◆周辺情勢の緊迫化に対応する米国機取得
RF-4後継計画が難航している今日ですが、これとは無関係に防衛省はアメリカより大型の無人偵察機グローバルホークを導入する計画で調整しているとのことです。先日実物大模型が東京で報道公開されていましたが、実際に導入する方向で進展されたようです。
米国製無人偵察機、3機導入へ 中国や北朝鮮想定・・・ ノースロップ・グラマン社が公開した、無人偵察機グローバルホークの実物大模型=3月、東京都大田区 防衛省は中国の軍事的な台頭や北朝鮮の核、ミサイル開発に対応するため、米国製の無人偵察機グローバルホークを3機導入する方向で検討に入った。年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」に基づく中期防衛力整備計画(中期防、2011~15年度)に盛り込みたい考えだ。
複数の防衛省・自衛隊関係者が3日、明らかにした。 沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件も導入の追い風になると判断した。現在の中期防は無人偵察機について情報機能強化の観点から「検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。防衛省は03年度から無人偵察機の基礎的な技術研究に着手している。
だがグローバルホークの方が国産より性能やコスト面で優位に立ち、米政府も複数のルートで日本に購入を打診してきたことから、輸入の先行に傾いた。搭載装備を含めて1機約5千万ドル(約41億5千万円)で、合計120億円超に上る見通しだ。これに加え、司令部機能を持つ地上施設の整備に数百億円を要すると見積もっている。2010/10/04 02:02 【共同通信】http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100301000493.html◆
RQ-4グローバルホークですが、海上自衛隊のP-3C哨戒機を補完するような運用が考えられているようですね。RQ-4は全幅35㍍という非常に大きな無人機で、速度も小さな機体ですので、相手が戦闘機を出してきた場合には無力です。しかし、36時間程度飛び続ける事が出来るので、乗員交代も考えれば10時間程度が限度であるP-3Cよりも長時間滞空することが出来ますし、先進センサーは200km以上先の状況を把握できるほどです。
記事にある通り、中国や北朝鮮の動向をにらんでの事ですが、日本では既に航空自衛隊がTACOMとして高速の戦闘機から発進させる小型無人機を硫黄島で実験していますし、自律着陸にも成功しています。陸上自衛隊も無人観測ヘリコプターの技術実績を経て無人偵察ヘリコプターの実用化に成功していますし、技術研究本部はより大型で高高度を長時間飛行することが可能な無人航空機の開発を進めている最中、なぜいまグローバルホークなのでしょうか、ちょっと考えてみます。
一つ考えられるのは有人のしかも戦術偵察機の運用実績しかない日本において無人機を今後国産開発してゆく上での運用研究や運用基盤を構築する手段としてグローバルホークを導入しよう、という事。もちろん、グローバルホークの施設をそのまま流用することは出来ないのですけれども、データリンク関係の機材などはある程度融通がききますし、無人機の運用は機体以外にもどういう基盤が必要なのか、という事を認識する上でも必要、という一点。
もう一つは現在開発中の滞空型の高高度無人機の完成を待つ事が出来ないほど、南西諸島や日本海沿岸部を取り巻く状況が緊迫している、という事でしょうか。緊急に米国製機材を導入して、日本製の装備が完成するまでの間の繋ぎとすることも出来ますし、場合によっては国産と言う選択肢を示すことで相手に価格面での足元を見られないようにする、という方法でも考えられます。
特に周辺情勢の悪化により国産装備が間に合わない、という事は少なからずある訳ですが、無人機の分野は自衛隊草創期から標的機として運用実績があるのですけれども、無人偵察機、特に飛行距離の大きい装備については航空法がこの種の航空機を想定せずに制定されていることから発達に限界があった訳です。
情報の迅速な取得が現代の戦闘における重要な命題なのですけれども、地上からの監視や有人航空機による警戒監視は、数量の面で余裕のない自衛隊としては限界があります。もちろん、予算も限界があるので無理は出来ないのですけれども、天秤にかけた結果、ということなのでしょうね。
ううむ、専守防衛、つまり戦争をしかけられれば自動的に自国国土での戦闘、言い換えれば本土決戦になってしまうのですから、情報収集を綿密に行い、兆候を把握して事態が発生すれば拡大する前に終息化させねばならないのですから、もっと有力な偵察機、写真のU-2戦略偵察機程は別として、持っていなければならないと思うのですが、とりあえず実績あるRQ-4で日本の実績を積もう、という事なのでしょう。
HARUNA
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
日本はまず、グローバルホークを導入してその機体の骨の髄まで研究し、更なる上を行く本土防衛の為の無人偵察機を将来開発すればいいのではないですか。
アメリカは誰がなんと言おうと先端軍事技術を持つ国なのですから、同盟国として最大限の優位性を生かすことを日本は考えるべきだと思います。
ただ基本、自分の国は自分達だけの意志で守るのだという覚悟は国民一人ひとりが持つ覚悟はそろそろ本気で大事になってきた思いがします。
現在の地球で国家を継続する以上、アメリカとの関係は切っても切り離せないものですから、協同と外交による日米緊張の回避が何よりも優先するのでは、と。
一方で、研究するといっても、下手に分解すれば肝心な時に飛行できなくなりますので、運用基盤の構築が主眼となるのではないでしょうか。
あと巡航ミサイルですが無人偵察機同様にアメリカから購入打診はすでに行われていると思いますでしょうか?。
RQ-4導入ですが、色々と不安な部分はあれど、新装備の優先順位としては高高度無人機がトップクラスなのは間違いないと思います。
個人的には最優先と断言したいほどです。
RQ-4を導入すると決めたのなら、速やかな取得と受け入れ態勢の整備をしてほしいと思っています。
効果的な運用が出来るんだろうか。
http://web02.aviationweek.com/aw/generic/story_generic.jsp?channel=awst&id=news/asd/2010/09/24/02.xml&headline=Japan%20To%20Decide%20This%20Year%20On%20Global%20Hawk%20Order
aviationweekの記事だと海自がRQ-4N BAMSを導入しろと言っているが、
まだ完成してないから無理だろと書いてますけど、海自としてはP-8的な運用の仕方をやらないと、時代遅れになるみたいに思ってるのか、P-1の性能に手ごたえを感じていないのですかね?
数が少ないのは運用実績が欲しいんですかね、開発がうまくいってないとか、性能がいまいちだとか、理由はいろいろ想像できます。
グロホ導入しちゃうと追加で偵察機増やそうと言う時に、自動的にグロホになってしまう可能性も発生しますね。
導入は賛成です。
ただ、海上自衛隊なんですね。航空自衛隊だと思っていましたから。
問題は数々あれど、一番は、日本列島を飛ばすことができるのですかね?海上でと言っても海上に出るには陸を通らなければならないし、小さなラジコンなら問題ありませんが、戦闘機程の大きさの無人機を飛ばさせる度胸があるのかな?と考えたりしています。
但し、グローバルホークも万能ではないので、今後様々なUAVの運用体系をどうするか?が重要かと思います。
無人偵察機も先般事故を起こしましたが、これも他国には無いタイプですが使いようが色々と有ると思います。
空自に欠けているSEAD任務にも活用できるのでは?
防衛省では2003年から無人偵察機の開発を進めていますが米国製と同クラスとなると「開発に20年はかかる」という話もあり、当時からRQ-1や今回のRQ-4の導入が検討されていました。
取得数が少ないもののトータルではかなり高額な装備となるので整備・運用面などをしっかりと検討しながら導入に向けて準備をして欲しいと思います。
また国産無人偵察機の開発も並行して行うことで将来の国産化への道も閉ざさないようにするのがベストだと思いますし、国土防衛の中で無人機をどのように活用していくのか引き続き検討していくことが、これから必要になってくるでしょう。
スペックに関してですが、基本的に同じものを供与したとしても運用基盤が根本的に違いますからね、その点日本は遅れています。
しかし、この種の問題はある程度仕方ないものがありまして、開発国の運用を前提にした以上、100%のものを供与しても開発国以上に使いこなすのは難しいのではないでしょうか。
例えば10式戦車や、むらさめ型護衛艦、F2支援戦闘機を米軍に供与しても、日本ほど費用対効果も含め高く運用することは出来ないのではないか、と思います。
巡航ミサイル、OBの発言から必要必要、という声は聞こえてきますし、世界の艦船なんかにもその種の提言が多いですが、ATACMSの方が先なのでは、とおもったりもします。公明党の反対さえなければ導入できていたのですが、ね。