Takekida's log

千里の道も一歩から

改革の王道

2024-01-28 23:36:47 | Books
 決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻 (角川書店単行本) 三枝 匡 (著) 
 三枝さんが50代の時に手掛けたコマツの産機事業の立て直し=2年間のエッセンスが凝縮された本です。この本の基は20年前にさかのぼるとのことですが様々なノートの追加など大幅に内容が刷新されたもの。部外者ながら実際にその会社に乗り込んでいって一員として改革に携わるということで自らに経営責任まで課して取り組むところはあくまで部外者としてのアドバイスにとどまるコンサルタントとは異なり、責任感を持って取り組んだ経緯が物語形式にデフォルメされて良くわかる内容です。(筆者が主人公 黒岩として改革に取り組む物語) 
 三枝さんはまず事業のフレームワークは創る、作る、売るをいかに早く回すかというところにあると述べて不振企業ではこのサイクルが遅くなってしまっていることを指摘しています。そしてまず事業の失敗を被害者意識でなく当事者として痛みを持って感じてもらう「強烈な反省論」からスタートし、「方針、戦略を示すシナリオ作り」、具体的な「アクションプラン」という3段論法を基本のフレームとして構築しています。そして実際の取り組みとしては機能別になっていた組織を事業別に束ねることで上記の創る、作る、売るのサイクルを高速で回すことで良い循環を生み出すことが可能となりました。
 改革といって記憶に新しいのは日産や日本航空の例、いずれも外部からの経営者が立て直しています。なかなか内部で育ってくると踏み出すというのは難しいものがあるのかもしれません。また実行者というのも相当な気概が無いと変えるということは簡単でないと感じましたがこれだけ核心に迫れる分析力には脱帽です。
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