M9という途方もないエネルギーを発する巨大地震に見舞われたのだから、何か前兆のようなものがなかったのか、ということが時々話題になります。自分としては特に思い当たらないのです。3月9日に久しぶりに大きな地震が来ていたのですが、それすら忘れかけていた二日後、唐突に揺れが襲ってきた、そんな感じでした。
新聞報道によれば、GPS衛星などを使って様々な前兆はとらえられていたようです。
・東北地方のFM放送の電波伝搬が8ヶ月前から2~3倍強くなっていた(北大)
・地震の40分前から震央上空300Km付近の電子量が異常に増加(北大)
・地震発生1~3日前から上空の電子量の増加を確認(千葉大)
毎朝、7MHzやVUをワッチしていますが、何かいつもと違う異変や兆候には気付きませんでした。ただ聞き流しているだけで察知できるというものではないようです。
ネットで検索すると、前兆観測を公開されている方も多いですね。
・地震雲の観測
・大気中のイオン濃度
・ガンマ線の増減
・電子機器の異常動作 などなど
どれもそれらく思えてしまいますが、中には「体感」などというのもあります。地球上に70億近い人がいるわけで、その中には、特殊な能力をお持ちの方もおられるのかもしれません。一概に否定もできないし、信用もできない、地震予知というのはそういう不確かさがあって、そこがまた面白くもあり、ロマンでもあるのかなとも思います。
江戸末期、安政の大地震。浅草の眼鏡屋で磁石に吸い付けてあった釘などがバラバラと落ちてしまったので不思議に思っているところに、数時間後、大きな揺れが襲ったのだとか。大地震の前兆として磁力が急に弱くなるということが話題となって、当時、作られたのがマグネット式地震予知器というものだそうです。磁力を相対的に弱めてしまうような磁界が、大地震の前に発生するということでしょうか? だとすると、電子機器の異常動作なども説明がつきますね。これで実際、予知できたとか、そういう研究が大規模に進んでいる、というわけではないようです。当時は、まだ磁石そのものの珍しさもあって、真実味をもって広がったのかもしれません。
でもこの話、妙に興味をそそられてしまいました。マグネット地震予知器・・・。
ネットで検索してみたら、佐久間象山が作ったという予知器の現物も残っているそうで、図解も見ることができました。さらに、仙台在住のOMのブログでも「超高感度マグ」という装置を開発して、実績を重ねていることが紹介されており、6月23日の地震(震度5弱)も的中させたのだとか。やはり、磁界に変化が起こるというのは本当らしい???
佐久間象山の装置は絵図を見る限り何も特別なものはなく、要は、「磁石の磁力が急に弱くなって吸い付いていた物が落ちる」という現象を視覚および聴覚でわかるような装置であればよい、と解釈できます。難しいことは考えず、雨天休日、簡単な試作品を作ってみることにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/b3/f3b91f777dcea296166dd138f4bf38f6.jpg)
銅パイプで支柱と土台を作製
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/44/d4c5c7f3a32e5730b340195ac1cbd499.jpg)
二つをはんだ付け。高さは12cm。上部中央に鉄板(何でも良い)と磁石を装着
鈴にナイロン糸を通して、ぎりぎり落下しない位置に調整して完成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/57/e71e94b12c1a33854a686c2f7af45e86.jpg)
一見すると鈴が宙を浮いているよう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/3b/0c42b907808f880537b231d7d996ae2a.jpg)
磁力が弱まれば、落下して音を鳴らす
銅パイプの切れ端と磁石と鈴。すべて有り合わせの材料で作りました。製作費100円程。ホント、単純な装置です。Xはオブジェとしておもしろがってくれました。真偽のほどは半信半疑。とりあえず室内に置いてみることにします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/20/11e5a725c8413e456760cdaa1b97a65c.jpg)
奥が昨年のハムフェアで購入した電界強度計(無電源で作動)
微妙に変化するのでこちらも観察してみます
《追記》
設置して2週間、昨日(7月7日)初めて鈴が落下しました。自分はCMでいなかったのですが、Xによると、午後5時頃ふと見たら落下していたとのこと。午後2時過ぎに弱い地震があって、もしかするとその揺れで落下したのでは?との話でした。鈴は微妙なバランスで浮いているので、かなり敏感ではありますが、生活震動や空調で落下しないことは確認済みです。また、この2週間、震度1~2は何度かありましたが、その揺れによって落下したことはありません。なので、別の要因と思っていたところ、本日(7月8日午前3時46分)、福島県沖を震源とするM5.6(最大震度4)が発生しました。当地は震度3で、6月23日以来の割と大きな揺れでした。予知器を確認したところ、鈴は落ちていませんでした。やはり地震の揺れによるものではなさそうです。M5.6を予知して(磁界が変化して)数時間前に落下したとか?この規模で???
以上、記録として追記しておきます。
TCXさんの記事を読んでいて・・・・、磁界も地震の前に変化するんですね。安い磁界センサーでも購入して、検知器でも作ろうと思って検索しましたが、μT以下を測定できる磁界センサーの安物ってないですね。まあ、次に東京に出かけたときにでも、秋葉の知り合いの店に相談してみます。
それと、先週末は仙台駅の近くでコマーシャルだったのですが、地震の後遺症とかまったくないですね。さすが大都市。でも、海側は大変なのでしょうね。
震災の後、地震のことが頭から離れなくなって興味を持ち始めましたが、子どもじみたものを作ったりして、自分でもあきれております。
江戸時代と違って、今は高精度な磁界測定器があるわけで、そういうもので測れば、磁界に変化があるのかどうか、一目瞭然なんでしょうね。
私も6mや10mFMをBBアンテナでワッチしていますが、通常のEsなのか地震性のものなのか?珍しい伝搬といっても、そういうことはまれにあるし、その都度、地震が起こるというものでもないような・・・。
磁界の変化もそうですが、ある現象に気付いたとして、その規則性を検証する時間軸のスパンがとんでもなく長いというところが、最大のネックですね。しびれを切らして止めてしまった頃に、起こったりして。
「予知器」の方は、今日まで鈴が落ちることもなく、同じ位置に浮いてます。無電源電界強度計は振れが半分ほどに下がりました。これからどういう変化を見せてくれるのか楽しみです。