Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「飢えたライオン」@ロッテルダム国際映画祭2018

2018-01-31 14:24:32 | Movie
今年もロッテルダム国際映画祭へ行ってきました。
水曜日の夜に見たのは、「飢えたライオン」(The Hungry Lion)です。
彼氏がいて幸せそうな毎日を送っていた女子高生が、ネットにある淫らな動画に映っている女の子の本人だという噂がたち、どんどんと追い詰められていきます。
ドキュメンタリータッチで、エピソードがどんどん重ねられていきます。80分くらいの映画でコンパクトでよくまとまっていて、わかりやすかったです。
監督は緒方貴臣、出演は松林うらら、水石亜飛夢などで、高校の校長役でちょっとだけ竹中直人が出ています。画像では小さくてわかりにくいんですが、声ではっきりわかります。
映画が終わったあと、監督と出演者が登壇し、質疑応答がありました(写真)。
タイトルの「The Hungry Lion」は、アンリ・ルソーの絵に同名のものがあり、その絵のライオンに襲われているカモシカが主人公の女子高校生に見え、まわりの森の木などさまざまなメディアや傍観している人々のように見えることからの命名だそうです。
質問のなかには、日本社会の特殊性に及んで、「被害者の女性の母親が批判されるのか」や「なぜ女友だちは冷淡なのか」という疑問がありました。
オランダ社会でももちろんいじめはあり、日本だけの問題ではないし、SNSを通じたいじめもオランダであってニュースになっていました。
監督が語っていた、事件後、被害者の女性について、メディアでは清純な良い子という像を作り出しているのに、世間のレベル(噂話や口コミなど)ではだらしない不良な女子高生という像で語るのが好まれるというこの対照的な現象は、人間の嫌な部分を見せつけられていると思いました。
見たあとに、いろいろと考えさせられる映画でした。おすすめです。




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