『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1157

2017-11-07 07:07:33 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『よし、心得た!テムノス、君と俺だが、彼らに手を貸す、手伝ってやるとすればだが、集散所側の事情も聴いたうえで、どのようなスタンスで手伝ってやるかを話し合おう』
 『解りました』
 『君とスダヌス、両人の話を聞いて、彼らが造った船の事、そして、彼らの営業姿勢を知ることができた。それが実像であるかないかはほぼ察しがつく。テムノス浜頭、君の考えを話してくれ』
 『私の考えとしては、レテムノンからこちらへ来るとき、船上でスダヌスと話し合ったことについて話します』
 『おう、いいだろう。二人のまとめた意見として聞き止める。それでよいな』
 『はい、それでいいです。こちらへ向かう途上で話し合った件は、これから話す三点です。まず一番目は、彼らが建造している船舶は、中型船であり、これを取り扱う集散所がどこが最適かについて話し合いました。状況、条件等を検討した結果、浜頭と私が関係しているマリアの集散所、然り、スダヌスが関係しているキドニアの集散所が、いいのではないかと結論しています。もちろん、私らがかかわる将来を展望したうえでです』
 『おう、お前の言うことにうなずける。クノッソスの集散所を含めて他の集散所はふさわしいとは考えられない』
 『二番目に話し合ったことは、建造している船の船種といいますか、船の大きさの件です。スダヌスの言う、アエネアス方の建造技術とその規模から考えて、中型の船舶を造るところであると船種を限定して建造に注力したほうがいいと結論付けています。これについては、エドモン浜頭から、造船するところとして、アエネアス方に方向付けをしていただきたい件です』
 『ほう、そういったところまで、二人で話し合ったのか、お前らも大したもんだ』
 三人は、目を合わせてうなずき合った。
 『次に話し合ったのが、彼らの持っている技術力とその将来性です。今日、浜頭が乗ってマリアに向かう船ですが、その点についてよく観察していただければいいと考えています。その船は中型船であり、2本の帆柱に2段帆4枚構成の構造となっています。それから、従来の櫂舵に代わる新しい舵構造としているところです。また、中型船としては他にみられない船体構造としています。私も目からウロコがはがれる思いでこれを見て、操船をやり、その走りを体感したわけです』
 『テムノス、お前、なかなかの説得力だな。船についての話、よく解った』
 エドモン浜頭は、テムノスの話を聞いて、うなずき、納得した態度を示した。