日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ことば」は、行動に影響を及ぼす

2020-06-16 20:55:29 | 徒然

今朝、FM番組を聞いていたら興味深い話があった。
先日亡くなられた、プロレスラーの木村花さんとSNSとの関係、という内容だった。

亡くなられた木村さんを追い詰めたのは、SNS特にTwitterによる誹謗中傷だと指摘されている。
Twitterだけではなく、Yahoo!のトピックスなどに書きこまれるコメント(=通称ヤフコメ)にも、辛辣というか誹謗中傷めいた内容のものがあるのは事実だ。
これらのコメントなどは、読んでいる側だけであれば「なるほどね~、そのような考えもあるのか」という程度で、終わってしまう。
何故なら、当事者ではないからだ。
そして今朝の話が興味深かったのは、「誹謗中傷が書きこまれるSNSなどへのアクセスが、アクセスする人へも影響をしている」という内容だった。
詳しく言うと、FM番組で指摘していたことは、「ネガティブな内容のSNSにアクセスする回数が多いと、ネガティブな思考に陥りやすく、又そのようなことばを使う傾向が強くなる」ということだった

仕事をしている中で感じることなのだが、「人は思考によって、使うことばを選び、そのことばによって行動をおこす」と感じる場面が多々ある。
回りくどい言い方なのだが、「考え→ことば→行動」は、別々ではなく一つの関連づけられたモノではないか?という、ことなのだ。
FM番組で指摘しているのは「行動→考え→ことば」という順番なのだが、これらの「行動・思考・ことば」は連続性の中で起きていることなので、どれか一つが始まりというわけではないのでは?と、考えている。

実際、SNSなどで誹謗中傷を書きこむ傾向の強い人は、社会だけではなく自分自身に対しても不満や不安が強くある、といわれている。
それがSNSという匿名性という条件により、人を攻撃しやすい環境をつくりだし、結果歯止めが利かない「炎上」という状況になってしまうのではないだろうか?

だからといって、「ポジティブであれ!」などという気は、さらさらない。
「ポジティブではない自分の存在」もまた、自分自身でありそれを認めることから、脱却することができるのでは?と、考えるからだ。
むしろ、社会全体が「ポジティブ思考」であることの方が、恐ろしい。
様々な考えが集まり、社会が構成されていると考えれば、極端な「ポジティブ思考賞賛」のほうが、「全体主義的思考」の始まりとなるような気がするからだ。

「ポジティブではない自分を認めつつ、ネガティブな情報に考えが浸食されないように、ことばを使う」だけでも、SNSに溢れる誹謗中傷は少しだけ減るのでは?という、気がしている。