口笛吹いても独り

~チンパンジーの地平線~

鳥栖と湘南、再び

2011年09月26日 | サッカー
長く見てきたお隣さん、楽しみにしていた鳥栖の久々の観戦は湘南相手に2-0で勝利。
長いよ。

今日の目的は前回の大分の対戦で見れなかった金民友を見る為。
なにより、どちらも今シーズン一度見ているチームなので大分相手でない客観的な形で、どう見えるかに興味があった。

鳥栖は4-4-2、2列目左右にダブルキムで早坂が中央にいるが、4バックの相手だからか大分戦より豊田と横並びの場面も比較的多い。
湘南は4-3-3で田原・アジエル・佐々木を前に中央にこちらもキムと永木と高山と。

試合は慎重な立ち上がり。
湘南は基本的にアジエルがボールに絡んで前に運んで行く。
鳥栖はボランチが捌きながらある程度押し込んでサイドからのクロス主体。
どちらも、ちょっとボランチが前に絡むけどサイドバックは守備を意識してソコまで押し上げてこない。

湘南は田原が、例えばボールに絡みにもう少し降りてきてもいいと思える局面があったり攻守の切り替えでもう少し走ってやれよという場面での動きの無さが気になる。
前者はトップにドンと張るのもいいけどもう少し動いていいんじゃないかと思えるし、ポストとして足元で貰ってはたき返すだけでも下がってきてもいい局面が多かった。
後者に関しては切り替えが遅すぎる、ただ守備は割としてた事の裏返しでもあるのだが。
そもそも湘南はチーム全般で攻撃に関しての切り替えとボールに対しての寄せが遅い。
これはビックアイで見た湘南の印象と全く変わってない。
アジエルと永木がある程度気が利くので寄せてくれるからいいけど、全体的な流動性で疑問がある。
兎に角アジエルと佐々木でボールをドライブして3トップ主体で攻め込む形。

鳥栖は民友がボールを運べるので割と使い勝手が良く、豊田の動きも悪くない。
全線がボールをキープできる選手が多く、藤田もボールが捌けるので、鳥栖の方が比較的しっかり相手を押し込める。
ただ前回書いたフィードの多さは若干感じる。
相手のバイタル前でもボールを横切らせる能力があるのだから、もう少し前の4枚でガッチリ崩しにかかってもいい気がする。
途中でペナルティエリア前の高い位置で右から左にボールを大きく横切らせて、完全にズラし切ってからシュートまで持っていった攻めは見ごたえがあった。

でも、両方ともサイドバックは余り使わない。
極論で書くと湘南が3人で押し込んで鳥栖は軽く押し込んだらロングフィード。
鳥栖がたまに面白い崩しを見せるが、どちらも強力なコレといった押しに欠けるややピントのボケた、やや単調な試合。
これが自分のホームチームならハラハラ見るのだが比較的第三者的視点で冷静に見れる試合のなので、流石にちょっと退屈してきてた。
そしたら選手で小競り合いが起きて、前半終了間際にアジエルが暴力行為で退場する。
で、エキサイトしたかと言うと逆で、例えばプレー中に相手にガッツリとヒジが入ったり、或いは完全に故意で後ろからサミングを試みたり審判にアッチョンブリケを仕掛けたりとかで退場と言うなら分かる。
こういうプレーが止まってる時のゴチャゴチャで誰かが急に顔を押さえて倒れてとかの駆け引きで退場者が出る場面にはホントにウンザリする。
引っかかって退場する方は不注意極まり無いし、まあ鳥栖が勝って欲しいとは思っていても第三者的に本当に互いがどう相手を攻略するかというゲーム内容を純粋に楽しみにしていた、そのゲームがこういった形で崩れるのを見ると、ホントにガッカリする。
まあ、これで数的不利が出て試合は完全に面白みが薄れて前半終了。

後半は、ただでさえ押し込めてる鳥栖がハーフタイムでどういう手段を携えて湘南を崩すかとなるが、イザ始まるとクロス一辺倒の攻めになる。
確かに自分があまり形を崩さずに相手を攻めれるので有効だが、殆どの攻撃が縦へのロビング、サイドのしかも深く抉らず浅い位置からのアーリークロスといったセンタリングで構成されると、カウンターが有るし絶対に負けられない試合とは言えど数的有利でコレは無いだろうと思ってしまう。
国吉が入ってドリブルで押し込む場面も出てきたが、やはりココまで放り込み一辺倒の攻めはメリハリも無く個人的には退屈だ。
ココにきてもセーフティーにSBはあまり使わない。
まあ放り込むだけでも下手に崩せてしまうのでタチが悪く依存度も高くなるのは分かる。
だが、やはりこの攻撃に馴染んでしまうと、いつか厳しい局面が来ると思うのだが。

湘南も人数が足りなくなっただけに前半から思っていた「田原もうちょっと動けよ」というのが余計に気になる。
ボールの受け所も良くなく、パスを受けたら少し下がってもいいからスペースに動きながらボールをキープしたり、そこから上がってくるMFにボールをワンタッチで当てなおして後ろから入ってくる選手を使えばもう少し楽になるのだが、前を向こうとしたり「受けたその場」でボールをキープしようとするので、ボールを持てない。
「ポスト」を難しく考えすぎている感じがして、まだボールが低いうちはもう少し後ろから入ってくる選手を使うだけ(或いは自分がそのために使われるだけ)でもいいんだがと見ていて思う。
湘南は基本ファーストチョイスはカウンターだが、そこまで鳥栖は前掛かりになってくれないのでサイドを使ってボールを進めて、せめてコーナーを取って安全に人数を入れれる状態を作って追いつきに行きたい。
ただセンターラインは何とか超えても、前で張ってる田原が上記のような状況で、なかなかアタッキングサードの入り口までボールが運べない。
決して田原一人の責任ではないし1トップには厳しい状況だったのは書き加えておくが。

まあ、そんな感じでオウンゴールでの先制から最後の方は見る集中力が完全に切れていて、ボンヤリ見てたら豊田がダメ押しを決めて2-0で終了。
じゃあこの試合は見に行かなきゃ良かったかというと、そういう訳ではない。
やはり面白い部分はあったし、試合が終わって「見に来て良かった、やはりサッカー観戦は何か得られるものだ」と思える試合だった。

湘南は攻撃の切り替えとボールの運び方というか選手の絡み方に「どうかな?」という疑問がある。

鳥栖は放り込む攻撃が多すぎる。
そろそろ研究されてくるだろうし、勝ち点で追いかける側としてはシーズン終盤の引き分けでさえ負けに等しいような状況になった時に、コレでは崩しきれない試合が出てくると思う。
そういった試合が出てきた時に、どういう攻めをするかにも期待したい。

目に付いた選手は鳥栖では藤田。
ボールを散らす能力は高いし、途中相手の人数が減ったが、この試合では変なボールの奪われ方は無かった。
民友は、少なくともJ2なら攻撃ではドリブル・パス・シュート・キープと結構アレコレ引き出しもあって使い勝手の良い選手だと思う。

湘南では永木亮太。
個人的には、この試合で両チーム合わせて彼が1番良かった。
必要な場面に顔を出す頻度が高かった。
守備で出足良くボールを奪えたし強いプレスや早い戻りで局面を救ったり粘り強く守備をして、攻撃でもボールに絡んだりペナルティエリア前まで顔を出したり、終盤はDFを務めたり、数的不利でチームが厳しい試合で最後まで走り続け、本当に素晴らしいプレーだった。
10年近く前に初めて大分に来た時のエジミウソンを思い出した。
試合の大筋は退屈だった。
だが試合が終わった時に、今日の彼のプレーを見れただけでも、「ああ今日の試合を見に来て良かった、今日はいいプレーヤーがいた」と思える動きだった。
本当に、この試合の彼は手放しで褒めたい。
プレーも運動量も何よりハートも素晴らしかった。

そして当然だが鳥栖の試合も、また見に行こうと思う。
きっちり勝利した事は素晴らしい事なのだから。

次はもう水曜で、大分と水戸との観戦。
その次の富山戦は相田氏の引越しの状況によっては見れないかもしれない。
スタメンはどうなんのとかも含めて火曜に練習を見に行ってみようかなとは考えている。

取り合えず今日はココまで。
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