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サントリー、ビール事業悲願の黒字化へ 参入45年で

2008-06-25 19:27:40 | Weblog
サントリー、ビール事業悲願の黒字化へ 参入45年で初 2008年6月24日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0624/TKY200806230314.html
 サントリーの佐治信忠社長は23日、朝日新聞のインタビューで「売り上げが伸びており原材料費の高騰分を補っている」と話し、ビール事業が08年12月期に黒字化する見通しを明らかにした。実現すれば63年にビール事業に本格参入して以来初めて。
 今年初めには、09年12月期での黒字化を見込んでいたが、前倒しされる見込み。高級ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」や第3のビールの「金麦」「ジョッキ生」の販売増が寄与しているという。
 サントリーの07年12月期の連結売上高は約1.5兆円で、ビール事業の売上高は15%の2252億円。同期も黒字化に近づいたものの、ザ・プレミアム・モルツなどの販促費がかさみ、かなわなかった。
 ビール系飲料では、キリンが2月、アサヒが3月、サッポロが4月に値上げしたが、サントリーは家庭用缶ビール類の値上げを9月まで延ばしている。据え置きの理由は「チャンスだと思ったから。(夏の)ビールシーズンをまたいで、我々の商品を飲んだことがない人に(安い)価格で試してもらいたい」。
 今年1~3月のサントリーのビール系飲料(発泡酒、第3のビール含む)のシェアは12.8%で、3位サッポロに0.5ポイント差まで肉薄。今年上半期で初めてサッポロを抜くとみられていることについては「3、4位の争いは大して関心がない。シェア20%、25%を狙わないと意味がない」と強気の姿勢を示した。



 サントリーのビール事業が、参入45年目にして念願の黒字化を達成するようです。まあ、普通の民間会社ならば、44年も赤字を垂れ流していればとっくに撤収の対象になっていてもおかしくありませんが、サントリーは非上場企業。ウイスキーという安定した収益を支えに地道に事業を続けてきた成果がようやく実を結ぶ形になったようですね。
 まあ、今回の黒字化には、他にも原材料価格の高騰の影響でキリンが2月、アサヒが3月、サッポロが4月に値上げしたことに対して、サントリーは、業務用たるや瓶ビール類こそ4月から値上げしたものの、家庭向けは9月1日からの値上げ(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/consumer/2008/04/post_165.shtml)とすることで、粗利益率が下がる覚悟で、あえて夏に向けて対個人に絞ってシェアを取りにいく戦略を選んだことや、元々好調なモルツ・プレミアムモルツに加えて、今年は「金麦」「ジョッキ生」といった第三のビールが値段を据え置いていることで、他の大手3社と比べて割安感が目立つことも、シェアを奪い黒字化に大きく貢献したものだと思います。
 それだけに、本当の勝負は個人向けを値上げした9月以降の売り上げが好調を保つことが出来るかでしょうし、サントリーとしても黒字化を達成したことに気を緩めることなく、引き続き顧客を取り込む絶え間ない努力が必要となっていくのではないでしょうか。


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