新 ・ 渓 飲 渓 食 時 々 釣 り

魚止滝のずっと手前で竿をほっぽり
ザックの中身をガサガサまさぐる男の日記

乗り鉄ひとり旅も楽しんでいます

大人になったら、したいこと・・・ひたちなか海浜鉄道

2013-11-29 09:23:21 | 旅行、食い歩き

翌日、茨城の勝田からひたちなか海浜鉄道に乗り、終点の阿字ヶ浦で下車。新しい駅舎になり今はもう役目を終えた改札の向こうにはアニマル柄の車両。地元の子供たちによって描かれた可愛いイラストをたくさん見ることが出来ました。乗客は僕ひとり、陽だまりの車内はあったかくて気持ちよかったな。 

  

   

駅周辺を散策します。坂道を下ると広い海原の風景。この海も津波の被害を受けたそうです。白いワンコにカメラを向けるといきなり吠えられました。鎖が意外と長く危うくガブガブされるところでした。このあたりは干し芋の産地です。全国の80%もの生産量があるそうです。どこか購入できる商店があるか地元のおじいちゃんに尋ねると、生産農家の方々に直接声を掛けていただけました。残念ながら時期が少し早かったようですが、おじいちゃんや農家の方々の優しさに触れられ、とても嬉しい思いをさせていただきました。幼少の頃に薪ストーブで焼いた干し芋には父の思い出が詰まっているのです。 

   

帰りは途中駅下車し那珂湊鮮魚市場をのぞきました。魚貝類の並ぶ市場の雰囲気って大好きです。メヒカリのフライを食べられる食堂を探しましたが見当たらなかったので生牡蠣をひとつだけ食べました。 夏に金沢の酒場で食べた牡蠣の美味さがいまだ脳ミソに焼きついており、そんじょそこいらの牡蠣ではどうにも感動できなくなってしまったようです。

   

友人N君に電話すると今晩付き合ってくれるとのこと。勝田駅前の通りには目ぼしい居酒屋もなく少々残念に思いきや・・・あったんです。さすがは有人N君、僕の好みがわかってらっしゃる(^-^)  キムチ味の煮込み、焼鳥、おかみさんお手製漬物・・・昨日は肉にふられっぱなしだったので、この焼き鳥の美味いのなんのってったらありゃしません♪ 店を変え次は魚系居酒屋へ。初めて訪れる街は上辺だけで判断してはならないのだと友人N君に教えられた、そんな楽しいひとり旅最終日でした。

どうもご馳走様でした。このお店にまた連れてってねっと。

   

今年のひとり旅、おしめーです。。

 


大人になったら、したいこと・・・肘折温泉編

2013-11-27 09:13:07 | 旅行、食い歩き

翌日も日本海側のダイヤは乱れていましたが、幸い内陸方面への電車は時刻通りの運行がなされておりました。羽越本線余目直通の陸羽西線新庄行きはぽつりぽつりと学生が乗っているだけ。

車窓には最上川の流れと刈り入れを終えた田園がひろがっています。コンバインの轍跡は正確な直線を刻み、その先にはてっぺんに雪を纏った高い山々・・・ローカル線に似合い過ぎる風景が続きます。冬将軍の居座る極寒、こうべを垂れる稲穂、すべての季節にまた訪れてみたいと思いました。

新庄から路線バスに揺られること1時間、終着で降りたのはちいさなおばあちゃんと40前後の女性の3人だけ。昨年の土砂崩れで道路は寸断されており臨時で設置された急階段を降りなければ今日の目的地にはたどり着けません。おばあちゃんの手助けをしながら階段を下りると、その女性もさりげなくおばあちゃんの荷物を持っていました。息子と孫が旅行をプレゼントしてくれたんだと嬉しそうに話してくれたおばあちゃんの笑顔が幸せそうでした。

その温泉街はひっそりと静まり返っていました。親指の腱鞘炎がすこしでも楽になればと選んだのが山間の湯治場、肘折温泉です。派手さの無い昔のまんまのこの雰囲気にすぐ和んでしまいました。まずは蕎麦屋で一杯。蕎麦湯割りに山葵を溶かせて啜ると一瞬ツンとひびく刺激のあとの蕎麦の香りがいっそうひき立つのです。店自慢は冷たい鳥そば。出汁に鳥の甘みが相まって、コクがあるのにくどくなく、蕎麦はコシと香りが強い田舎風の太いもの・・・絶品でした。

  

     

    

 

今夜の宿は通称“金魚の宿” 家族で営む小さな宿です。皆さんであたたかく迎えてくださいました。その日の宿泊客は誰もおらずに風呂はいつでも入りたい放題とのこと、さっそくひとっ風呂いただきます。金気臭漂うにごり湯です。壁に埋められた水槽の中でひらひらと尾っぽを振りながら泳ぐ金魚を見ながらの入浴はなかなか楽しいものです。特に気に入った一匹にユウリさんと名前を付けてあげました。その由来は幽体離脱ごっこが得意だから♪ 

  

  

夕食には山の幸が並びました。芋煮とコシアブラの和えもので酒もすすみます。が、満腹感もハンパなく岩魚のムニエルとフライを残してしまいました。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

この宿はふたつのお風呂があります。それぞれ源泉が違いこちらの岩風呂でもゆったり湯治気分を味わさせていただきました。寒い季節の温泉はたまんないべさねぇ~♪

夜中にまたどしゃ降りになりました。もの凄い雷に何度も起こされてしまいました。

   

旅は早起きに限ります。6時、温泉街にチャイムが流れると肘折温泉名物朝市の始まりです。夜も明けきらぬうちから暗い路地にはたくさんの露店が開かれていました。雨の中暖もとらずにたくさん着込んだだけのばっちゃん達は元気そのものです。11月末までこの朝市は毎日催されるそうです。ばっちゃん、もうすぐだから、もうちょっと頑張ってね。雑キノコ、赤蕪のおしんこ、ちまき、紫蘇の実塩漬け、切干大根など、それぞれのばっちゃんのところで一品ずつ買わせていただきました。お客は数人しかおらず、その中に昨日バスで一緒だった女性の姿がありました。この方は1週間も湯治で滞在されるとのこと。朝市で食材を買い自炊するのが楽しいのだそうです。すっかり良くなって帰られることを願いました。旅先で初めてお会いする方々の笑顔は旅の思い出になります。

朝ごはんでちょっとしたアクシデント発生。ヨーグルトに添えられたサクランボをガリっと噛んだところ種が割れて口の中をざっくり切ってしまい血が噴き出しているのがわかりました。その後も血は止まらず洗面所で吐き続けました。傷口を圧迫しやっと血の勢いがおさまりましたが、致命傷にならなくて良かったです。サクランボで僕は死にたくありませんから。

小雨の中、朝の散歩を終えてから宿にさよならをしました。挨拶で口を開いた時に口角から血がだらりと流れちゃったものだから宿の女将さんが僕を指差し、「血ぃ~、血ぃ~!」と慌てさせてしまいました。

山間の湯治場、肘折温泉。またしても素晴らしい温泉に出会ってしまいました。

   

  

帰りのバスでは年配の紳士と仲良くなりました。これから酒田に遠征だとのこと。目的は僕が訪れた酒場だとのことで得意げに話をしてしまいました。何が一番のおすすめかと尋ねられ、「地元の人情!」と人生最大級のキザなことを言ってしまった後、会話はしばらく途絶えてしまいました。バスが情緒ある酒蔵を通り過ぎる時に、「ここが東北で一番古い酒造ですよ」と絹という銘柄を見せてくれました。絹・・・いつの日か・・・・・・

新庄駅のギャラリーで子供たちの絵のコンクールがありました。小学一年生の描いたこの絵が僕の中での金賞です。

山形は蕎麦の名産地です。しかしとて血を流したぼくにとって今は蕎麦など興味ありません。血だ!血をくれ!ならば肉!ああ肉肉肉!!!肉と言ったら米沢牛。ということで米沢駅で衝動下車。それなのに、ああそれなのにお財布に優しいお店は一軒もありません。そこで大衆食堂の入口に見つけた『米沢牛スジ煮込み』の張り紙。米沢牛ならなんでもかまわない、肉だ肉を食わせろ、肉を食うならいつ?今でしょ!と店内に飛び込み注文するも、「これから煮込むのよ、ひゃっひゃっひゃっ!」とおばあちゃん。ガ~ンガ~ンガ~ン・・・血の気が失せていきました。しかしここで食べた冷やしラーメンは実にうまかった。次はこの食堂で煮込み+餃子+ビール+酒 〆めに冷やしラーメンだべさねぇ~♪ 

   

どの駅にも貼ってあった映画のポスター。きっとおしんは“かあちゃ~ん” と叫んでいるのでしょうが、僕にはどうにも “同情するなら金をくれ!”と言っているように見えて仕方がありませんでした。同情するなら肉をくれってか。

も一回続く 

  


大人になったら、したいこと・・・酒田編

2013-11-26 09:05:04 | 旅行、食い歩き

日本海側に停滞した低気圧の影響で天候は荒れに荒れていました。新潟発秋田行き特急みずほは運休を決め、代行バスで目的地を目指します。防音壁で囲まれた高速道路の風景は実につまらなく、それでもほんのひとときだけ海沿いの道を走行した際に見えた景色は、まさに冬の日本海でした。

数年前に起きた特急いなほの悲惨な脱線横転事故では尊い命が奪われました。この路線の旅人はそのことを忘れてはいけないと、自分なりに手を合わせ荒波を眺めていました。

本当は津軽海峡を渡る旅になるはずでした。特別な想いを抱き続ける離島があるのです。しかしこの悪天候では諦めざるをえません。いつの日か、きっと・・・思いを馳せます。

急遽変更した旅ですが、笹川流れの絶景、羽黒山古道、加茂水族館など以前から訪ねてみたい場所はたくさんあります。が、それすら叶わぬ旅になりました。

ひとり旅の極意は、あきらめも肝心だということ。思うように行かない旅ですら楽しい思い出に残すこと。雨風にへこんだまま旅を終わらせてしまったら、それこそもったいないと思うのです。 せっかくの旅だもの、俺よ、もっと高揚しろ。

  

 

正午前に酒田駅トウチャコ。 悪天候のはざまを狙い歩きだします。勘を頼りに宿を目指すも・・・僕の方向音痴は自慢モノ、あっという間に迷子になりました。いきなりの突風に傘がピャア~と壊れ鮮魚店の軒先で雨宿り。炭火で焼かれる魚にそそられ思わず店内へ。遠火でじっくり燻されたこの香りに心が動かぬ酒呑みはいないと思います。部屋呑みの肴にハタハタ田楽と塩焼きを買い、ついでに宿までの道を訪ねますが・・・しししまった、初めての山形弁です。人の良いおじいちゃんが丁寧に教えてくださるのに、それなのに、ああそれなのに、僕ったらまったくのチンプンカンプン。そこで書いていただいたのがこの地図。なんとか聞きとれたのが、「赤いトコが神社だぁ、ココさコッチいってココ曲がってコッチさ行けば旅館の近くに行ける・・・はずだ」 少しだけ交わせた会話は、おじいちゃんもその昔は修学旅行で鎌倉、江の島へ来たことがあるとのこと。それだけでなんとなく嬉しい気持ちになれました。この鮮魚店のおじいちゃんと話せたことは間違いなく旅の思い出になります。どうもありがとうございました。

地図を片手に歩きだします・・・むむぅ、現在地が書いていなかったのでやはり迷子は続きました。でもこの地図は大切に持ち帰りたいと、そう思いました。

 

 

ずぶ濡れて宿にトウチャコ。なんとも風情のある旅籠です。黒光りの廊下の先には狭く急な階段がありそれを三階までのぼると大正の時代から修復を入れぬ空間が僕を待っていました。四畳半二間続きの特別の部屋の風情はものすごい・・・いや、風情を通り越し、実は怖いです。枕元に飾られた日本人形、丸窓、そして化粧鏡・・・付けていないはずのテレビにいきなり井戸が現れ白い着物を纏った異様に長い黒髪の女が這いずり出てきたら・・・櫛で髪をすくいるはずのない女が化粧鏡に映ったら・・・だめだ、こここわい。俺よ、もっと高揚しろ。

   

   

 宿の御主人におすすめの昼メシと酒屋を聞きます。酒田に来たらラーメンは外せないとのことで近所の人気店を教えていただきました。いっそう増した雨風の街中を歩く人影はありませんが店内は満員状態。どの客もすすっていたワンタンメンを注文。相席のおばあちゃんは週に2回はこのラーメンを食べるのだと話してくれました。お歳はなんと90歳。白コショウをたっぷり振り掛けるとおいしいんだよと教えてくれました。あっさりつるつるワンタンメンが冷えた体に沁み込んでいきます。昔は好きだった作家のサインが可愛らしくて目にとまりました。

その酒屋は百年以上の歴史があります。お店のおばあちゃんも90歳を超えているとのこと。酒田のおばあちゃんは皆お洒落で元気印です。おすすめの地酒を買うと、「隣はうちの酒場だから夜にまたいらっしゃい」と言ってくれました。写真を撮らせてほしいとたずねると、こころよく笑顔をくれました。おばあちゃんに出会えたことも、旅の思い出になります。この街に似合い過ぎる、それは素敵な酒屋です。

   

部屋でひとり呑みです。肴はもちろんおじいちゃんの鮮魚店で買ったハタハタ。腹からかぶりつく、プチプチネバネバのブリコは冬の日本海の旬の味。骨離れの良い身の甘さと田楽の香ばしさ。塩焼きには甘さと微かに苦いコク深い味の白子。酒はおばあちゃんおすすめの『上喜元』 庄内の地酒です。こんなにもふんわりと上品な酒は飲んだことがありません。

相変わらずの猛烈な風は本気で部屋を揺すぶるり、時折雨は雹へと変わりトタンと石瓦を容赦ない大音量で打ち付けてきます。それでも、もう怖さは感じません。 俺、すでに高揚ナウ♪

宿の夕食は豪華です。白身・烏賊・鯵刺し、鰈塩焼き、いくら、豚しゃぶ、きくらげとたらこ和え、あら汁、蕪酢漬け・・・うまい!うまいぞ!!ご飯も酒もすすまぬわけがありません。しかしとて、ここはぐぐっと我慢し腹七分目で箸を置きます。

 

旅人には果せば成らぬ野望があるのです。それはおばあちゃんの酒屋の隣の暖簾をくぐること。

酒田の中町には呑屋が点在します。雨にあらわれた路上に投射する酒場の灯りが艶を醸します。午後7時の店内には地元の言葉が飛び交っておりました。よそ者が太刀打ち出来るのか・・・この緊張感がたまらないのです。

入口近くに席をとります。コの字カウンターはガラスケースになっており煮魚、焼き魚を目下に見えるようになっています。壁には庄内の銘柄が所狭しと貼られ、まず驚かされたのはその値段の安さです。純米吟醸にもかかわらずどの酒も500円から600円までの設定に思わず僕は上機嫌。女将さんの対応も気持ちよくすぐに注文が通ります。よそ者のひとり酒にとっては、こんなことでも嬉しいのです。

隣の席の常連が帰ったあたりから、場に馴染めるようになりました。地元の方々が話しかけてくれるのが嬉しかったです。青森からいらした若いご夫婦は茅ケ崎に遊びに行ったことがあると話してくれました。サザンが好きで烏帽子岩を見た時には感激したそうです。酒場巡りが趣味で酒場放浪記でこの店を知ったとのこと。確かに壁には吉田類さんの写真が飾ってありました。聞けばまったく日本語を話せない海外からの客もくるようです。

「さっきまでほっといて悪かったけど、隣の人と話してたから・・・」と地元の方が言いました。どうやらその常連は皆から好感をもたれない方のようで、僕はそのイチミだと思われていたようです。あぶねーあぶねー!

それからけっこうな酒を呑みました。『上喜元』『麓井』『菊勇』『初孫』・・・あとは、覚えていませんが、とにかくどのお酒もそれぞれに特徴があり、その特徴すべてが心地良く、山形は庄内地方の酒の凄さを思い知らされた気分でした。ちなみに、料理は〆鯖ともろきゅうと、あと一品頼んだのは覚えていますが、それが何だったかを思い出させてくれたのは翌朝のゲップの匂いでした。むむぅ、餃子か! ちなみにちなみに、なぜかデジカメには僕が写っている画像が残されていました。誰かいじくってくれやがりましたね♪ 

和醸良酒・・・昔から酒蔵に伝わる言葉です。蔵人の酒作りに対する思いを込められた言葉ですが、良い酒は和を醸すという意味もあります。良い酒は呑み人の心をも和ませるのです。

  

酔っても、やはりちょびっと夜が怖かったです。どうか襖の向こうでヘンな影が揺れませんように・・・ 

翌朝、小雨の中を散歩しました。酒田が映画『おくりびと』 のロケ地だったことを初めて知しました。山居倉庫、鮮魚センターなど観光地はまわれませんでしたが、ごく街中にも心ひかれる風景がたくさんありました。

宿のご夫婦も本当に素敵な方でした。お世話になったことも思い出になります。食事、本当に美味しゅうございました。

酒田、また来ます。今回は寄れなかった目当ての場所が、まだあるのです。

   

  

  

 

続きます 


忘年会のお知らせ

2013-11-07 14:40:44 | その他・・・

こんにちは。

街で忘年会の企画です。 

カイチョー タイチョー ジューチン ×ありリーダー ほか皆々さま 久しぶりに集まりませんか?

今のところ6人の世附人が参加表明されております。

気軽に連絡いただけると嬉しいです。

よろしくです。

 

 

場所  町田いくどん本店

日時  12月8日(日) AM11時から 

会費  てきとー