トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1065

2017-06-30 15:45:37 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『ギアス、お前の貴重な戦歴になったな。軍船のような大船をうまく操船したな、お前の操船技術を高く評価する。これをやったことのない者には、その対処技術がわかるわけはない。お前は貴重な体験をやってのけたのだ。自分の有している知力、能力、思考力、判断力、決断力、そのうえに、運力の全てをつぎ込んで生死をかけて敵と海上で戦った。思いもかけない、何かわからない不思議が作用する結果も含めて、お前の交戦力が高く評価される。この経験を大切にするのだ。ギアス解ったな』
 『そうですね。やったから出来たということもありますが、隊長の言われる不思議がいい結果に結びついたと理解しています』
 『お前のその謙虚さが、お前に勝利を、いい結果をもたらしたといえるかもな。それを心にとめておくことだな』
 『解りました。ありがとうございました』
 ギアスはパリヌルスのもとを辞した。
 ギアスとの語り合いを終えたパリヌルスはイリオネスのところに足を運ぶ。
 アエネアスとイリオネスがイリオネスの宿舎前の草地に座している。イリオネスが声をかけてくる。
 『おう、パリヌルス、どうした?何か用でもあるのか?』
 『はい、明日にでも会議の招集をと考えているのですが。オキテスもキドニアから帰ってきて、報告したい件もあるし、共有したい情報も話し合いたいと言っています』
 『ほう、そうか。会議の開催か、統領も俺も議題、案件を考えている最中だ。お前もそこに座れ。議題を打ち合わせる。お前、時間はいいのか?』
 『はい。その用件で来ています』
 アエネアスが声をかけてくる。
 『おう、パリッ!お前もそこに腰を下ろせ』
 『はい、会議開催の件ですが』
 『おっ!そうか。ジャストタイミングだな。今、軍団長と話していたところだ』
 『パリヌルスもいます。統領、議題、案件をまとめましょう』
 『おう、いいだろう。パリヌルスの持ってきている議題、案件を聞く』
 『お前が会議において検討しようとしている議題、案件を聞く。話してみてくれ』
 パリヌルスは、持参した木板に書き記した議題、案件について述べる。
 『議題、案件は多くはありませんが、オキテスからの報告案件、航海途上においての外敵をせん滅したギアスらの表彰の件、戦闘艇の建造の中間報告、次に何をやるかの検討の四件です』
 『なるほど、その四件か。軍団長、お前と俺の考えている議題と案件よりもパリヌルスらが考えてきている議題、案件のほうがよく考えられている』
 『統領、いいですね。パリヌルス、その四件の議題と案件で明日、朝より統領の宿舎の前庭において会議を開催する。オロンテスには、代わりの者にキドニアへ行かせて会議に参加するように手配してくれ。以上だ』
 『解りました。オキテスにも私から伝えます』
ジャンル:
小説
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