JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

FM無電源ラジオ 2号機

2014年09月13日 | ゲルマラジオ



 中波ゲルマラジオと違って、FMの場合はアンテナがシビアな印象を受けます。適当にビニール線をつないでおけば聞こえる、というものでもありません。試したところでは、1/4λのロッドアンテナを2本、ダイポール風につなぐのがベストでした。その場合も、一方は垂直に、もう一方は水平とか、偏波面も単純ではないようです。また10cm動かしただけでも信号の強弱がはっきりとわかり、うまく電波を捉えるとフワッと浮いてきます。この感覚は、特小交信に似ていて、なかなか味があります。また、垂直、水平、方角、角度などを変えることで、混信の軽減にも多少、効果あります。

 とはいえ、前作の最大の問題はNHK仙台FMとFM仙台がかぶって聞こえてしまうことです。しかも、バリコンがほとんど用をなさず、回しても信号の山がはっきりしないのです。放送は聞こえているので、同調はしているのだろうとは思いますが、のべつ混信では面白くありません。バリコンを回す楽しみもないわけで・・・。


 ということで今回、分離(選択度)の改善をテーマに、2号機を作製してみることにしました。見直したのは、コイルとバリコン。前作のコイルはいい加減な試作でしたので、今回はきちんと80MHzに同調のとれている市販コイルを用いることにしました。またバリコンは中波用の4連エアバリコンの一部のみを使ってみました。

<材料>
コイル AMZ同調コイル(7mm角) 80MHz(せんごく電商)
バリコン 4連エアバリコン 200pF、90 pF、28 pF×2
ダイオード 1SS106
コンデンサー 2200pF
トランス  サンスイST32
その他   ステレオイヤフォンジャックなど



 AMZコイルは秋葉原のせんごく電商本店で調達。FCZコイルが絶版になって、その代用品という位置づけのようで、アマチュア無線各バンド用のコイルが多数取り揃えてありました。80MHzに同調するようにできており、アンテナコイルも内蔵されているので、アンテナをつないで同調が変わってしまう問題も解決できるのでは?一方、バリコンは中波用の4連ですが、28pF×1のみを使うことにしました。


2200pFを並列に入れた以外、回路は同じ


 コイル、ダイオード、コンデンサを小さな蛇の目基板にハンダ付けし各部を配線。いつものとおり、かまぼこ板のバラック風。アンテナ、アース各端子にミノムシクリップでロッドアンテナにつなぎ、さっそく受信。1号機のようにバリコンを回す前から放送が聞こえてくることはありません。最大限の集中でもって慎重に回すと、思いのほか大きな音声が聞こえてきました。何かのCM。ということはFM仙台。さらに回すといったんほとんど聞こえなくなり、今度は先ほどを上回る音量でNHK仙台FMが聞こえてきました。



 完璧とは言えませんが、分離の改善は一応クリア。バリコンを回す→放送が聞こえる→いったん聞こえなくなる→別の放送が聞こえてくる、この当たり前のことが可能となっただけですが、バリコンを回すこと自体とても楽しくなりました。

 エアバリコンの他の3連を組み合わせて結合すると、感度と分離が微妙に変わります。試した中では、28pF+90pFの組み合わせがベストでした。またAMZコイルのアンテナ端子にアンテナを接続するよりも、バリコンに直接接続した方が、感度はなぜか数段上がります。無電源ラジオはこういうことによく出くわします。ちょっとした接続(回路)の違いで天地の差。FMの場合は、とりわけその印象が強くなりました。教科書通りにいかないから電波は面白いです。



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