無料で学べる講座『gacco(ガッコ)』放送部

社長の伊能美和子が、自らの想いを綴ります
お気軽におつきあいください~~

ロラン・バルトからロヨラへ ~上智大学講座「大航海時代の日本」への誘い~

2015-03-17 | 広報部

gacco広報部 カルロス安川です。

 

エピローグ)

いよいよ3月24日に上智大学のgacco講座「大航海時代の日本」が開講されます。

 

おそらく歴史の教科書で私たちは「大航海時代」、「フランシスコ・ザビエル」、「キリシタン大名」、「南蛮」などの言葉に触れ、何となく感覚的にこの時代を皮相的ではあるが捉えているかもしれません。

 

また日本史と世界史をややもすると個別に学んできたこともあり、英国の歴史家トインビーのような比較文明論的なアプローチ視点に慣れていない人も多く、日本を含め同時代の世界を横軸で捉える機会がなかったかもしれません。

 

上智大学の「大航海時代の日本」というタイトルに接した時に、まず思ったことはグローバルな視点から日本を照射する、あるいは同時代の西洋で起こっていたルネサンス・ヒューマニズム文化が日本の歴史にどう影響したかといった文化邂逅を、イエズス会の視点から語ってくれる講座であると大いに興味を持ちました。

 

本ブログでははなはだ主観的であることをお許しいただき、、この時代のエッセンスを上智大学キリシタン文庫所蔵の貴重な史料にも触れながら眺めていきたいと思います。

 

 

批評家ロラン・バルトのロヨラ分析)

久しぶりにフランスの哲学者・批評家ロラン・バルトの書籍を手に取ってみました。

 

彼の記号論的なアプローチに学生時代は惹かれ、「零度のエクリチュール」「テクストの快楽」「恋愛のディスクール・断章」などを貪り読んだ青い記憶があります。

そんな彼の知的冒険の航路の中に「サド・フーリエ・ロヨラ」という作品があります。

 

呪われた作家サド、稀有のユートピア思想家フーリエ、イエズス会の聖人ロヨラ、背徳と幻視と霊性を象徴する、この三人の“近代人”の共有するものは何かを言語学、記号学からバルトは説いていきます。

特にイエズス会の創始者ロヨラに関しては、後進の指導のためにまとめた瞑想の指導書である「霊操」について、バルトはイメージとしての「映像言語」という記号文化で解読しました。

 

 

イエズス会というのはロヨラが1522年からスペイン・マンレサの洞窟で黙想していたときのヴィジョンに胚胎したものです。このヴィジョンから「映像言語」として福音伝道を体系化していくことにこそ、イエズス会の活動の本質があったのかもしれません。

 

ヨーロッパの伝統である修道士の古い修行生活様式を捨ててまで、苛酷な世界への啓蒙の徒となった彼らイエズス会士の行動力と伝播力には彼らの「映像言語」がもしかしたら鍵を握っているかもしれません。

 

 

上智大学のキリシタン文庫)

16~17世紀の「大航海時代」。それは、日本の戦国時代の歴史が、ヨーロッパのルネサンス・ヒューマニズム文化の歴史に「接続された」注目すべき時代であります。この接続に大きな役割を果たしたのがイエズス会の布教活動であり、彼らが残した文化的なコンテクストです。

 

彼らは日本を始め世界中にコレジヨ(高等教育施設)、セミナリヨ(初等教育機関/神学校)や病院(豊後府内病院)を設立するとともに、出版などの活字印刷の文化を日本へもたらしました。

上智大学のキリシタン文庫には貴重な国内外のキリシタン学関係史料が蒐集されており、この中に、『グレゴリウス13世肖像画』(KBMs:9)図―1という銅版画があります。

 

無断転載禁止

 

 

このたび貴重な画像を上智大学より提供していただきました。

16世紀末にマルコ・アントニオ・チャッピによって製作された、第226代ローマ教皇グレゴリウス13世(在位1572-1585)の肖像の銅版画です。

 

周囲には在位中に日本をはじめ世界各地に設立したコレジヨやセミナリヨが描かれています。また本講座の第4週では特にキリシタン版の歴史にスポットを当てています。

 

キリシタン版とは、日本初の金属活字印刷で、16世紀末から 17世紀初めにかけて活版印刷で出版された欧文,和文の書物であり、朱墨二色刷り・楽譜印刷を含むものであります。こちらもキリシタン文庫にある貴重な印刷本をご提供いただきました。

 

■『サカラメンタ提要』(JL-1605-KB30-29-24)図―2

無断転載禁止

 


1605年に長崎にて印刷されたキリシタン版の一種であり、カトリックの典礼を執り行う固有な儀式の趣旨や次第、祈りや教えを収めた定式書であり、式文を黒色、説明文を朱色と二色刷りした活字印刷本です。

 

日本初のカトリックの典礼書であり、西洋式楽譜印刷本でもあります。

これはヨーロッパで作らせた行草体仮名漢字活字を和紙に組版・印刷し、ついには独自の活字鋳造に至るものです。こうして眺めているとイエズス会の布教活動は様々なツール、ロール、そしてルールを日本含め世界に提供しているように思えます。

 

これこそがバルトの説くロヨラの、そしてイエズス会の「映像言語」の体系なのかもしれません。



最後に)

以上は断片的に本講座の魅力を語ったことにすぎず、第2週の「大友宗麟」や第3週のA.ヴァリニャーノについても触れたいところですが、それは受講してからの知的探求の旅までとっておきたいと思います。

それにしてもイエズス会というこのアクティブなソサエティをもう一度読み解きたい、そう思わせる講座であり開講が楽しみです。

 

上智大学 「大航海時代の日本」:日欧文化交流の歴史(ヒストリア)

◆  《 2015年3月24日開講 》

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga029/2015_03/about?utm_source=nm&utm_medium=email&utm_campaign=nm_140310_ga029


「ビジネスプラン」は私たちの社会問題を解決する!?

2015-03-05 | 広報部

■「カタカナ」と「ひらがな」のみ。これってほんとに、本格的な大学講座?

本格的な大学講座を提供するgacco講座の一覧に、「カタカナ」と「ひらがな」のみの講座タイトルで一際目立つ講座があります。

 

「ビジネスプランをつくってみよう」

 

もちろん大学の先生、「武蔵大学 経済学部 高橋徳行 教授」が講師を勤めます。しかし、タイトルからも分かるとおり、ビジネスプランを作成するために必要な、経営学の基礎の基礎を学ぶ講座で、gaccoで初めて高校生推奨の講座として2015年6月2日(火)に開講します。

 

■なんで、高校生を対象とした講座をgaccoで提供するの?

きっかけは、昨年の1月東京大学伊藤謝恩ホールにて開催された日本政策金融公庫主催する第1回「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」の最終審査会。

 

「高校生を対象にしたビジネスプランコンテストは珍しいな」というくらいの軽い気持ちでビジネスプランの最終審査会に行きました。

 

それが、1組目の発表から高校生の大人顔負けのプレゼンテーションに、会場は笑いと感動にあふれ、観衆は高校生の発表に釘付け。あっという間の2時間でした。

 

身近な問題を探し解決するビジネスプランを考え、その発表のための資料作りやプレゼンテーションの練習、審査員からの質問を想定した準備と対応など、高校生が短期間で成長した結果(※)が如実に現れていて、本当に高校生ってこんなにすごかったんだと素直に感動しました。

 

※もちろん、発表前の様子は伺っただけで、ほとんど妄想です(汗)

 

もっと多くの高校生にこんな体験をしてほしい、社会に興味を持つきかっけになれば、また、高校を卒業しても目標をもって自ら学習する意欲をもってほしい、こんな願いからgaccoで「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」の推奨講座を提供することになりました。

 

 
※第1回、第2回の最終審査会での高校生の発表を動画でご覧いただけます。

 

 

■ちなみに、「ビジネスプラン」は私たちの社会問題を解決する!?

本グランプリでは、「人々の生活や世の中の仕組みをより良いものに変えるビジネスプラン」や「地域の課題や環境問題などの社会的な課題を解決するビジネスプラン」を募集します。

 

高校生向けのコンテストだから、「社会的意義」に則っていると思われる方も多いのではないでしょうか?

また、ビジネスは、ビジネスライクという言葉があるように、事務的で冷たいもの、お金が儲かればよいなど、というマイナスなイメージを持っていませんか?

 

起業学に精通する武蔵大学 高橋先生いわく、

経営学は企業経営者やそこで働く人たちだけのことを考えるものではありません。

経営学は、私たちの身の回りの問題から社会全体の大きな問題までを解決しようとする学問です。

日本経済の国際競争力が低下している問題、故郷が過疎化している問題から、刑務所から出所した人の再逮捕率が高いという問題、働きながら子育てがしにくいという問題まで、幅広い守備範囲を持っています。そして、このような問題への対応は新しく生まれた企業によって担われることが多いのです。

私が専門としているアントレプレナーシップは、新しい問題に対して新しい組織を設立し、経営学の考え方を応用して、解決しようとするものです。私たちが住んでいる社会をどうすればより良いものに変えていけるかを考えながら経営学を学んでください。

 

そもそもビジネスとは、「お客様(社会)のニーズを満たす」ために、常に「考え」、「行動する」ことなのです。

「経営学」は、どんな形であれ働く人、にとって必要な学問であることは間違いありません。

 

 

■大学生より、高校生に教える方が難しい!?

高校の社会の授業では、特に普通科高校では経済を勉強するコマ数がほとんどないし、ビジネスプランについての授業は無いに等しい。

 

そこで高校生も受講対象となる本講座では、高校生などビジネス経験でも無い方でも理解しやすいよう身近な事例を多用し、経営学の基礎の基礎から、丁寧に説明するように工夫しています。

 

また、ビジネスプランを作る難しさは、例えば政治・経済という一科目だけを勉強するだけでは作れない。いろんなことを想定し、考えなければならず、教科を横断的に思考する力が必要です。さらに、社会の課題に対して、問題を解決するビジネスプランは一つではない。考え方次第でよりよい方法となったり、実現できないプランになったりします。

 

その教科を横断的に思考する力をつけ、講義の内容の理解を深めるために、「試してみよう」というワークを用意しています。ワークでは、ビジネスプラン同様、正解の無い、問いかけをしています。高橋先生からの「問い」に対し、高校生が仲間とディスカッションすることで、いろんな考え方に触れたり、思考力を身につけるきっかけを用意しています。

 

 

■高校生に日本の未来を託してみませんか?

活力ある日本を創り、地域を活性化するためには次世代を担う若者の力が必要です。

 

もし、高校生や若手ビジネスパーソンが身近にいたら、ぜひこの講座を一緒に学んでほしいと思います。

そして、身近な課題を解決するビジネスプランを考えたり、話あったりしてみてください。「若い人ってこんなこと考えているんだ」と新たな一面に気付くきっかけになると思います。

 

もちろん、一般の方も受講可能です。

「ビジネスプランをつくってみよう」を一緒に学びながら、高校生の受講を応援してください!

 

「ビジネスプランをつくってみよう」
~日本政策金融公庫主催 創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ推奨講座~

講師:武蔵大学 経済学部 高橋 徳行教授
開講日:2015年6月2日(火)


「《特別講座》 ネットワーク産業論」:ライブドローイングでうまれた「絵巻物」公開!

2015-02-17 | 広報部

1月20日に開講した『 《特別講座》 ネットワーク産業論』

 

夏野剛先生の、ご自身の経験を元にしたバッサバッサと斬るような明快な論調、軽妙にして人を惹きつける話術で、多くの受講者から大好評の声をいただいています。

 

この講座は、講義タイトルに付いている通り《特別講義》で、今までの講座にない企画が盛り込まれています。

◆ 一気に視聴できる約90分間のコンパクトな講義

◆ 「ニコニコ生放送」で生放送をしながらの同時収録を実施

 

◆ 配信会場に、“グラフィックファシリテーター®”を招いてのライブドローイングの実施

 

など。

 

今日は、ライブドローイングを担当していただきました、“グラフィックファシリテーター®” 「やまざきゆにこ」さんがライブドローイング描きあげたによる完成物“絵巻物”をご紹介します。

 

 

約90分の講演で、10枚の絵ができました。

 

 

ディスカッションの中で受講者から質問がありましたが、「やまざきゆにこ」さんは事前には内容を知らされることなく、初見の講義を聴きながらリアルタイムで描きあげていかれました。

 

実際の現場では、講師が話されるタイミングと、やまざきさんが描き始める、描きあげるタイミングは長い場合は、10分以上ずれることもあります。 「ニコニコ生放送」では、当然ながら、このタイムラグそのままでしたが、このgaccoで公開するに当たっては、違和感の少ないように、タイムラグを埋めるように編集をしています。

 

話を聞きながら、それを記憶されながら、別の(少し前に話した)トピックについて、描きあげていく様は、それはそれは見事でした。(この方の、メモリー機能・キャッシュ機能はいったいどうなっているのだろうと…)

 

『 《特別講座》 ネットワーク産業論』では、作者「やまざきゆにこ」さん自身が、この「絵巻物」を直接解説していただいた動画コンテンツの公開を始めましたので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
(gaccoへの登録と、本講座への受講登録が必要です)

 

*グラフィックファシリテーター®「やまざきゆにこ」さんについては、こちらのWebサイトをご参照ください。
 http://www.graphic-facilitation.jp/

 

 

それでは、以下で「絵巻物」をご堪能ください!

■1

 

■2

 

■3

 

■4

 

■5

 

■6,7

 

■8

 

■9

 

■10

 

<予告!>

来る2月25日(水)20:30~ ニコニコ生放送で、「ネットワーク産業論」公開質問編が生放送されます。

gacco本講座の掲示板に寄せられた質問に、夏野先生がバッサバサと回答していきます。

質問の受付は2月19日まで、gacco「ネットワーク産業論」の「ディスカッション」で募集中です。

どうぞお楽しみに!

 

▼クリックすると告知ページにリンクします。

 

 

 

 

 


国連防災世界会議で盛り上がる仙台でgaccoセミナーに参加しよう

2015-02-06 | 広報部

3/14から、国連が主催する国連防災世界会議が仙台で開催されます。

 

 

 

gacco広報部、大谷です。

 

国連が主催するこの会議は、今回第3回目。

世界の加盟国(193か国)や国際機関、NGOなどが参加する国際イベントで、前回開催された時は4万人が参加した一大イベントです。

 

東日本大震災の経験と教訓を国内外に発信し、今後の世界の防災戦略を策定するのが今回の会議の目的です。

 

会議の会場は、東北大学の隣りの仙台国際センターが中心となりますが、関連シンポジウムやセミナーは仙台市内を中心に青森・岩手・福島でも行われ、公募分だけでなんと371件!!あるそうです。

 

今週末も4イベントの開催が予定されています。

 

 2/7 水の森防災学校

 2/7 みんなの力で地域防災・減災

 2/7 こころの防災市民フォーラム~第3回国連防災世界会議に向けて~

 2/7、8 減災ハッカソン~身近な減災を考える~

 

gaccoで2/25から開講される東北大学「東日本大震災を科学する ~被害実態と今後の減災への取組~の中でも、

会議のキーパーソンでもある今村文彦教授が国連防災世界会議の意義について説明をされています。

 

 

 

東北大学もホストとして様々なイベントを開催し参加するそうです。

 

今村先生によるとその目的は、会議参加を通じ、国際マルチ連携を実現すること。また、研究成果を政策提言に結びつけていくこと。

今までの大学の研究活動は論文を発表するのが主体でしたが、その枠組みを超えた、ダイナミックな展開が期待されているのです。

 

この機会に、是非、講座の学びと共に、仙台を訪れてみてはどうでしょうか。海の幸、山の幸も美味しいですよ。

 

 

 

さて、今村先生の講座「東日本大震災を科学する」では、3月21日(土)の午後に、受講生を対象とした「東日本大震災を科学するセミナー」が東北大学災害科学国際研究所で開催されす。(※国連防災世界会議は3/14~18まで。)

 

当日は、こんなプログラムが予定されています。

 

 ・先生の講義

 ・避難訓練や地震・津波から命を守るための取り組みについてのグループディスカッション

 ・世界に誇る最先端の施設をもつ災害科学国際研究所の見学

  ※災害科学国際研究所は昨年10月に新棟に移転したばかりで、とってもきれいです。

 ・先生方との懇親会

 

などなど、盛りだくさん!

 

 

今村先生曰く、「なかなか大学の研究所を見て頂く機会も無いでしょうから、、、、」といろいろ考えて頂いております。

 

こんな地震体験機や、

 

 

 

こんな謎の部屋や、

 

 

津波で浸水してしまった古文書を保全する営みなど、、、、、

 

 

いろいろな施設見学が予定されています!

 

是非、皆さまの参加をお待ちしています。

 

■いよいよ2月25日開講!「東日本大震災を科学する ~被害実態と今後の減災への取組~」講座登録はこちらから

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga022/2015_02/about


gacco体験イベントのご報告

2015-01-29 | 広報部

 

先日、gacco未利用者の方々を対象とした

体験イベントを実施いたしました!

 

 

*参加者数は24名

 

gaccoの全体説明を第1部で行った後、

第2部では講座ごとのご紹介を各ブースに分かれて少人数制で実施。

 

 

*第1部:gaccoの特長や受講方法をご紹介

 

 

 *第2部:講座ごとの特長をご紹介

 

皆さま、前のめりで聞いてくださったので

紹介側も気持ちよく話をさせていただきました♪

 

またご参加いただいた方々には

各自のブログでgaccoをご紹介いただいています!

 

それぞれの切り口で丁寧に綴って頂きました。

人によって見方が少しずつ違うものですね。

 

いくつかピックアップさせていただきましたので

是非、ご覧ください!

 

『美味しい冒険♪』

ブログペンネーム「栗まんじゅう」様

http://ameblo.jp/deluxerascal/entry-11980299722.html

 

『40代から始めよう!カラダと心に良い習慣』

ブログペンネーム「TOKYOうさぎ」様

http://tokyorabit.blog.fc2.com/blog-entry-1543.html

 

『WEBマーケティングブログ』

http://web-marketing.zako.org/web-tools/gacco.html

 

 

gaccoブログをご覧いただいている皆さまも

宜しければ、ご自身のブログやSNSでgaccoをご紹介ください。

 

数が集まりましたら、またこちらのgaccoブログでご紹介させて頂きますね。

 

どうぞ宜しくお願いいたします!

 

 


*司会の方とgaccoスタッフ陣で記念撮影


「東日本大震災を科学する」:風化と闘うための講座

2015-01-27 | 広報部

今年の1月は阪神大震災から20年の節目。

阪神大震災のイベントや報道を目にする機会が多かったと思います。

 

震災の報道を目にするたび、

 

「ああ、この瞬間僕は○○さんと△△にいて、□□をしていたんだ」

 

そんなことを思うのは、私(gacco広報部 大谷)だけではないはずです。

 

そして、まだ我々の記憶に新しい東日本大震災が発生して、間もなく5年目を迎えます。

 

東北大学が来月2月25日より皆様にお送りする「東日本大震災を科学する ~被害実態と今後の減災への取組~」講座は、いろんな見どころがある講座ですが、

 

一言でいえば、

 

「風化と闘う」

 

講座です。

 

物理学者であり、作家でもある寺田寅彦は、随筆などの中で、

 

 「人間は忘れる動物」


 「天災は忘れた頃にやってくる」


という言葉を残しています。

 

寺田寅彦肖像(出展:Wikipedia) 

 

「人間は忘れる動物である。」

 

そして、いくら記憶力がある人がいたとしても、


「世代が変われば記憶は残せない。」

 

ここに災害大国である日本に住む我々にとって、大きな課題があるのです。

 

 

本講座のメインスピーカーであり、東北大学災害科学国際研究所で所長をつとめる今村文彦先生は講義の中で、こんな話を紹介してくれます。

 

 

東日本大震災の際の事実: 

 

 ・江戸時代の宿場町の殆どが今回の津波の浸水域からズレていた


 ・古い神社の多くは津波浸水の境界に位置し、津波の被害を免れた

 

また、地域のお祭りにも災害対策における意義があるのではないか...

 

というお話もありました。

 

人間の記憶は、時間とともに薄れていきますが、


我々の先人は、記憶を超える、世代を超える有形無形のメッセージを残そうとしてきたのですね。

 

 

今村先生の講義には、そういったエピソードが満載で、我々スタッフは撮影の合間も「先生、さっきのお話ですけど、、、、、」と、

ついつい先生に話の続きを聞いてしまったのでした。

 

 

 

では、


我々は今回の震災を通じ何が残せるのか。

我々の子孫に何をつたえるべきなのか。

 

そんな我々日本人に与えられた大きな宿題を一緒に考えてみるのが、本講座の最大の意義なのです。

 

本講座には、東北大学 災害科学国際研究所で開催される対面授業(反転学習コース)もあります。

復興をとげつつある仙台で、先生方と防災や減災を議論し、日本の未来について考えてみませんか?

 

 

「東日本大震災を科学する ~被害実態と今後の減災への取組~」講座登録はこちらから

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga022/2015_02/about


10万会員突破と1周年のご報告、そしてアンケートへのご協力のお願い。

2015-01-27 | 広報部

gacco広報部の竹内です。

 

みなさま、遅ればせながら恐縮でございますが

本年もどうぞ宜しくお願いいたします!

 

さて、FacebookとTwitterでは既にお伝えをさせて頂いておりますが

gacco会員数が10万名を突破いたしました!サイト開設後、11ヶ月での達成です♪

 

 


また「gacco」は来る2月3日でサービス開始から1周年を迎えます。

 

これもひとえに、皆様のご愛顧の賜物。

心より感謝をしております。本当にありがとうございました!!

 

そして「gacco」は、2年目のこれからも

皆さまのご期待に沿えるよう努めてまいります。

つきましては、受講修了された方々のお声を聞かせて頂き、

サービスの開発や運営に役立てていきたいと考えております。

 

今後の更なるサービス向上のため、

アンケートへのご協力をお願いできますでしょうか。

 

【アンケート回答のお願い】

 

■対象者

 gacco受講修了者の方

■アンケート主催

 NTTナレッジ・スクウェア株式会社

■アンケートURL

 以下のURLにアクセスし、アンケートにご回答ください。

 なお、ささやかではございますが、アンケート回答者の中から抽選で100名様に

 gaccoオリジナルステッカーをプレゼントさせて頂きます。

 http://n-academy.jp/form/ld1_cm_gacco_10_20150127.html

 ※ 当アンケートフォームはNTTナレッジ・スクウェア株式会社運営の

   ネットスクール「N-Academy」のものを利用しています。

 

<抽選概要>

 応募条件:gaccoのいずれかの講座を修了していること、アンケート全てに回答すること

 当選人数:100名

 応募締切:2014年2月2日(月) 23時59分

 当選発表:プレゼントの発送をもってかえさせて頂きます。

       ※発送は、2月中の予定

 

<注意事項>

 ・本アンケートは最大14問で、回答に4分程度かかります。

 ・本アンケート画面は、携帯電話(スマートフォン除く)

  には対応しておりませんので、ご回答いただけないことがございます。

  お手数ですが、パソコン、スマートフォン、タブレット

  端末からのご回答をお願いいたします。

 ・アンケートのご回答はおひとり様1回のみとなります。

 

どうぞ宜しくお願いいたします! 


「データサイエンス」講座 総務大臣会見から始まった1日

2014-12-25 | 広報部

先日の募集開始以降、大きな反響を頂いている、

 

日本政府提供による初めてのMOOC講座「社会人のためのデータサイエンス入門」

 

既にご登録いただきましたでしょうか?

 

 

さて、我が国にとって、データサイエンス力の高い人材育成国家プロジェクトの一環となっています。

 

総務省が今年5月に発表した報道発表には、

 

『今後の我が国の国際競争力を維持し、経済成長を加速化させるためには、ビジネスの現場においても、データに基づいて課題を解決する能力の高い人材、いわゆるデータサイエンスを身に着けた人材が不可欠となっています。このため、“データサイエンス”力の高い人材育成とその学習基盤整備が喫緊の課題となっています。』

 

という記載があります。

 

本講座のお披露目は12月19日、午前中の高市総務大臣の記者発表から始まりました。

 

総務大臣の発表はこちら

 

 

総務大臣のコメントより。

「この講座は、日本政府が初めて提供する「MOOC(ムーク)講座」でございます。

こうした取組を通じまして、日本の企業活動の活性化及びオープンデータの利活用の促進につながることを期待いたしております。」

 

とのことでした。

 

その後、同日15時にgaccoでも報道発表を実施し、本講座の募集を開始。

 

我々は報道発表の中で、今回の国家プロジェクトをこんな文章で紹介してみました。

 

国家によるMOOCへの取り組みは、世界的な潮流となっており、

フランスでは、今年1月より高等教育研究省による国営のMOOC提供サイトの運用が開始され、

イギリス政府は、サイバーセキュリティ対策のためにMOOC講座を提供することを今年9月に発表しました。

アメリカでは、オバマ大統領が高校生や先生を対象とし、edXやCourseraの活用を積極支援するスピーチを先月行ったばかりです。』

 

<参考>

フランスの記事:French Ministry of Higher Ed Adopts edX Platform for MOOC, Blended Learning Portal

イギリスの記事:Government supported Mooc to ignite the UK cybersecurity industry

アメリカの記事:President Obama announces free verified certificates for MOOCs from edX and Coursera at ConnectEd

 

 

政府の役割とは、経済学では資源配分の調整、所得の再分配、景気の安定化、とされます。

 

これまで、国民の教育はどちらかといえば地方自治体やその先の教育機関に任されてきました。しかし、今回の講座では、総務省統計局の職員も講師を務めます。

 

今回の講座で講師を務めるのは、「統計学が最強の学問である」著者の東大西内啓先生らをはじめ、統計局の職員、統計研修所の所長、東京大学と統計数理研究所の教授陣。公的統計データを活用した教育については、間違いなく国内随一のノウハウを持っているメンバー。

 

統計局の職員が一般向けの講座で講師を務め、それを受講する機会なんて、今まで限定されてきたと思います。MOOCであれば、そういったチャンスが格段に広がるんですね。

 

それに、政府の職員が積極的に前面に出て、講師を務めるって、素晴らしいチャレンジですし、政府の取り組みを知り、理解することができる新しいスタイルではないですか。gaccoはこういう取り組みを全面的に支援していきたいと思います!

 

「社会人のためのデータサイエンス入門」講座登録はこちらから

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga031/2015_03/about


【本日開講!】年末年始はロボット社会を学ぼう

2014-12-11 | 広報部

本日より大阪大学石黒浩先生の「人とロボットが共生する未来社会」が開講しました!

 

この講座は、ロボット達の生みの親、石黒先生と、子供たち(アンドロイド)との対話により展開される異色の講座です。

 

 

今日は、開講記念ということで、撮影模様をご紹介します!

 


 

撮影に向け、スタンバイするロボット達。

 

右から、石黒先生のコピーロボットであるジェミノイドHI-4、女性のロボット、ジェミノイドF、誰だかわからないが、誰もが親しみを持つデザインのテレノイド

 

 

 

テレノイドは、一見不気味に見えますが、誰もが手に取ると、笑顔になってしまう。とても不思議なロボットです。ごらんの通り、スタッフコバヤシもつい笑顔に。

 

 

 

テレノイド日本未来科学館にも展示されていて、誰でも触れることが出来ますが、いつでも長蛇の列が出来ており、子供たちの人気者です。

是非、日本未来科学館ものぞいてみてください。 

 

そして、撮影前に、石黒先生に愛でられるロボット達の風景。

心なしか、ロボット達も嬉しそうです。石黒先生のロボット達に対する愛を感じられます。

 

 

 

 

 


 

石黒先生は、講義の中では淡々とお話をされていますが、実は人間が大好きな方です。

ロボットを作れば作るほど、研究すればするほど、人間について考えてしまう方です。

 

さて、皆さんは、ロボットと対話するとしたら、どんな話をしますか?

 

「人間になったら、何をしたいですか」

 

「歳はとらないのですか?」

 

「人間って楽しいですか?」

 

「人間である証拠を見せてください」

  

日本科学未来館で、ロボットを操作していた親子の会話です。ドキッとする言葉ですね。はてさて、人間である証拠って、一体どこにあるのでしょうか。

 

本講座の中でも、そういった人間の定義について、議論をしていきます。

 

今日から一緒に、石黒ワールドを体験し、未来について考えてみましょう!

 

■石黒先生とロボットとの掛け合い講座「人とロボットが共生する未来社会」講座登録はこちらから

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga018/2014_12/about

 

■ロボット活用を考えるビジネスセミナー「人と関わるロボット活用セミナー」詳細はこちらから

http://gacco.org/special/ga018/

 


gacco広報部制作のピクトグラム。先生に講評をいただきました!

2014-12-01 | 広報部

 

gacco広報部の竹内です。

 

先週のブログでご紹介させていただいた

gacco広報部制作のピクトグラム<モチーフ:フクロウ>を

先生に講評いただきました。

白尾先生、ありがとうございます!

 

5つの作品に対しての講評を通して

「特徴をとらえて伝える」ということに

新たな視座を得ることができました。

 

みなさまも是非ご覧ください!

 

<総評>


 

 

事前に「フクロウ」ということがわかっている場合と

「さてこれは何の動物に見えますか?」という場合とでは

理解度が変わります。

 

事前知識が全くない状況では、Dはわからないかもしれません。

Cはある種のフクロウを象徴しているようですが、

フクロウという前提で見て初めてわかる作品だと思います。

 

講義の第1週目課題は練習になりますので、1点だけを制作するのですが

同じような考え方で、あと2種類の動物も制作するという課題であったとすると、

統一的な表現で3種類の動物(同じようなわかり方)を制作することができるかどうか。

 

基本的な考えがしっかりしていると、あらゆる場合に対応することができます。

 

 

<個別講評>

 

全体のバランスはよいと思います。

耳の部分の表現が複雑になりすぎています。

もう少し見やすい表現を工夫することによって、さらに形がしっかりしたと思います。

 

 

密度があってピクトグラムとしての面白い魅力があります。

動物の種類の理解度には若干難がありそうですが、

耳の部分をもう少し整理するとわかりやすさとユニークさを両立できたと思います。

 

 

大変シンプルで特徴をとらえていると思います。

もう少しフクロウらしさをどこかに追加することによって、

もっとわかりやすく、完成度の高い作品になったのではないかと思います。

 

 

一見ではフクロウとわかりにくい作品です。

もう一度実際のフクロウの形をよく観察し、

その特徴をとらえ直した方がよいかもしれません。

 

 

ちょっと動きがあって面白いピクトグラムになりました。

手を挙げている、足が歩き出しそうな動きがある、

フクロウとは関係のない丸があるなど、少し演出過剰かもしれません。

丸をとり、足の部分をもう少し整理するときっとよくなったと思います。

 

 

いかがでしたか。

伝え方のバリエーションが増える感覚はありませんか?

 

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カタチで意味を伝える ピクトグラム

武蔵野美術大学 通信教育課程

白尾 隆太郎、清水 恒平、山口 弘毅、上田 和秀

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Week1の課題締切(動物の顔)は12月8日までです。

ふるって受講、課題提出を行ってください!