心の風景 認知的体験

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認知的体験
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聴力の低下がひどい

2007-08-25 | 心の体験的日記
そろそろ補聴器かと思ったことが
ここ1年くらいで何度もある。
演習や会議などで、他人の声が
聞きとりにくいのである。
TVの音も自分ひとりだと結構
大きな音にしているらしい。

こうして一つずつ機能が低下していくのだろうなー
さびしいねー

写真 買いすぎてしまったトレペ

認知的体験 再掲

2007-08-25 | 心の体験的日記

●認知的体験05/9/30海保博之
「焼酎の栓が抜けない」
これまでみたこともない栓と強固な針金。見ただけでは、どうやって抜くのかまったく見当がつかない。マニュアルらしきものもない。やめた。永久封印の幻の焼酎になりそう。
今日の万歩計6000歩。
●認知的体験05/9/28海保博之
「東北講演がはじめて実現」
連休に秋田でヒューマンエラーの講演を頼まれた。これが東北講演初経験。これで不思議の一つが解消された。あとは、足を踏み入れていない県、長崎、宮崎、大分の3県になんとかいくチャンスを作りたいもの。


知能と知能検査

2007-08-25 | 認知心理学
05/7/29評価大学 講演要旨  
         知能と知能検査
  ―――100余年の歴史から見えてくることーーー

   筑波大学大学院人間総合科学研究科教授(心理学) 海保博之

概要*********************************
 知能と知能検査に関する研究は、1世紀余にわたる歴史がある。これは、現代心理学の歴史の長さとほぼ同じである。本講演では、その研究の歴史と時代思潮を踏まえながら、今日的な課題につながる4つのトピックスを考えてみる。
トピック1「頭の良さいろいろ」
トピック2「知能の一般因子gをめぐって」
トピック3「知能検査のねらい」
トピック4「知能検査の賢い使い方ーー”教研式サポート”を例にして」
****************************************************

●トピック1「”頭の良さ”いろいろ」

1ー1)”頭の良さ”についての世間的なイメージ(東洋ら)
               *マキャベリ的(生き残るための)知能
○67項目の頭の良さを整理してみると
*頭の良い人2人をイメージして、それぞれの項目について、あてはまるは3,
まーあてはまるは2,あてはまらないは1で

1)社交性、積極性
 例 リーダーシップがある 話がおもしろい
2)自己認識力/自己コントロール力(受け身の社会性)
 例 分を知っている 誤りを素直に認める
3)優等生型
 例 時間の使い方がうまい 事務能力がある
4)ひらめき性
 例 鋭い 判断が速い 決断力がある
5)物知り型
 例 よく本を読む 知識豊富 話題豊富

○最も多く選ばれたのは、いずれも「流動性知能」
1)頭の回転が速い
2)要点の把握が正確 
 

*ちなみに「結晶性知能」としては、「知識が豊富」「語彙が豊富」「常識がある」

1ー2)知能の定義さまざま
多彩な定義をまとめてみると(松原達哉による)
「高等な抽象的思考能力」 「学習能力」 「新しい環境への適応能力」


コラム1「なぜ多彩な定義が出てきて、また多彩な知能検査がでてくるのか」
 ・知能も含めて、心的なものの計測は、間接測定に頼らざるをえない。
 ・間接測定では、妥当性問題(計かりたいものを計っているか)をクリアで  きない。


1ー3)頭脳知、身体知、温かい知(図1)
少なくとも、知能検査は、頭脳知を測っていることは確か。
しかし、頭脳知だけでは世の中を生きていけないことも確か。

●トピック2「知能の一般因子(g因子)をめぐって」
*頭の良い人は、すべての領域で頭が良いか、という問題
 
2ー1)g因子(一般知能因子)の技術論的な問題
 スピアマンの「2因子説」対「サーストンの多(7)因子説」が意味することの一つに、因子分析的な解析技術の問題がある
  例 WISC-Rの因子構造(図2)
 検査問題すべての間に一定程度のプラスの相関があると、それを説明するために、g因子を仮定したくなる。
 しかし、因子の回転というテクニックを使うと、g因子が消失して(分散して)、独立したいくつかの因子しか出てこなくなる。
 さらに、斜交回転という因子回転のテクニックを使うと、相関のある一次因子、さらに、それをさらに因子分析した2次因子がきれいに出てくる。これが、群因子とよばれる物に相当する。キャッテルの結晶性知能(知識ベースの知能)、流動性知能(課題解決ベースの知能)がその例。
 現実的には、群因子あたりが知能を扱うのは有効。

2ー2)g因子の実在を想定すると発生する(観念的な)論争
「実在派」
・遺伝的な特性を反映したもの。2−3でさらに。
「反実在派;知的個性の存在を主張」
・違った能力を足し挙げて平均したものにどんな意味があるのか
 注) gは、平均を足し挙げたものではなく、関連した問題どうしの関連を    作り出している基盤にあるもの。
・なんでもできる人と、特定のことしかできない人とで、差別的な処遇がなさ れる
 ジェンセンの主張「黒人にはドリル中心の教育を!!」
  「得意なものをのばす」主張の中にある危険性

・ガ−ドナー
 測定よりも知的個性にあった教育を。トピック4さらに。

2ー3)gは遺伝特性か(知能の遺伝対環境問題)
 人種や性における心理的特性一般が遺伝によって規定されると考えるより、
知的領域によって(領域分け)、それぞれ遺伝規定性の程度も考え方も異なるとする考えが一番よさそう。領域によって、下の3つのいずれかが採用。
1)遺伝によって決定  
2)環境閾値を超えると発現(ジェンセン)
3)環境と交互作用することで変化する
 とりわけ、初期経験の影響を重視する研究が20世紀後半に続出。
  Hebb;視覚的体験の豊富さが知的能力を開発
**
コラム2「フリン(Flynn)効果」
先進諸国において、IQが30年間で平均15点も上昇した。
また、IQ140以上(天才)とされる割合でみると
    オランダ 1952年には0。38%
         1982年には9。12%にもなる!!
  フリン曰く。「これは、文化ルネッサンスだ!」
その理由は不明だが、考えられるのは、3つ。まだあるかも。
1)世代間の文化差
2)栄養状態の改善
3)問題解決能力の向上
知能も、文化的遺伝子(ミーム)によって世代間遺伝を起こしているようだ。
**

●トピック3「知能検査のねらい」
3−1)知能テスト問題のタキソノミー
○ギルホードによる立体モデル(4x5x6)
1)問題内容の提示の仕方(内容)
  図形的 記号的 言語的 行動的
2)テスト事態で要求される心的操作(操作)
  認知、記憶、集中思考、拡散思考、評価
3)心的操作の結果として達成されるもの(所産)
  単位;まとまりを作る
  類;共通したものをカテゴリー化
  関係;単位を結合する
  組織;関係の構造を作る
  変換;見直しや再解釈をする
  含意;予想や期待をする
○ジェンセンのタキソノミー(図3)

3-2)知能検査のねらいは、3つ
1)弁別する
1905年 ビネー 小学校入学段階での発達障害の弁別に
ビネーは知能を、可塑性と学習可能性に満ちた諸認知機能の集合と考えて、テスト得点の低い子供に心的能力の形を整える「精神整形論」を提唱、

2)ランクづけする
1917年 R。M。ヤーキーズの陸軍知能テストの開発と実施
・戦争が知能検査を大衆知能テストにし(グールドによる)一気に普及させた。
・集団式知能検査のひな形
  アルファ−式(言語式)、ベータ式(非言語式)
・ビネーとは別の発想の知能検査
 「普通の人々(陸軍新兵)を知能でランクづける」
   Aから Eレベルまで。D、Eレベルは、兵士として不適
***
コラム3「ヤーキーズは、知能は遺伝によって規定されると断固信じていた」
このデータを使って、人種間、職業別、学歴別、知能差をデータで示した。
 例 学校教育を受けた年数と知能との間に、0。75の相関を見出した
   ーー>ヤーキーズは、学校教育(環境)の影響とは解釈せず、「生得的      知能が優れた人ほど、学校教育に多くの時間を費やす」と結論
      注)データは、ものを語るための素材の一つにすぎない!!
***

3)知的プロセスの特性を発掘する
1983年になり、認知心理学の成果を踏まえて、もう一つの知能検査の開発KーABCが開発された。(図4)
 これによって、知能の認知プロセスにまで立ち入った診断ができることになた。

*****6/20 改訂****

●トピック4「知能検査の賢い使い方ーー”教研式サポート”
(高校生用)を例にして」

4−0)検査開発現場の一端参加して
 *大学で知能や知能検査の話しを講義はしていましたが、実際の検査開発の現場にふれて、教科書には記されていない、膨大なノウハウが蓄積されていることにびっくりしました。
「使えるデータはすべて使って、
診断したい学習適性を可能な限り診断してみる」
という基本方針で使ったものが、サポートです。

 たとえば、たった一回の検査で、工夫をすれば、ここまでいろいろのことがわかるのかを知ってびっくり。
 たとえば、診断帳票の一つに、「課題解決スタイル」というのがあります。
 これは、ケーガンという著名な発達心理学者が提案している
「熟慮型」vs「衝動型」という課題解決スタイルのタイプわけを想定したものです。ケーガンテストは、
  ターゲットの絵を数枚の絵の中から探させる課題です。

試行錯誤しながら解決をしている衝動型
じっくりと考えて解決が見つかったら答えをいう熟慮型

これを、教研式サポートでは、個人の課題解決スタイルという形でこんなデータから診断してみようというものです。
思いもよらない発想で、びっくりしました。

pptで  手引きより

そのほかにも、さまざまなデータをつかって、学習適性を診断する工夫をしています。

ppt

このすべてを紹介しますと、あと大学の講義なら1学期はゆうにかかりますので、ここでは、とりあえず、リストのみ示しておきます

4−1)サポート出力の活かし方の基本

診断と予測とがある。いずれも、子どもや保護者と一緒になっての学習、進路カウンセリングに活用するのがよい。
個人票を子どもに手渡して終わり、というのではなく、出力結果をはさんでの3者面談、2者面談的な活用である。
すべての出力結果を精査する必要はない。顕著な結果だけにとりあえず着眼しての話し合いでよい。
その際、次の点には、留意されたい。

ppt

●診断
○総合的な診断ーーー偏差値
 *偏差値(的な指標)は、「目標準拠評価」の導入によって、完璧に学校現場から追放されてしまった。むろん、そのメリットもあるが、一方では、子どもの一面が子ども自身も含めて見えなくなってしまったデメリットもある。
 比較することで見えてくるものがある。
 ・男を知るのに、女と比較してみる
 ・自己を知るのに、他者と比較してみる
 自分の学習適性を知るのに、自分がその一員である集団全体と比較してみることは、一つのわかり方としては、あってよい。

集団全体が見えないくらい大きいところでは、偏差値は、極めて有効なことは、認識しておく必要があります。

集団が40人くらいで偏差値は、測定論的にも無理。
また診断結果の活かし方も難しい。それを長年やってきたのですから、ひどいものです。
その意味では、
「教室から偏差値追放を」が正解
「学校から偏差値を追放してしまったのは、やや乱暴
「標準検査から偏差値追放は、暴挙

○個性診断

1)特徴的なところを摘出して、子ども自身に自分の知的個性のリフレクションする機会を与え、どうすればよいかを考えさせる
ポイントは、得意を伸ばすことと(特恵モデル)、
      不得意を克服すること(治療モデル)
ppt

の両面を考えさせる。とりわけ、低年齢ほど両面作戦がよい。高学年なら、特恵モデルに重点を置くほうがよいかも。
 例 「場依存」傾向が強い-->(+)状況への配慮ができる
             -->(−)余計なことに注意をとられないように                  する
   「言語領域」が得意ーー>(+)好きな作家を読み込む
            ーー>(−)映画やTVにも興味関心をもたせる
2)子ども、あるいは、教師が知りたいことをはっきりさせて、そのヒントになることだけをみる
 例 「自分はどんな方面に向いているのだろうか」
    「論理的思考力が高くて、課題解決が、慎重型で、進路予測が、理系     なら、理系への進路はかなら有望」
    「創造力が高くて、課題解決が性急型で、得意な領域は図形的なら、     進路予測た技術系なら、デザイン系、芸術系が有望」

3)組み合わせることで、こんな活かし方もある
 知能単独では見えてこないことが、他の知的特性と組み合わせてみると、見えてくるものがある。

●「相関的に」組み合わせることで
 標準学力検査と相関させることで
 オーバーアチーバー、アンダーアチーバーの検出が可能
ppt

●「直交的に」組み合わせることで
発散思考力(創造性)と収束的思考力(論理的思考力)とを組み合わせることで思考スタイルを同定できる

ppt 一部

終わりに

●20世紀後半、人工知能研究が盛んにおこなわれた
 汎用問題解決機ーー>エキスパートシステムーー>知識駆動型ロボット
 ーー>行動型ロボットーー>ヒューマノイドへと変遷を繰り返したきたが、鉄腕アトムのような「人間の知能」を実現するにはほど遠いものしか作られていない。
●その中で、人間の知能とは何かが絶えず問われ続けてきた
 ・ヒューリスティック(簡便思考)の発見とその有効性
 ・領域固有性 特定領域で有能。転移可能性への疑問
 ・身体性 頭の内部と状況とのやりとりの中で発揮され陶冶される知性

参考文献
グールド、S.J. 1996 (鈴木善次ら訳)「人間の測りまちがい」河出書 房新社
ディアリ、I.J. 2001 (繁桝算男訳 「知能」岩波書店)
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ユーザビリティハンドブック

2007-08-25 | 認知心理学

とうとうでた。
もっと早くともよかった。
事典と辞典とを兼ねた斬新なもの。
753pに及ぶ大作
実業界と学会とが協力してできあがった大作
日本のユーザビリティ研究もここまできたか。
敬意と表したい本。


共立出版 18000円

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◆認知的複雑性

2007-08-25 | 心理学辞典

◆認知的複雑性(cognitive complexity)
人や社会的事象の認知は、見方によってまったく異なった様相を呈する。思い込み、偏見、ステレオタイプは単一の見方に固着したときに起こる。これに対して、同時にいくつかの見方をすることで、認知の妥当性を高めることができる。このような認知のできる人を認知的複雑性の高い人という。

ややだらけ気味の夏休み

2007-08-25 | 教育
当面やるべきことがすべて終わった
あと3週間の夏休みがある。
さて、この期間を、仕事に使うか
ぐーたらに使うか
それとも、積極的遊びに使うか
思案中のまま終わってしまいそう。

写真
最近は暑いので早朝散歩になる
朝日が心地よい