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「新型コロナ」で変わる?人生価値観

2020-06-22 11:17:52 | ライフスタイル

昨年から、話題になっているテレビ番組の一つ「ポツンと一軒家」。
テレビが無い我が家でも、Tverの「見逃し配信」で見る番組の一つだ。
ご存じの方も多いと思うのだが、現在は「新型コロナウイルス」感染拡大防止の為、ロケを中止しスタジオで所ジョージさんと林修先生が「ソーシャルディスタンス」の距離を取り、過去の放送を再編集しその時ロケをしたスタッフの方が出演された方に、電話や出演された方が撮影された映像でその後の暮らしぶりを聞く、という内容になっている。

このような形態で放送されるようになってから感じるのは「贅沢な人生の過ごし方」という視点が、変わってきたのでは?という気がすることだ。
「ポツンと一軒家」という番組の性格上、取材された方々の多くは高齢者だ。
だが、その高齢者の方々は、実にイキイキとした表情で暮らしている。
電話のインタビューなどを聞いても「元々、ソーシャルディスタンスが保たれているので、関係ない。以前と変わらない生活を続けている」という話ばかりだ。
むしろ、このような社会状況になって、ますます「ポツンと一軒家生活」を楽しんでいる感すらある。
スマホなどを活用して、今の暮らしぶりの映像を見ることができたりすると、「贅沢な人生の過ごし方とは?」ということを、考えさせられるのだ。

戦後、私たちの暮らしの「標準」となったのは、「東京の暮らし方」だったのではないだろうか?
その顕著な例が、地方都市での「ミニ東京化を目指す」というモノだったような気がする。
「ミニ東京化」というのは、拙ブログでは随分前から指摘している、「東京を基準とした都市づくり」ということだ。
それは「経済優先の都市づくり」ということ、だったのかもしれない。
ところが、「ミニ東京化」の発想は、逆に「東京一極集中化」を招き、地方を疲弊させることになった。
「新型コロナウイルス」という、予期せぬ感染症の流行とITという技術によって、「東京一極集中化」を崩すことが可能になり始めた、というのも事実だろう。

昨日の朝日新聞に、上述した内容を感じさせる記事があった。
朝日新聞:仕事より生活重視、地方以上も・・・コロナ禍が変えた価値観

テレワークやリモートワークなどが一般的になると、「会社に出勤する必要があるのだろうか?」という、疑問が出てくるのは当然だろう。
テレワークやリモートワークにも、デメリットは数多くある。
一つは、「家庭と職場が一つになってしまう」という問題だ。
ZOOMなどを活用しての会議などは、住居環境によってはなかなか難しいということもあるようだ。
他にも、「仕事とプライベートのメリハリがなくなり、長時間仕事をしている」という、これまでとは違う「長時間労働」という問題も出てきている。
このような問題を一つひとつ解決していくことで、テレワークやリモートワークが、思いのほか一般的になるかもしれない。
とすると、それぞれの人が思う「環境の良い場所で、仕事をしたい」という、欲求が生まれてくるのは当然かもしれない。
情報も、インターネットが普及する前のように「東京でなくては得られない情報」そのものが、無くなりつつある。
もちろん、名だたる美術展やコンサートなどは、東京でなくては鑑賞することは難しいだろう。
であれば、生活基盤のある地方から、東京に「出かける」様にすれば良い、という発想が生まれるかもしれない。

そう考えると、「東京スタンダード=日本の標準」という思い込みが、崩れていく要因なっていくような気がするのだ。
となると「日本の経済の中心=東京思考」という生活ではなく、地域社会などでつくられていく「コミュニティー」や「自分らしさの暮らし方」等の「経済(=お金だけ)だけでは得られない、自分らしい贅沢な生き方や人生」を模索し始める人達が増えていくような気がするのだ。