北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

東寺五重塔と京都タワー 古都の高層建築物

2007-02-05 12:23:03 | 写真

■京都最大の高層建築物

 今回で300を記録する北大路機関の記事、扱うのは京都の高層建築物である。昨年公開された映画『日本沈没』では、その最初のオープニング映像に京都市内が多く描かれ、四条通を走る203系統バスまで出ていた。

Img_5092  その中で小生に一際印象に残ったのが、東寺五重塔と京都タワーが一枚のカットに写っていたものである。自分が考えもしなかったアングルだけに、それをオープニングとして用いる樋口監督の感性に脱帽したものである。写真として掲載したものよりも望遠を用いて収まっていたが、このアングルの模索は改めて行うとして、先日撮影した東寺の写真を用いて、京都タワーとの比較記事を掲載しようというのが今回の本旨である。

Img_5090_1  東寺五重塔は796年の東寺建立から幾度か火災の憂き目に遭ったが、現在のものは1644年に江戸幕府三代将軍徳川家光の寄進により建立されたもので、その高さは54㍍に達する。54㍍というのはゴジラより高く(84年から身長が80㍍になったらしい)、日本に現存する木造建築物では最高のものであり、同時に確か世界でも最高の木造建築物であったと記憶する。恐らく東寺の五重塔を越える木造建築物は未来にも東寺以外には現れないであろう。

Img_5083_1  1644年に建立された東寺五重塔は、1890年に東京浅草に建築された凌雲閣(いわゆる浅草十二階、1923年の関東大震災で一部破損し陸軍により爆破された)が建築されるまで日本で最も高い建築物といわれたが、当初66㍍とされた凌雲閣も近年の再測量の結果避雷針を含めても52㍍との数値も出ており、1936年に高さ65.5㍍の国会議事堂が建築されるまでは単体の建築物としては日本最高の建築物であったのではないか。

Img_5081  参考までに城郭天守閣の高さを列挙すると姫路城は石垣を含め46㍍、建築物としては32㍍、名古屋城は石垣を含めれば55.6㍍であるが、建築物部分では36㍍、1931年に再建された大阪城も石垣を含め55㍍、江戸時代のもので58㍍(1665年焼失)であるから単体としては東寺五重塔よりも低くなってしまう。

 こう書くとこの塔が如何に高いかが端的にわかろう。

Img_5094  さて、今回の撮影は主に東寺の無料開放区画からの撮影と、敷地外からの撮影であるが、特にこの高いところからの撮影は、歩道橋から撮影したもので、この歩道橋は当然無料で登ることができる。

 また、かなり前に既報で記憶されている方もいるかもしれないが、ライトアップはしないものの夜間でも通りの反対側にあるパチンコ屋のネオン照り返しにより長時間露光で良好な撮影が可能である。

Img_5099  特に、冬季は降雪時でもなければ光量不足になってしまい、写真のように淡い色の写りとなってしまう。冬季は我慢大会をしない限り熱中症の心配は無く晴天無風であっても屋外で汗をかかずに済むのでカメラ重装備を携行するには向いているともいえるが、仮に画像補正をかけても夏季のような輝く緑と蒼穹の大空、盛り上がる白雲、という写真は撮れない為、夜景の方が良い写真が撮影できるかもしれない。ただし降雪時は露光環境が変わり、また良い写真が撮影できる。

Img_5102  交通は205号系統バスを用いるとか、色々いわれるが京都駅からは近鉄線に沿って徒歩で行くのが一番手っ取り早い。

 実際、この写真を撮影した際には小生も友人のけーと氏と京都駅で待ち合わせ、その間にバスが行ってしまったので徒歩で展開した。伏見稲荷御宿所のところを右折するのだが、十五分くらいで行ってしまう。最初に挙げた写真を見れば京都タワーと京都駅が写っているが、これが距離を端的に示している。

Img_3845  しかし、東寺五重塔に強力なライバルが出現した、それはガメラである、1965年に製作されたガメラは身長60㍍と東寺五重塔より高く・・・、京都タワーである。1964年12月に開業された京都タワーは131㍍、京都の神社仏閣を照らす灯台をモチーフにしたもので(90年代までは神社仏閣を印象付ける蝋燭をモチーフにしたといわれていた)、私鉄の関連企業が建築したもので、構造設計は京都大学工学部のもの。白い巨塔というか、京都駅からは一際目立つ京都で最も高い建築物である。

Img_4846  京都にお越しの際は是非京都タワーへ・・・、と一概には言えないのが写真の状況である。というのも、今年度中はタワーが改装中なのである。タワー展望台部分は営業しており、この期間は望遠鏡が無料となるサービスが行われているが、写真のように上部が包まれてしまっている。今年度中に改装工事は終了し、展望台部分などは一新されるとの事であるがどういったことが行われるかは不明であり、詳細をご存知の方はご教授いただければ幸いである。

Img_4900_1  京都タワーに関しては、古都の景観を損なうとの批判もあるが、1964年からの歴史があることも確かで、高層化した京都タワービルと併せ、一定の市民権を得たのではないかというのが小生の私見である。何となれ、京都において三世紀に渡る東寺五重塔の天下を塗り替えた高層建築物であるし、この二つの高層建築物を京都にお越しの際は是非見上げていただきたい。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

■北大路機関広報:二月期自衛隊関連行事訂正

 1月30日に掲載した北大路機関広報に一部掲載漏れがありましたので改めて掲載します。また、2006年9月28日に実施予定と記載した玖珠駐屯地祭、2006年10月24日に実施予定と記載した別府駐屯地祭の情報に誤りがあったことになりますので、改めてお詫びを申し上げます。

Img_2010  西部方面隊管区の別府駐屯地において駐屯地祭が実施されるようです。これは11月5日に予定されていたものが延期されたものとおもわれます。別府には第41普通科連隊が駐屯しており、同連隊は自衛隊において最も初期より近接戦闘の訓練を開始した部隊として雑誌などでも紹介されている部隊です。今年度行事は春日井、饗庭野を残し、中止となった立川の状況をみるのみという誤解に起因したものです。“全ての行事を網羅したものではない”という注意書きを読まずはっきり言って不快なコメントもあります。体験航海、体験搭乗、部内行事、季節行事、艦艇寄港、音楽祭などを含め掲載していない情報も多々ある事から、当ブログとしては可能な範囲内での正確な情報を期しているだけであり限界もあります、この点はご了承下さい。

■二月二十五日:陸上自衛隊別府駐屯地(大分県別府市):駐屯地創設49周年記念行事(0977-22-4311)

北大路機関

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。

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