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社長の伊能美和子が、自らの想いを綴ります
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ロラン・バルトからロヨラへ ~上智大学講座「大航海時代の日本」への誘い~

2015-03-17 | 広報部

gacco広報部 カルロス安川です。

 

エピローグ)

いよいよ3月24日に上智大学のgacco講座「大航海時代の日本」が開講されます。

 

おそらく歴史の教科書で私たちは「大航海時代」、「フランシスコ・ザビエル」、「キリシタン大名」、「南蛮」などの言葉に触れ、何となく感覚的にこの時代を皮相的ではあるが捉えているかもしれません。

 

また日本史と世界史をややもすると個別に学んできたこともあり、英国の歴史家トインビーのような比較文明論的なアプローチ視点に慣れていない人も多く、日本を含め同時代の世界を横軸で捉える機会がなかったかもしれません。

 

上智大学の「大航海時代の日本」というタイトルに接した時に、まず思ったことはグローバルな視点から日本を照射する、あるいは同時代の西洋で起こっていたルネサンス・ヒューマニズム文化が日本の歴史にどう影響したかといった文化邂逅を、イエズス会の視点から語ってくれる講座であると大いに興味を持ちました。

 

本ブログでははなはだ主観的であることをお許しいただき、、この時代のエッセンスを上智大学キリシタン文庫所蔵の貴重な史料にも触れながら眺めていきたいと思います。

 

 

批評家ロラン・バルトのロヨラ分析)

久しぶりにフランスの哲学者・批評家ロラン・バルトの書籍を手に取ってみました。

 

彼の記号論的なアプローチに学生時代は惹かれ、「零度のエクリチュール」「テクストの快楽」「恋愛のディスクール・断章」などを貪り読んだ青い記憶があります。

そんな彼の知的冒険の航路の中に「サド・フーリエ・ロヨラ」という作品があります。

 

呪われた作家サド、稀有のユートピア思想家フーリエ、イエズス会の聖人ロヨラ、背徳と幻視と霊性を象徴する、この三人の“近代人”の共有するものは何かを言語学、記号学からバルトは説いていきます。

特にイエズス会の創始者ロヨラに関しては、後進の指導のためにまとめた瞑想の指導書である「霊操」について、バルトはイメージとしての「映像言語」という記号文化で解読しました。

 

 

イエズス会というのはロヨラが1522年からスペイン・マンレサの洞窟で黙想していたときのヴィジョンに胚胎したものです。このヴィジョンから「映像言語」として福音伝道を体系化していくことにこそ、イエズス会の活動の本質があったのかもしれません。

 

ヨーロッパの伝統である修道士の古い修行生活様式を捨ててまで、苛酷な世界への啓蒙の徒となった彼らイエズス会士の行動力と伝播力には彼らの「映像言語」がもしかしたら鍵を握っているかもしれません。

 

 

上智大学のキリシタン文庫)

16~17世紀の「大航海時代」。それは、日本の戦国時代の歴史が、ヨーロッパのルネサンス・ヒューマニズム文化の歴史に「接続された」注目すべき時代であります。この接続に大きな役割を果たしたのがイエズス会の布教活動であり、彼らが残した文化的なコンテクストです。

 

彼らは日本を始め世界中にコレジヨ(高等教育施設)、セミナリヨ(初等教育機関/神学校)や病院(豊後府内病院)を設立するとともに、出版などの活字印刷の文化を日本へもたらしました。

上智大学のキリシタン文庫には貴重な国内外のキリシタン学関係史料が蒐集されており、この中に、『グレゴリウス13世肖像画』(KBMs:9)図―1という銅版画があります。

 

無断転載禁止

 

 

このたび貴重な画像を上智大学より提供していただきました。

16世紀末にマルコ・アントニオ・チャッピによって製作された、第226代ローマ教皇グレゴリウス13世(在位1572-1585)の肖像の銅版画です。

 

周囲には在位中に日本をはじめ世界各地に設立したコレジヨやセミナリヨが描かれています。また本講座の第4週では特にキリシタン版の歴史にスポットを当てています。

 

キリシタン版とは、日本初の金属活字印刷で、16世紀末から 17世紀初めにかけて活版印刷で出版された欧文,和文の書物であり、朱墨二色刷り・楽譜印刷を含むものであります。こちらもキリシタン文庫にある貴重な印刷本をご提供いただきました。

 

■『サカラメンタ提要』(JL-1605-KB30-29-24)図―2

無断転載禁止

 


1605年に長崎にて印刷されたキリシタン版の一種であり、カトリックの典礼を執り行う固有な儀式の趣旨や次第、祈りや教えを収めた定式書であり、式文を黒色、説明文を朱色と二色刷りした活字印刷本です。

 

日本初のカトリックの典礼書であり、西洋式楽譜印刷本でもあります。

これはヨーロッパで作らせた行草体仮名漢字活字を和紙に組版・印刷し、ついには独自の活字鋳造に至るものです。こうして眺めているとイエズス会の布教活動は様々なツール、ロール、そしてルールを日本含め世界に提供しているように思えます。

 

これこそがバルトの説くロヨラの、そしてイエズス会の「映像言語」の体系なのかもしれません。



最後に)

以上は断片的に本講座の魅力を語ったことにすぎず、第2週の「大友宗麟」や第3週のA.ヴァリニャーノについても触れたいところですが、それは受講してからの知的探求の旅までとっておきたいと思います。

それにしてもイエズス会というこのアクティブなソサエティをもう一度読み解きたい、そう思わせる講座であり開講が楽しみです。

 

上智大学 「大航海時代の日本」:日欧文化交流の歴史(ヒストリア)

◆  《 2015年3月24日開講 》

https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga029/2015_03/about?utm_source=nm&utm_medium=email&utm_campaign=nm_140310_ga029


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「ビジネスプラン」は私たちの社会問題を解決する!?

2015-03-05 | 広報部

■「カタカナ」と「ひらがな」のみ。これってほんとに、本格的な大学講座?

本格的な大学講座を提供するgacco講座の一覧に、「カタカナ」と「ひらがな」のみの講座タイトルで一際目立つ講座があります。

 

「ビジネスプランをつくってみよう」

 

もちろん大学の先生、「武蔵大学 経済学部 高橋徳行 教授」が講師を勤めます。しかし、タイトルからも分かるとおり、ビジネスプランを作成するために必要な、経営学の基礎の基礎を学ぶ講座で、gaccoで初めて高校生推奨の講座として2015年6月2日(火)に開講します。

 

■なんで、高校生を対象とした講座をgaccoで提供するの?

きっかけは、昨年の1月東京大学伊藤謝恩ホールにて開催された日本政策金融公庫主催する第1回「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」の最終審査会。

 

「高校生を対象にしたビジネスプランコンテストは珍しいな」というくらいの軽い気持ちでビジネスプランの最終審査会に行きました。

 

それが、1組目の発表から高校生の大人顔負けのプレゼンテーションに、会場は笑いと感動にあふれ、観衆は高校生の発表に釘付け。あっという間の2時間でした。

 

身近な問題を探し解決するビジネスプランを考え、その発表のための資料作りやプレゼンテーションの練習、審査員からの質問を想定した準備と対応など、高校生が短期間で成長した結果(※)が如実に現れていて、本当に高校生ってこんなにすごかったんだと素直に感動しました。

 

※もちろん、発表前の様子は伺っただけで、ほとんど妄想です(汗)

 

もっと多くの高校生にこんな体験をしてほしい、社会に興味を持つきかっけになれば、また、高校を卒業しても目標をもって自ら学習する意欲をもってほしい、こんな願いからgaccoで「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」の推奨講座を提供することになりました。

 

 
※第1回、第2回の最終審査会での高校生の発表を動画でご覧いただけます。

 

 

■ちなみに、「ビジネスプラン」は私たちの社会問題を解決する!?

本グランプリでは、「人々の生活や世の中の仕組みをより良いものに変えるビジネスプラン」や「地域の課題や環境問題などの社会的な課題を解決するビジネスプラン」を募集します。

 

高校生向けのコンテストだから、「社会的意義」に則っていると思われる方も多いのではないでしょうか?

また、ビジネスは、ビジネスライクという言葉があるように、事務的で冷たいもの、お金が儲かればよいなど、というマイナスなイメージを持っていませんか?

 

起業学に精通する武蔵大学 高橋先生いわく、

経営学は企業経営者やそこで働く人たちだけのことを考えるものではありません。

経営学は、私たちの身の回りの問題から社会全体の大きな問題までを解決しようとする学問です。

日本経済の国際競争力が低下している問題、故郷が過疎化している問題から、刑務所から出所した人の再逮捕率が高いという問題、働きながら子育てがしにくいという問題まで、幅広い守備範囲を持っています。そして、このような問題への対応は新しく生まれた企業によって担われることが多いのです。

私が専門としているアントレプレナーシップは、新しい問題に対して新しい組織を設立し、経営学の考え方を応用して、解決しようとするものです。私たちが住んでいる社会をどうすればより良いものに変えていけるかを考えながら経営学を学んでください。

 

そもそもビジネスとは、「お客様(社会)のニーズを満たす」ために、常に「考え」、「行動する」ことなのです。

「経営学」は、どんな形であれ働く人、にとって必要な学問であることは間違いありません。

 

 

■大学生より、高校生に教える方が難しい!?

高校の社会の授業では、特に普通科高校では経済を勉強するコマ数がほとんどないし、ビジネスプランについての授業は無いに等しい。

 

そこで高校生も受講対象となる本講座では、高校生などビジネス経験でも無い方でも理解しやすいよう身近な事例を多用し、経営学の基礎の基礎から、丁寧に説明するように工夫しています。

 

また、ビジネスプランを作る難しさは、例えば政治・経済という一科目だけを勉強するだけでは作れない。いろんなことを想定し、考えなければならず、教科を横断的に思考する力が必要です。さらに、社会の課題に対して、問題を解決するビジネスプランは一つではない。考え方次第でよりよい方法となったり、実現できないプランになったりします。

 

その教科を横断的に思考する力をつけ、講義の内容の理解を深めるために、「試してみよう」というワークを用意しています。ワークでは、ビジネスプラン同様、正解の無い、問いかけをしています。高橋先生からの「問い」に対し、高校生が仲間とディスカッションすることで、いろんな考え方に触れたり、思考力を身につけるきっかけを用意しています。

 

 

■高校生に日本の未来を託してみませんか?

活力ある日本を創り、地域を活性化するためには次世代を担う若者の力が必要です。

 

もし、高校生や若手ビジネスパーソンが身近にいたら、ぜひこの講座を一緒に学んでほしいと思います。

そして、身近な課題を解決するビジネスプランを考えたり、話あったりしてみてください。「若い人ってこんなこと考えているんだ」と新たな一面に気付くきっかけになると思います。

 

もちろん、一般の方も受講可能です。

「ビジネスプランをつくってみよう」を一緒に学びながら、高校生の受講を応援してください!

 

「ビジネスプランをつくってみよう」
~日本政策金融公庫主催 創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ推奨講座~

講師:武蔵大学 経済学部 高橋 徳行教授
開講日:2015年6月2日(火)


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