうずくまりかけた様な姿勢で動かず、もう1羽は羽をばたつかせて底をゆっくり転げて動くのみ] 06:42 06:49
12分。[羽をばたつかせていた方も倒れて2羽とも動かなくなる] 06:54
これが放射能です。 07:00
[とっくに小鳥が離れたはずの吊るした止まり木が小刻みに揺れている] 07:10
07:21 [学校の校庭で、大人も子どもも一緒にラジオ体操をする風景]
07:38 この、同じ東京の空の元、立教大学の屋上にある集塵機、空気中の塵を集める機械は、あのビキニ事件のあった一年後、昭和30年3月以来、夜となく昼となく働き通しでおります。 07:54
これは、田島教室の研究です。 07:58
ポストの口に当たる部分に、濾過紙、フィルターを装置しておいて、空気を吸い込みますと、塵はこのフィルターに捕まって、一昼夜もすると、真っ黒になります。 08:13
この交換は1日一回、必ずやります。 08:17
このように捕らえられた塵の放射能は、計数管で測定され、それを元にして空気中の放射能の強さを推定します。 08:29
さて、屋上から外してきたばかりのフィルターを、電離箱の中に収めて、空気中の塵から出る、エネルギーを測定します。
08:56 最近問題になっているプルトニウム239もやはりアルファ(α)線を出しますから、ドウケイ助教授はこの方法により、東大の斎藤教室の化学分析と相まって、東京の空気から初めてプルトニウム239を検出しました。 09:17
09:40 ただ今くさび形に見えている、ブラウン管の光は、空気中に自然に含まれているパルス、即ち電気的脈動です。 09:56
10:02 東京下落合のオリエンタル写真工場では、立教大学で使っていたフィルターのような大型のものを使って、空気を浄化してからフィルムや印画紙を作る部屋に送っています。 10:19
この、屋上の集気室に吸い込んだ空気は、油を塗った金網の細かい目を通して、第一弾の浄化を行います。 10:47
次に水で洗ってから、紙を通過させます。完全なフィルムや印画紙を作るには、これほど厳重な空気浄化をやらなければならない。これが今日の日本の空気の実態です。11:06
さて、紙のフィルターは1ヶ月半ごとに新しい紙と交換されますが、真っ白だった紙は一ヶ月半後には真っ黒になります。 11:22
11:35 オリエンタル写真工場から運ばれてきた、塵の着いたフィルターを、東大の斎藤教室で化学分析をしてみます。 11:47
11:55 まず、焼いて灰にします。
12:02 煮ても焼いてもびくともしないのが放射能です。 12:18
実験をする人たちはゴム手袋、マスクで身を守る出で立ちに変わりました。 12:27
かなり鳴っているようです。1分間4000カウント、つまり1分間に4万個の放射性原子が今、崩壊している最中です。
12:59 分析は各種の薬品を使って、結びつけたり、引き離したり、また、濾過したり、沈殿させたり、ほぼ二十数段階の処理をして放射性物質を取り出す小さなステンレスの資料皿に収めます。
13:39 いま、ステンレスの資料皿に収められているのは、放射性ストロンチウムです。で、分析した資料をガイガーカウンターで測定します。 13:53
オリエンタルのフィルタについた塵の中からこんなふうにして、半減期2万4千年のプルトニウム239もこの斎藤教室で抽出されたのです。 14:08
このプルトニウム239は肺がんや気管支癌を引き起こす危険があります。 14:19
昭和29年、即ちビキニの水爆実験で、第五福竜丸の悲劇が起こった歳の5月16日、ここ気象研究所の三宅研究室では初めて、人口放射能を含んだ雨を検出しました。
それ以来、このビニールの資料機のひとつは雨を貯めて、もうひとつは1ヶ月ごとに変えて、ストロンチウム90を測定し続けています。15:04
三宅研究室では夏も冬も雨を煮詰めています。雨は煮詰めてしまうと、泥の塊の様なものが残ります。15:30
これをすりつぶしたり、るつぼで焼いたりしながら1週間もかかってストロンチウムをとりだします。
16:10 一昨年あたりまでは、核実験があった後だけ強い放射能の雨が降るだけで、実験がないときはずっと少なくなっていましたが、最近では実験がないときでもかなりの量の放射性物質が大地に降り注いでいます。 16:30
16:30 というのは、最近の核実験は各国ともその規模が非常に大きくなり、高空で実験を行っているために、死の灰の大部分が成層圏に残っていて、ゆっくりと絶え間なく落ちてきているからです。 16:49
雨や塵と一緒に大地に落ちた放射性元素が、どの程度たまっているかをしらべるために、国立農業技術研究所の江川技官たちは日本の農耕地から土を集めて研究しています。
土の粒子は放射能をすいつける作用があります。だから空から落ちてきた放射能は土の表面から1-2センチのところに溜まっていて、あまり深くは入りません。 17:33
従って採集も、上層、中層、下層と10センチぐらいまでの土を約2キログラムとってきます。
18:06 採集してきた土は、塩化アンモの溶液を入れて、これを浸透機にかけてドロドロの水にします。さらにこれを濾過すると土から放射能を引き離す事ができます。
分析の結果は、平塚市街の高地からからとった1kgの中から62マイクロマイクロキューリーを最低として、東京北浜の214マイクロマイクロキューリーが最高で各地まちまちですが、各地とも増加の傾向が目立ちます。 18:55
18:55 大地に放射能が溜まっている以上、底に生えている稲や野菜、牧草などは、当然放射能を吸い上げますが、その際、どのように植物の体内に溜まるかを調べるために、群馬大学の山形助教授はセシウム137を稲の根元に与えてみました。
19:27
3時間の後、サーベイメーターをあててみました。セシウムを吸わせないほうあまりなりませんが、吸わせた方はもう葉の先の方からも放射線がでています。
19:42
稔りの秋が来ました。写真フィルムを黒紙に包んで、そのうえにいねをのせておきます。脱穀した白米も乗せてみます。
すると、茎にも穂にも満遍なくセシウム137が溜まっていることがわかります。白米のほうにもこの通り溜まっています。
20:33 では、ふつうの田んぼでできた米めには放射能がどんな具合にふくまれているか、滝野川の農業技術研究所では、日本各地の米を年代順に分析して調べています。
20:55 海藤地方産の年代米では昭和29年には1キロの白米からはストロンチウム95が、0.5マイクロマイクロキューリーの放射能が出ましたが、昭和31年のからは1.02マイクロマイクロキューリー、約2倍出ています。 21:12
また群馬大学の山形助教授は昭和31年の1キログラムの白米から26.3マイクロマイクロキューリーのセシウム137を検出しました。
21:28
[田んぼでの田植えの風景]
22:16
放射能で汚れた大地のに生えた牧草を食っている牛の乳から放射能が抽出されるのは別に不思議な話ではないかもしれない。
だが、粉ミルクからセシウム137を分析しようとしている、この群馬大学の山形助教授の奥さんは、母であるだけにいっそう気が重いと言っていました。 22:42
昭和31年11月製造の粉ミルク1缶450グラムから330マイクロマイクロキューリーのセシウム137がでましたが、32年6月製造のからは420マイクロマイクロキューリー出ました。 23:02
23:09 セシウム137は非常に浸透力の強いガンマー線を出すので、遺伝的障害を与える危険性があるとされています。
23:15 しかも、遺伝的には、どんなに少ない放射能でもそれ相応に害があるのですから困ったものです。 23:22
ここに5人家族一週間分の食料があります。 23:27
日本検査会社の浅利博士は分析の結果、ひとり1日2.03マイクロマイクロキューリーのストロンチウム90をたべていることになるという計算を出しました。
また山形助教授はひとり1日50マイクロマイクロキューリーのセシウム137を食べていることを明らかにしました。 23:53
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東大病院の宮川教授はハツカネズミを使って放射能が生物の体内にどんなふうに溜まるかをしらべています。ストロンチウム90を2.4マイクロキューリーの溶液をネズミに飲ませます。 24:26
24:31 実験者はゴム手袋、防御面、ビニールの白衣で自分の体に放射能の飛沫が付くのを防ぎます。24:41
この実験は、もし人間が放射能を食べた場合、どんな風に体内に分布するかを知る足がかりになります。 24:52
ネズミは早いのは3時間後、遅くとも1週間の後、解剖されます。25:13
25:30 エーテルで麻酔をかけます。人工放射能が人間を脅かしているばっかりに、ネズミもとんだとばっちりを食う訳です。
写真はマダム・キュリー。ラジウム元素を発見したキュリー夫人。
(解剖中)
この実験で、ストロンチウム90を飲んだ場合、24時間後には約70%が体外に排出され、48時間後には、更に5%が排泄され、その後はほとんど排泄されないで体内に残るという事がわかりました。
ストロンチウム90は化学的性質がカルシウムと大変よく似ているので、生物の肉体はカルシウムもストロンチウム90も見境い無く吸収して骨に留めます。27:04
27:08 ネズミの骨を黒紙に包んだフィルムの上に貼付けてみました。
相当量のストロンチウム90が骨に溜まっている事がわかります。 27:30
今度は呼吸器から放射能を吸った場合、体内にどんなふうに留まるかを、東大の清水外科が実験しました。27:53
まず、実験の準備として、ウサギの喉に、風穴を開けておきます。27:59
誠にウサギも災難ですが、どうもやむを得ません。28:04
本当なら放射能を混ぜた空気を呼吸させればよいのですが、それでは実験車にも被害を与えますから、放射能の溶液を作って、この風穴から流し込んでやります。28:19
肺は液体でも吸収しますから、気体を吸収したのと同じ結果が得られます。
28:32 原子炉から出た放射性物質の溶液を注射器に入れます。
注射ではありません。ただ、喉の風穴から流し込んでやるだけです。28:59
液体なので肺に入ると幾分むせます。
29:10 この実験は人間が空気中の放射能を吸った場合と同じ状態なので、その場合放射能がどんなふうに人間の体内に定着するかを知るのに役立ちます。
時々、尿や糞の中に排泄された放射能を測ります。
1週間ぐらいしてから解剖して、臓器を一旦、乾燥炉に入れます。29:56
こうした実験で2、30%の放射能が体内に定着したことがわかります。
30:10 このことから、放射能は肺からも、胃腸からも生物の体内に入って、同じように定着するものだということがはっきりしたわけです。
なにしろ人間は1日1万リットルという莫大な空気を吸う訳ですから、肺から侵入する放射能の量も相当なものに違いありません。 30:29
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日本検査会社のアサリ研究室では、屍体や手術の際に切断した人間の骨からストロンチウム90を分析しています。 30:17
なにしろ、資料が人間の骨だけに十分手にはいらない。従ってまだ、まとまったデータはできてないようですが、それでも新潟大学医学部の渡辺博士の発表によれば、3年前、1.7マイクロマイクロキューリーだった肋骨の放射能が(昭和)32年度には数十倍の82.6マイクロマイクロキューリーに増えて来ています。
また5歳以下の子どもの骨にあるストロンチウム90の量は50歳以上の老人のそれの数倍になっています。 31:49
これは発育盛りの子どもほどカルシウムが必要なので、その際カルシウムとストロンチウム90を一緒にとるわけです。31:58
赤ちゃんは死の灰を大人より多く体内にとりいれているということは、将来の人間社会に暗い影を投げているといえます。
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広島大学の渡辺病理学教室では、放射能を使って人工的に白血病や癌を作る実験をしています。
まず注射しやすくする為にハツカネズミを電熱器で温めて、尻尾の部分を増長させます。33:00
注射液はストロンチウム89という放射能です。
これを1ヶ月ぐらいかかって少しずつ11回も少しずつ続けます。
こうして注射したネズミは大事に飼われます。なにしろ長い期間かかるので相当費用もかかります。餌代だけでも馬鹿にならない金額になります。しかし割り当てられた研究費があまり高くないので、研究員の中には、例えば、税込み3万3千円の給料のうち、月に3千円をネズミのために使って白血病や癌を追求している学者もあります。 34:13
こうした事情を知っているので、高校生たちが交代で手伝いに来ています。
第1回の注射後、約250日目に、後ろの腿が膨れ上がったのが出ました。エーテルで麻酔をかけて、解剖にとりかかります。 34:36
後足の骨に溜まったストロンチウム89から出る放射線で、その周囲の組織が病変したわけです。
放射能で癌になったネズミのレントゲン写真。渡辺研究室では、1000匹のハツカネズミに注射したところ、55%までが肉腫になりました。
35:21 この不幸な生き物は広島大学の門前博士の実験で、放射性リンを注射してから80日めに、首筋のリンパ腺に腫瘍ができたものです。これはしかし、人間ではないからと安心してはいられません。 35:38
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原爆を受けて12年、その間、電気会社の集金係をしながら女手一つでふたりの娘を育て上げたおっかさんです。
首筋のケロイドが癌になって、この春入院したのですが、病気の場所が場所だけに、医者も手の施し用がないまま、ただ、奇跡を待つばかりです。36:13
「全然眠れませんか?頭はどう?」
「頭はここらが..」
沢田さんの患部から削ぎ取った顕微鏡資料。左に端にやや大きく見える非整形?の組織が、癌です。 3705
ちょうど今、娘さんは夏休みなので、病院に頼んでおっかさんのそばに寝泊まりしております。
一日も早く治るようにと全国の人から送られてきた千羽鶴。
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38:50
東京都立大学のショウジョウバエの飼育室です。ショウジョウバエは2週間たらずで世代が繰返されるため、人間だと数百年もかかってしまう遺伝の結果をわずか数ヶ月で調べることができます。
台所の 漬け物桶やスイカの食べかすなどによく集まる目の赤い小さなハエがショウジョウバエです。都立大学の森脇研究室では、30数種、200系統ものショウジョウバエを保存しております。
39:37
これは正常なショウジョウバエ。
これはカーリーと呼ぶ、羽の奇形です。39:42
クザスター?。これも羽の奇形。
痕跡種と呼ばれる奇形。羽の痕跡だけが残っているという意味でしょう。39:53
こんなハエは野外ではとても生存競争に耐えられません。40:01
目の奇形。棒の様な格好の棒眼。
こうした奇形は宇宙線や自然の放射線の影響でできたものが多いと考えられますが、人工的にも放射線をあてて同じ様な奇形を作る可能性があります。
40:30
立教大学の小立研究室では、正常のショウジョウバエのオスにX線3000レントゲンをかけました。
するとこのオスの生殖細胞の性染色体にある遺伝子に、突然変異を起こしました。
X染色体は遺伝に重要な役割を果たしますが、Y染色体は性別を決定する以外はほとんど無力です。
メスの染色体には棒眼を表すBという遺伝子と、白目を表すWAという遺伝子が対になってあります。
このオスとメスの交配によって、染色体に変化ができます。そしてそれがまた、生まれてくる子の特徴を決めます。41:24
ハエの後尾の風景
散乱
貯精嚢(チョセイノウ)
42:03
メスの体内に入った精子はすぐに受精に使われるものもありますが、一部は貯精嚢に入って、ずーっと後になってから受精に使われます。
貯精嚢の中を競輪選手のように回っているのが精子です。
受精後、まもなく産卵が始まります。42:27
摂氏25度の温度なら25時間で幼虫が出て来ます。
幼虫は4、5日してサナギになり出します。
5日経ちました。43:16
サナギは約196時間で成虫になります。
44:06 孵化したてのショウジョウバエの成虫はとても綺麗です。
では、こうした交配によってどんな子どもが生まれたか、さっそく調べてみます。
棒眼で赤目のメスと、棒眼で白目のオスが同じ数だけ生まれました。
メスの性染色体の1本に、放射線を受けたオスの劣勢の致死因子が伝えられています。
オスの方の性染色体にはその致死因子がなくなってるかわりに、母親が持っていたB、即ち棒眼と、WA、即ち白目の遺伝子が入っています。
今、このオスとメスとをもう一度交配させて、孫を産ませてみましょう。 44:59
なかなか賑やかな出産風景です。突然変異を起こした親から数えると、ちょうど3代め、孫に当たるショウジョウバエです。
まず、形によって選別してみると、棒眼のメスと、赤めが少し欠けたメス、それと棒眼のオスの3種類でした。
そして生まれた割合は、メス2に対してオス1の割合です。正常の場合なら、メスオス同数が普通ですが、この場合はオスになる筈の卵が孵化しないで死んでしまいました。
これはどうしたわけでしょう。
棒眼のメスの性染色体は、第一代のメスと同じですが、欠け目のメスの性染色体の1本には、先ほどの致死因子が入っています。しかし、他の1本に正常の因子があり、これが劣勢な因子を作用を抑えているために、このメスは生きています。
ところが、卵のままで生まれなかったオスの性染色体はX染色体に致死因子を持ち、もう1本Yには遺伝的には何の力もないので致死因子を抑えることができず、死滅したと考えられます。
46:44
しかし悲劇はこれで終ったのではありません。外見はわずかに目の一部が欠けているだけですが、このメスは恐ろしい死の遺伝子を持っていて、長く将来に死の遺伝子を伝えていくことになるでしょう。
放射線で一個のオスの性染色体に突然変異を起こしただけのことが、末広がりに恐怖を伝えていくというこの事実の中に、大きな警告が秘められています。
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47:17
産卵期のリュウキンの生態。
47:43
水産大学の三村教室では、金魚の受精卵に放射線を当ててその影響を調べています。照射器のその丸い器の中に、放射能コバルト60がしまってあります。
5秒前、4秒前、3秒前、2秒前、1秒前、0...
いよいよコバルト60の照射が始まりました。
受精した卵に当てるのですがら、ちょうど、原爆当時、母親の胎内にあった胎児が放射線を受けたのと似ています。
かけた放射線の量は段階をつけて50レントゲンから3万レントゲンの間。放射線をあてた卵はガラスのバッグに移して徹夜で観察を続けます。
既に産卵してから30時間以上もたってます。49:16
ギョタイがはっきりするのももう間近です。
目もできました。49:37
遂に胎動が始まりました。
形も大分出来上がっています。
このころになると血の流れがはっきり見えます。
50:23 胎動もいっそう大きくなりました。
胎児は頭のてっぺんから孵化酵素をだして内側から殻を破ります。
産卵後、120時間。やっと完了しました。
放射能を多くあびた卵は孵化が遅れています。それでも6日めの真夜中頃にはに孵化を始めました。しかし大部分は奇形です。
これは正常。52:20
これは心臓のある部分、即ちシンロウ(?)が極端に肥大したもの。52:28
体がひん曲がったもの。52:34
百鬼夜行というべきか、まさに丸木画伯描くところの原爆の図を思い出させます。
哀れなのは、既に殻から半分ほど体が出かかっていながら、体の表面から腐り始めているのがあります。心臓だけが微かに動いています。53:59
あるいはまた、形ができたまま、殻から一歩も出ないで死んでいってるのがあります。
おや?これはこれはというわけで、この2つ頭の金魚が飛び出して来たときは、キャメラマンはもちろんのこと、専門家の三村教授も唖然としました。54:55
この怪物はコバルト60、1000レントゲンかかった卵から出て来ました。
5534
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これは広島で、中心から2キロの地点で、原爆を受けた40歳のお母さんから生まれた女の子です。
生まれたのは昭和27年7月、原爆を受けて7年目。お父さんのほうにもお母さんのほうにも、奇形の遺伝などは全く無く、原爆以前に生まれた子は2人とも健康に育っています。
56:13 無脳児。頭部が欠如しています。これは昭和26年生まれ。
次は昭和28年生まれ。体についている糸は、一旦解剖したのを縫い合わしたものです。
56:43
これは長崎で得た資料です。ホルマリン漬けになっていたものですが、瓶にいれたままでは何がなんだかわからないので、テーブルの上に出して撮影しました。昭和26年11月生まれ。この子のお母さんは原爆中心地から、1480メートルの三菱兵器所跡で被曝しています。
原爆とは関係なく、宇宙線や自然にある放射能でも奇形が生まれますが、これがその例です。57:21
これは広島である医者から手に入れた資料。単眼の男の子。安らかに眠って下さい。
58:16 [原爆ドームの遠景]
過ちは繰返しませぬから。まったく、そう祈らずにはいられない気持ちです。
58:43
長崎の林教授の調査によると、昭和24年から25年にかけて、被ばく者から生まれた子どものうち、22.3%が奇形だった。同じ時期に被曝していない親から生まれた奇形児は、8.7%だったと発表しています。
また、奈良医大の神部教授が広島のABCCに勤務中に解剖した、1000体の子どものうち無脳児が15体、心臓および大血管奇形が20体、単眼症1例、無眼症1例だったと報告しています。
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[原爆ドームの遠景と鐘の音]
この街に広島医科大学の田淵教授が小頭症、すなわち頭が非常に小さい生まれつきの例として学会に紹介した女の子が住んでいます。
お母さんは妊娠3ヶ月で爆心地から900メートルの建物の陰で原爆に合いました。
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この4つになるトモちゃんも広島で原爆を受けたお母さんから小頭児の例です。おかっぱでちょっとわかりませんが、2歳のとき、日赤病院で頭の大きさを測ったときは36センチで、正常な子より10センチも小さかったそうです。
4つになってもまだほとんど言葉というものを使いません。
[トモちゃんが室内で遊ぶ様子]
1:03:12
トモちゃんの母親:「あの、今の先生もおっしゃるんですが、長く煩わないで死んだ子どもの脳を貰って入れ替えたら、ある程度よくなるおっしゃるんですけどねぇ、なかなか頂けないそうですよ。子どもは二人ないし三人欲しいと思うんですけど、初めての子があんなですからね。もう怖いんですよ。先生は、『もうそんなことはないですよ。2度続いてということは滅多にないんだから産まれたらいいですよ』ておっしゃって下さるんですがね。」
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1:03:03
怖くてもう子どもは産めないという若いお母さん。しかし世は様々というか、ここ東京の球場前広場では夜な夜な種族繁栄の愛の営みが絢爛と続けられています。多い時には実に数百組。
しかしながら... もしもしお二人さん、と若い警官ならずとも呼びかけなければならない近頃物騒な問題が起こっております。
1:05:01
専門家たちがこの球場前の広場の土を採って、科学的分析を行ったところ、ストロンチウム90が1kgの土の中から、115マイクロマイクロキューリー、セシウム137が240マイクロマイクロキューリー、これが浸透力の強いガンマー線を出すので、性細胞に対する影響から、ひいては遺伝問題で近頃やかましく言われています。
1:05:38
ところで群馬大学の山形助教授は、最近人間の血の中から、例のセシウム137を摘出しました。山形助教授は前々から人間の血を分析したいと思っていましたが、何分高価なもので、乏しい研究費からは、ちょっと手が出ない状態でした。 1:05:59
しかし、幸い、進んで研究のため提供しようという人々が現れたので、初めて、生きた今日の日本人の血の中の様子を探ることができました。
1:07:11 [人血2]
分析の結果は少ない場合で1リットル当たり、86マイクロマイクロキューリー、多いので110マイクロマイクロキューリーのセシウム137が検出されました。
空気から、大地から、そして三度三度の食品からも、死の灰が検出できるということでは、正に八方塞がりです。これでは我々の体の中にも死の灰が溜まっていくことを覚悟しなければなりません。
それにしても、一体今後どうなるのか。
地表に溜まる放射能は大空から落ちてくるのですから、今後の成り行きを知る為にはどうしても上空の様子を調べて見る必要があります。
気象研究所の石井先生は3年前から茨城県舘野の放送気象台で気球を上げて上空にある放射能の強さを調べています。
放射能ゾンベという観測器を気球に付けて飛ばします。 1:08:54
放射能ゾンベは上空で放射能に出会う度にそれと判るモールス信号を無電で送ってまいります。1:09:04
気球は既に8000メートル近く昇っているようです。上昇するに従って放射能が増えていきます。
1万メートルで無電が途絶えました。たぶん電池がなくなったのかもしれません。普通なら1万8000メートル以上昇るのですが。
しかし、この日の実験によると1万メートル上空の放射能は従来に比べてかなり高いようです。
ところで、放射能ゾンベで判る範囲は、上空にある放射能の量だけであって、その一つ一つの種類ではわかりませんん。
そこで、気象研究所の応用気象研究部の伊藤博士は、飛行機に電気集塵機と、丸い筒の中にガーゼのフィルターをセットした集塵機とを据え付けて、上空の塵を採集する実験を始めました。
この日の実験はいわゆる予備実験で、機材のテストが主な仕事でした。
1:11:53
高度は3000メートルです。しかし、この程度の上昇ではとても十分な観測も資料も得られません。少なくとも5、6000(メートル)、できれば成層圏近くまで上りたいのですが、これも当分望めない夢です。
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奈良の若草山です。
今死の灰の問題と取り組んでいる東大の檜山教授は面白いことを考えました。というのは、鹿の角は毎年生え変わるということです。
ストロンチウム90はカルシウムとは親戚関係みたいなもので、カルシウムの行くところにはいつも一緒に着いていく。例えば、鹿の角の伸び盛りにはカルシウムをどんどん吸収する。
このときストロンチウム90も必ず吸収されるに違いない。その上、鹿の角は毎年一回生え変わるのですから、この角を年代順に分類したら、生物の体内に、ストロンチウム90がどんなふうに年々増えていくかを系統的に知ることができるだろう、というのが檜山教授の狙いだったようです。
さて、みなさん、気象研究所の三宅研究室が最近3つのグラフを発表しました。
[Cumulative ground deposition of Sr-90 in Tokyo (mc/km2)
地表面に蓄積したストロンチウム90(東京)
y軸: ミリキューリー/平方キロ x軸: 1954年から1957年隔月]
そのひとつ、東京の地表面にストロンチウム90がどのくらい溜まったか、ビキニ事件以来3年間に、ちょうど20倍。1平方キロに8ミリキューリー。
[Cumulatie Sr-90 deposition from nuclear tests to date in Tokyo
1957年以降核実験が停止されたとした場合の地表面のストロンチウム90
y軸:ミリキューリー/平方キロ x軸: 年(西暦)]
次は、もし今ただちに各国が、原水爆の実験をやめたらどうなるか。やめても今後10年間は増える一方で、現在の約3倍にまでのぼり、それからゆっくり減り始めて70年後にやっと現在の水準になると推定されています。
[Increase of Sr-90 deposition in Tokyo when nuclear tests will be held with the same rate in last three years July-1954-June1957, The equilibrium is realised in 60 years from 1957 equilibrium value 325mc/sq.km
過去3年間と同じ割合で核実験が行われるとした場合の地表面のストロンチウム90
y軸:ミリキューリー/平方キロ x軸: 年(西暦)]
それではもし、実験をやめないで、今までの割合で原水爆の実験を続けたとしたら、60年後には現在の40倍以上、危険水準を遥かに突破すると推定されています。
然るに、なお、実験は相変わらず続けられています。
今、ネズミは放射線を全身に浴びています。
[痙攣して激しく動き回り、やがて動かなくなる映像]
ネズミは死にました。
ネズミの死が人間の運命を暗示するものでないことを心から祈ります。
[子どもたちが雨の中をカッパを着、傘をさして歩く映像]
作者の言葉
死の灰の恐怖は、人間がつくり出したものであって、
地震や台風のような天災とは、根本的にちがいます。
だから人間がその氣にさえなれば、必ず解消できる筈の問題であることをここに附記します。
死の灰の恐怖は、人間がつくり出したものであって、
地震や台風のような天災とは、根本的にちがいます。
だから人間がその氣にさえなれば、必ず解消できる筈の問題であることをここに附記します。
終 1:19:10
原爆被爆者を疫学調査した膨大なデータ。
死亡した被爆者の赤ちゃんはホルマリン標本に。16万人が調査対象。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/28b6ce4100bde5d10ecba5726f872405