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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上防衛作戦部隊論(第二五回):方面後方支援団として直轄部隊を団編成に集約

2015-08-01 22:47:29 | 防衛・安全保障
■方面後方支援団編成案
師団と旅団の後方支援部隊につづき、戦闘基盤を構成する後方支援部隊について提案してみます。

方面後方支援団としまして、現在の方面隊直轄部隊を団として集約すべきです。群と隊など、筆頭としまして主要な部隊だけ挙げた場合としましても多く、方面通信群、方面情報隊、方面後方支援隊、方面会計隊、方面衛生隊、補給処、方面音楽隊、隷下に含める直轄部隊は以上の通り。

方面隊は戦闘基盤を構成します、防衛出動や大規模災害に際しては統合任務部隊を編成し、その担当管区内での全般支援を行い、他方面から転地する広域師団の後方支援を担当します。そして、この任務の特性上、後方支援の急増する任務需要へは、他方面派出部隊の支援、他方面隊部隊はその空隙を予備役要員にて補填するという方策が求められる。

特に駐屯地施設を後方支援の重整備施設として充てることが出来、加えて国内防衛産業の整備支援施設を防衛力の後方支援能力として応用できるため、海外の軍団支援能力ほど、規模は必要ありませんが、弾薬整備や重整備などを包括し行い、師団が前進を続けた場合でも対応できる体制の構築が求められます。

方面通信群基地システム通信大隊と指揮所通信大隊及び中枢交換通信中隊を基幹としまして、特に駐屯地間の指揮と方面総監部の通信機能支援を行う形ですが、現在編成の中で映像伝送小隊については方面隊の区分から航空機動旅団に管理替えする事となります、伝送機材と機体の管理を分ける選択肢はあるかもしれません。

航空機に余裕があれば航空部隊を旅団とは別に整備したいところですが。こういいますのも航空機映像伝送を主任務とする部隊である為、方面隊に配置する必要がなくなる為です。もっとも、映像伝送任務は無人偵察機により対応できる部分であり、方面隊は有事、大規模侵攻や大規模災害へ、円滑に飛行許可を得る事務的能力も重要です。

方面後方支援隊は全般支援大隊と方面隊直轄部隊各直接支援大隊及び不発弾処理隊と方面輸送隊を基幹とします、ただ、方面輸送に関しては予備自衛官を充当する形で輸送大隊などを複数配置し平時の即応輸送能力に加え優位の際の大規模な輸送能力を整備する必要があり、即応部隊とその後の増援部隊との区分が求められるでしょう。

これは師団隷下の装甲機動旅団と航空機動旅団には相応の輸送能力付与が求められる一方で師団策源地までの輸送能力は、特に機動運用を全般的に求められる運用体制の改編を考えますとどうしても大きくなり、特に航空k主体の部隊に求められる補給の速度と重装備部隊が必要とする補給の両の違いがありますので、負担につながる。

輸送拠点となる駐屯地と駐屯地の間の輸送は、通行する方面隊管内に物流拠点を構築す輸送させ、第一線部隊が先頭に専念する環境の整備が望ましい為です。方面会計隊、方面衛生隊、補給処、方面音楽隊、これらについては機能と能力面、師団との関係から現状のままの編成で対応できます。

ただ、可能ならば方面衛生隊には航空救急搬送飛行隊が必要なのですが、こちらも予算次第です。旅団段列の衛生拠点と方面隊の野戦病院とは、輸送は作戦輸送よりは業務輸送になりますので、ドクターヘリコプター方式の業務輸送用のヘリコプターを配備する事が可能ならば、それに越したことはないのですけれども。

補給処、燃料支所や弾薬補給支所と重整備に関する施設は固定した施設を必要とするものですので、こちらは方面隊の直轄施設です、ただ仕分けなどの任務は戦時に急増する任務ですし、現役要員と予備役要員との混成編成を行い、平時には指揮系統を中心として運用研究に主体を置く方策も考えられるところ。

後方支援基盤は戦闘継続を左右する重要要素です。しかし、我が国は専守防衛を国是としていますので、楽観要素としては補給線の延長に上限があり、更に国内インフラの応用が利きます。この部分、例えば冷戦期の西ドイツ軍などは第一線部隊:後方支援部隊比率が4:1で戦闘部隊の比重を大きく出来ました。もちろん、西ドイツはNATOの支援があり、その部分を我が国へ応用は完全には出来ませんが、国土戦にはこうした優位な点はある訳です。

北大路機関:はるな くらま
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