グライダーの日記

グライダー関連の活動日記
工学院大学航空部の近況報告

3/18、20の妻沼滑空場

2012-03-22 15:48:26 | GLIDER
18日(日)と20日(火、祭)に首都大東京航空部妻沼合宿に参加してきました。
春分の日に合わせるように菜の花が土手の外側一面に咲いています。

18日は、あいにくの曇り空で視程不良のためしばらく滑走路で待機していましたが、午後から視程がよくなり発航開始。
しかし、雨が降り始めて数発上げて終了となってしまいました。
グライダーは、有視界飛行状態でないと飛べませんので、5km以下の視程で降雨があると飛べません。
発ソロを目前にしたA君は、またまたそのチャンスを逃してしまいました。

20日は、一転して快晴、微風、視程良好。
朝から綺麗な青空が広がって、北側の山々はよく見えて絶好のフライト日和となりました。1発目にテストフライトで上がり、飛行状態をチェックしていると、上昇風に遭遇。
毎秒1~2m/sで上昇、高度800mまで上がったところで止めて着陸。
その後、練習フライトを行いました。

この日の天気予報では、南風のはずでしたが、北よりで弱く吹いていて、サーマルの影響か風向きが安定せず、午後からピストチェンジするも待機する時間があったり、効率よく発航数を確保できませんでした。
この日の上空は、視程良好で終始上昇風が発生し、まずまずの好条件となり、飛行時間を制限しながらの練習となりました。でも、この時期としては、少し物足りない感じの状態ではありました。

発ソロを目前にしたA君は、風向きが安定せず、またまたまたそのチャンスを逃してしまいました。しかも合宿もこの日までで、次回合宿に…。
発ソロ実現には、実力はもちろん運も必要です。誰かがそれと普段の行いが影響すると言っていましたが、後者の因果関係は不明です。

第一滑走路では、日大と中央大の対抗戦が行われていました。
我々は撤収日でしたので、早めに終了。

次の日曜日25日は、週末の天気が気がかりですが、関宿滑空場でJA2289を運航します。

妻沼と関宿滑空場は同じ利根川系河川敷にありますが、上流域にある妻沼と下流域にある関宿では、降雨後の水はけが大きく違います。昨年の3度の冠水の影響が残る関宿では未だに全面使用可能にはなっていません。毎週末の降雨の影響が大きくまた心配です。
妻沼は、多少の降雨ではその影響はすぐに解消され、水はけは良好ですが、長年ウインチ曳航を随時行っていますので、路面の平滑性が今一なのが難点。


<この日の練習>
体感による操縦
 グライダーは、前述したように有視界飛行状態で飛びます。動力が無いので、重力の分力で前進しながら空中を滑空します。つまり許容範囲内での姿勢で飛ぶのですが、この時の姿勢判断は外の景色(有視界)である「地平線」となりますが、ここで重要な要素があることを認識しなければ安全に飛ぶことはできません。その重要な要素とは、対気的に許容範囲にコントロール(操縦)することなのです。地平線だけを頼りに操縦すると大きな落とし穴に落ちることになります。
いつも、静穏で一様な空気内を飛ぶのであれば良いのですが、実際(自然界)の空中は、常に変化する空気魂内を飛ぶことになります。例えば、上下対流のない安定した空中であったり、上昇気流と下降気流が混在する不安定な空中であったり、急に風向きが変わっていたり、乱流状態だったり、その強弱を含めいろいろな空中があります。その中を的確なコントロール(操縦)で、許容範囲で目的に沿って機体性能をフルに発揮させることは、簡単ではありません。

対気的に機体の許容範囲内にコントロール(操縦)する一番の基本は、対気速度の管理です。
グライダーには、速度計が装備品として義務付けられていますが、この計器は動圧と静圧を取り入れて表示するので、タイムラグがありリアルタイムで表示されません。
上昇気流内に入ると、機体が持ち上がり速度が増します。下降気流に入ると沈下して速度が抜けます。
地平線を同基準にしていると、静穏気流内と上昇気流内や下降気流内では、同じ対気速度を維持することはできません。

初心者は、まず対気速度と対地速度の違いを理解することから始めます。

対気速度の判断は、一つに地平線、一つに風切り音、一つに体感、そして対気速度計表示です。
この四つを合わせて、はじめて対気速度をコントロール(操縦)できることになります。
この中で、一つ不安定なものがあります。それは地平線です。
風切り音と体感はリアルタイムで一緒で、タイムラグがあって計器標示が一緒となります。
したがって、地平線はあくまでも目安であることを認識して、練習することが重要となります。
最近の機体は、機密性がよくできていて、あまりこの風切り音が聞こえなくなってきていますが、「体感」はどんな機体に乗っても共通です。対気速度が80km/hと90km/hと100km/hでは、この「体感」が随分と違います。この違いが体感で認識できるようになって、始めて安全に飛行できるようになってきます。
体感とは、運動エネルギー感覚のことです。

曳航索を離脱したら、まず大体の姿勢位置を地平線を基準に合わせて、風切り音と体感を感じたら、速度計表示をチェックし所望の速度に合わせて、トリム調整を行ってから次の行動に移ります。地平線の基準は、座席の姿勢や重心位置、更に機種によって毎回違うものと認識して、あくまでも目安とすることです。

グライダーは、全身と全神経と全知識を使用して飛びます。
刻々と変わる状況内で、ベストフライトを目指すのがグライダーの操縦です。

グライダーは、体感で操縦せよ!

コメント
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