唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
GMシボレー・ボルトの燃費、98km/Lは嘘
新生GMが2010年に発売予定のプラグインハイブリッド車、シボレー・ボルトの市街地燃費が、230MPG(マイル・パー・ガロン、つまり98km/L)になるとの見込みであることを公表したが、これは嘘である。嘘と云ってまずければ、「数字のマジック」であると云い変えてもいいが、そのマジックはかなりインチキに近いマジックである。
シボレー・ボルトはバッテリーが無くなるまではプラグインEVであり、その後はシリーズ方式のハイブリッドカーとして走行するクルマであるが、98km/L(1ガロンのガソリンで230マイル走行できると)と云う途方もない燃費は次ぎのようにして算出されたものである。
走り出しは先に記したようにプラグインEV、つまり充電ステーションや家庭で充電したバッテリーとモーターだけで走行する。フル充電の場合この状態で64km(40マイル)走ることができる。64km走るとバッテリーが無くなり、そのままだと当然止ってしまう。
それじゃ困るから今度は発電用の1.4Lのエンジンが始動し発電機を回してモーターに電力を供給し、同時にバッテリーを充電する。満タンのガソリンで更に約400km走行できる。最初の64kmと合わせて480km走行できることになるが、98km/Lと云う燃費は発電機用エンジンが始動を初めてから18km(11マイル)、合計82km(51マイル)走行した時点でのものである。
発電用のエンジンならば燃費的かつ排ガス浄化的に最も効率の良い回転数を維持していれば良いから18km走るためには0.5Lでは足らないかもしれないが(日本のメーカーなら0.5Lよりも少なくてよいエンジンを作るだろう)1Lは必要ないだろう。間を取って0.75Lのガソリンが必要だったと仮定すれば、トータル82kmを0.75Lのガソリンで走行したことになるから燃費は109km/Lとなるが、発電しながら走っている場合だけの燃費は24km/Lとなる。
ほらね、98km/Lは嘘、嘘と云ってまずければ、限りなくインチキに近い数字のマジックだということがわかったでしょう。それにしてもシリーズ方式ハイブリッド状態での走行燃費がもし24km/Lだとしたら、10・15モードで38km/L(JC08モードで32.6km/L)を謳うプリウスよりの40%近くも燃費が悪い事になる。まっ、GMの技術力と云うのはこの程度だと云うことなのかな。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の尾根道にあるコナラの大木です。
シボレー・ボルトはバッテリーが無くなるまではプラグインEVであり、その後はシリーズ方式のハイブリッドカーとして走行するクルマであるが、98km/L(1ガロンのガソリンで230マイル走行できると)と云う途方もない燃費は次ぎのようにして算出されたものである。
走り出しは先に記したようにプラグインEV、つまり充電ステーションや家庭で充電したバッテリーとモーターだけで走行する。フル充電の場合この状態で64km(40マイル)走ることができる。64km走るとバッテリーが無くなり、そのままだと当然止ってしまう。
それじゃ困るから今度は発電用の1.4Lのエンジンが始動し発電機を回してモーターに電力を供給し、同時にバッテリーを充電する。満タンのガソリンで更に約400km走行できる。最初の64kmと合わせて480km走行できることになるが、98km/Lと云う燃費は発電機用エンジンが始動を初めてから18km(11マイル)、合計82km(51マイル)走行した時点でのものである。
発電用のエンジンならば燃費的かつ排ガス浄化的に最も効率の良い回転数を維持していれば良いから18km走るためには0.5Lでは足らないかもしれないが(日本のメーカーなら0.5Lよりも少なくてよいエンジンを作るだろう)1Lは必要ないだろう。間を取って0.75Lのガソリンが必要だったと仮定すれば、トータル82kmを0.75Lのガソリンで走行したことになるから燃費は109km/Lとなるが、発電しながら走っている場合だけの燃費は24km/Lとなる。
ほらね、98km/Lは嘘、嘘と云ってまずければ、限りなくインチキに近い数字のマジックだということがわかったでしょう。それにしてもシリーズ方式ハイブリッド状態での走行燃費がもし24km/Lだとしたら、10・15モードで38km/L(JC08モードで32.6km/L)を謳うプリウスよりの40%近くも燃費が悪い事になる。まっ、GMの技術力と云うのはこの程度だと云うことなのかな。
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の尾根道にあるコナラの大木です。
コメント ( 9 ) | Trackback ( )
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GM voltについての胸のすく解説、お見事です。
アメリカはプレゼンが上手く、気をつけませんと
ときには騙されます。
HARBEMANのブログも御覧ください。
>アメリカはプレゼンが上手く
これは実に重要なことではありますが、中身が伴っていなければ素晴らしいプレゼンも意味が無いし、やがてメッキが剥がれる。でも、中身が無くてもプレゼンがよければ、暫くの間は誤魔化しが効くと云うことでもあります。表面的なプレゼンに騙されず本質を見抜く目が必要だということですね。
>HARBEMANのブログも御覧ください
どうぞコメント記入ページの「URL」の窓に貼り付けてお知らせください。
HARBEMANさん、これを機会にこれからもどうぞよろしくお付き合いください。
>相変わらず何でも自分が1番じゃないのかと気が済まない
結局そう云うことなんですね。クルマは20年前に日本に追い越されてしまったから、今度は航空分野で追い越されないよう技術情報の流出に神経を尖らせています。アメリカが開示しなくたってちゃんと自主開発できるのに。
タニオさん、これを機会にこれからもよろしくお願いいたします。
http://response.jp/article/2010/10/18/146519.html
外野が溜飲を下げる分にはいいでしょうが、必ずしもトヨタが万全なんてことは無いですよ。
しかし、GMのような仕組みだったら、トヨタかホンダがディーゼルもしくはスターリングエンジンで実現しそうな気もしますけどね。
54km/Lですか!ボルトはシリーズ式ハイブリッドですので発電用のエンジンは最も効率の良い回転数で運転されますから高燃費が期待されます。私が例にあげた最もよい燃費でも36km/Lでしたからそれよりも50%も良い燃費と云うことになりますが、テストをした場所の問題がありそうな気がします。
例えば、東京都心から用賀まで246を走り、用賀から厚木まで100km巡航したときにどう云う数字になるか興味深々ですね。
と言っているのだが、時間は書いていない。
例えば、5日間で走り休憩時に充電したのであればガソリン消費量が低くなります。
逆に、一気に481Kmを走り抜いての燃費なら凄い物です。
ここら辺はどうなのでしょうか?
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あと疑問が
電池が殻の状態で1400ccの発電用補助エンジンを駆動させながら200kmなり連続で軽快に走れる物なのでしょうか?
モータは2000cc以上に匹敵する出力を持っていると思いますので、1400ccでそれを実現するのは無理があると思います。
それが可能ならもっと少ない電池で売り出した方が安くできます。
>5日間で走り休憩時に充電したのであればガソリン消費量が低くなります
なるほど。完全なEVとして走れなくなったら充電してまた走ることを繰り返せば燃費は確かに良くなりますね。
>あと疑問が
常時2000cc以上(のピークパワー)に匹敵する出力で走るのであれば、どう考えても1400ccのエンジンで発電する電気量では間に合わないと思いますが、一番効率が良いと思われる60~80km/hの定速走行時ならば数百cc程度のエンジンの発電量でも賄えるような気がします。それを考えるとあながち54km/Lの燃費も嘘ではないかもしれません。ただし日本の都市部の道路事情ではまず不可能でしょうね。