料理の四面体 (中公文庫) | |
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中央公論新社 |
料理の四面体 (中公文庫) 玉村 豊男
料理は図形で理解できると言ってもピンとこないかもしれませんが料理方法というのは四面体で集約できると言うのがこの本の要旨です。火の強さをz軸に取りながら油軸、水軸、空気軸を3隅に落としていったものがすべての料理方法を表現できるというわけ。 火力を強くしていけば食材は焼き焦げてしまい同じ終着点に行き着くでしょうというわけです。言われてみれば当然かなとも思えなくもないですが目から鱗の視点でつまりはこの軸を行き来してやれば料理のヴァリエーションを増やすことが出来るというわけです。料理の歴史はまさに人間の進化の歴史とも言えるのわけですがこの図形の中を行き来する歴史であったということが出来るでしょう。本書では
この四面体の議論に行き着くまでに各国の料理の紹介が入り、奥深い文化の違いと意外なまでの共通性について気づかされることになります。 それにしてもこの図形で料理を理解するというのはなかなか料理人には思いつかないものかもしれません。逆に傍で見れる人の方が気付きがあったのかと。なんだか経営者とコンサルタントの関係のようです。
思えばもっとも料理していたのは社会人になってから結婚するまでの独身時代でしたがこの四面体の議論を知っていればもっと楽しめたかも知れないと思いました。