BCLに夢中になっていた子どものころ、友人が持っていたナショナル「クーガ」のジャイロアンテナなるものをクルクル回しながら一緒に耳を傾けた記憶があります。大きなバーアンテナを本体上部に出して回るようにし、指向性を合わせやすくするというアイディアでした。
市販のAMラジオというのは、ほとんどが外部アンテナ端子を持たず、バーアンテナを内蔵しています。ということは、その大小が性能を決定づけると言ってもよいわけです。しかし、大きくすると本体も大型化してしまう。ということで、一般には長くても10cm程度のものが装備されるようです。
ゲルマラジオの高性能化を考えた場合、コイルとしてバーアンテナを使い、かつ、なるべく大型のものにすれば、かなりの効果が期待できるのでは?前回の実験でも、長さ14cmのバーアンテナに切り替えたところ、若干、感度が上がったように感じられました。ただ、バーアンテナのみでの受信は、当局の環境では不可能でした。
そこで今回は、これを大型化し、ジャイロアンテナ風に独立して接続できるようなものを考えてみました。
<材料>
・長さ16cm、直径1cmの棒状のフェライトコア4本(ラジオ少年通販で購入)
・リッツ線0.1mm×60本 数メートル(同上)
・板、端子、その他
<製作>
・フェライトコア4本を結束バンドで束ねる。
・コアにコピー用紙を巻いて、テープで留める。
・リッツ線を重ならないように巻く。
20回、30回、40回、50回、60回のところでタップを作っておく。
結局70回巻きました。
・リッツ線の両端をテープで留めてほぐれないようにしておく。
これでコイルは完成。コイルを巻くのは、数十年ぶりで、きれいには巻けませんでした。タップもいびつです。見た目はダイナマイトのよう。手に持つとズッシリきます。
さっそく、LCRメーターで各タップごとの容量を測ってみました。
・20回巻 65μH
・30回巻 140μH
・40回巻 245μH
・50回巻 320μH
・60回巻 430μH
・70回巻 532μH
となりました(平均値)。エアバリコンの容量を考えると、50回巻きが良さそうです。45回でも良かったかもしれません。
これで容量もわかりました。あとは、適当な板(今回はコースターを使いました)に固定し、コイル先端用と50回巻タップ用のターミナル端子を付けて完成。
さて、効果のほどは?? まずクラシックゲルマラジオ。付属コイルのミノムシクリップを大型バーアンテナにつなぎ替えてみました。もともとかなりの音量で鳴っていたため、大きな違いは感じられませんでした。わずかに高音領域がパワフルになったような。次に本命。バーアンテナのみで受信できるかどうかを試してみました。結果は、残念ながら何も聞こえてきませんでした。かすかに聞こえるという感じでもありません。ノイズが聞こえるのみ。
続いて、第1作(HG-770)の小さなコイルを取り外して、大型バーアンテナに変更してみました。トリマーをドライバーで慎重に回すと・・・聞こえてきました。そこそこの音量。でもクラシックゲルマラジオほどではありません。半分程度。音量の違いは、コイルの大小だけもないようです。
もっとパワーアップするかと期待しましたが、いくら大きなバーアンテナといえども、増幅したようにはいきません。そこがまた工夫のしどころですね。
今回、数十年ぶりに自分で巻いたコイル、うまく同調してくれた瞬間というのは、ちょっとした感動がありました。
大変参考になりました。
この方はクラスタ式バーアンテナ並列化で
SPを鳴らすことがうまくいっているようですよ。
マルチバーアンテナ式ゲルマニウムラジオhttps://www.youtube.com/watch?v=Y3IFMcAyrn0
かなり大雑把なやり方でバーアンテナの並列、直列を試したことはあるのですが、期待したほどでなかった記憶があります。うまく作り込めば単純にコアを束ねるより良いのかもしれませんね。たいへん参考になります。
情報ありがとうございました。
あけましておめでとうございます。
ご返信ありがとうございます。
実は私もTOXさんと同じことを考えていて、太くて大きなバーアンテナなら感度の大きな中波アンテナが作れるのでは・・・と。
ラジオ用バーアンテナはあれはあれでポータブルラジオ用途向けに最適化されたものなのかもしれませんね。これだけ小型で高感度というのはバーアンテナ最大のメリットと思います。
アマチュア無線には中波帯も新バンドが割り当てられたようなので、これからは送信も可能で道の面白い分野と思います。
TCXさんのようにうまくいかなかったという情報が一番役に立つ情報と思います。