早朝の八王子駅、電車待ちのK田博士と僕。 K「おい、酒とツマミ買ってこい」 僕「え~、朝の一便に行きたいんだけど。それにまだ売店開いてないし・・・」 K「テメエの〇ンコなんざぁどおでもいいんだよ。開いてなきゃ無理にこじ開けてでも買ってこい」 僕「ひ、ひぃ~」
この駅を始発とする松本行普通列車は朝の一本だけです。4人掛けボックス席を確保するとさっそくK田博士が酒を手にします。 僕「せっかくの電車旅なんだから、もっと景色が良くなってからにしようよ」 K「んだと?、俺は今呑みてえんだよ」 僕「ひ、ひぃ~」 K「ったく、しけたツマミだな。酒もこれじゃ足りねえぜ」とK田博士は一気にチュウハイを呑みほし僕のカップ酒まで横取りしてしまいました。
「わっはっは、たまにゃ電車も悪くねえぜ」と上機嫌のK田博士でしたが、朝酒にすっかりと酔っ払ってしまい小淵沢の駅蕎麦ではせっかくの美味しい鶏からあげそばをゲゲゲェ~ッと吐き出すは、美人の売店員には「ねえちゃん、旦那に知られたくなかったら俺の言う通りにしたほうが身のためだぜ」と脅すは、まったくもって非道な男です。
K「酒がたりねえんだよ、テメエもっと買ってきやがれ」 僕「呑み過ぎだよ、もうやめたほうがいいよ」 K「んだと?暴れるぞテメエ」 僕「ひ、ひぃ~」 結局はにごり酒、ワイン、カップ酒、ビールを買わされJR小海線に乗り換えます。酒を手に入れたK田博士はまたもやの一気飲みで崩壊寸前。この小海線は高原列車として人気の高い路線なのに、それなのに、ああそれなのに、素晴らしい風景には目もくれずにブツブツつぶやいています。たまに目が合うとそれは恐ろしい眼つきで、「なに見てやがんだよ?殴るぞテメエ!」 僕「ひ、ひぃ~」
信濃川上駅で下車。なんとも風情のある山間の田舎の駅舎です。駅前から村営バスに乗り換えると千曲川沿いにレタス畑がひろがっておりました。なんてのどかな風景なのでしょう。きっとK田博士も気に入ってるはずと思いきや・・・相変わらず殺人的な視線を僕に向けておられるのでした。 ひ、ひぃ~!
30分ほどで目的の停留所に到着。コンビニでまたまた酒を追加し日釣り券を購入するとさっそく川沿いで釣りの身支度。さすがのK田博士もご満悦の様子です。K「俺はこの千曲減流域が一番好きな釣り場なんだ。まさか電車とバス乗り継いで日帰りできるなんて思ってもいなかったぜ」 冷えたビールを飲みながら千曲の風景にほころんだK田博士のお顔がどこか変です。僕「あれ?モミアゲないよ?」 K「おおよ、流行りのテクノカットだぜ」 僕「アゴも長いけど?」 K「俺のアゴはジャックナイフだぜ」・・・意味不明のK田博士です。
こんなに酔っても釣り師は釣り師、一旦竿を振りはじめると神経すべては川の中。積極果敢に深場に突入しポイントを狙っています・・・と思ったら、根掛かりした毛ばりを回収する際に、ただ沈しただけでした。 K「冷たいよぉ、パンツまでグッショリだよぉ、着替え持ってきてないし、帰りどうするんだよぉ、スマートフォンも水浸しで起動しないよぉ、これ高かったんだよぉ、うぇ~んえんえん」 K田博士はチ〇を冷やすと途端に気弱なイイヒトに戻ってしまうのです。
支流の川石の色は黒茶けてあまり良い渓相ではありません。堰堤から脱渓し上流へ移動。バックウォーターから再度入渓すると、やっと千曲減流っぽい渓相に出会うことが出来ました。一番食いの立たない昼の時間ですからさほどの釣果はありませんでしたが、それでも7寸クラスのイワナとそこそこ遊ぶことが出来ました。ただ、ビレビレでしたが・・・
上流には公共の宿泊施設があり安価でロッジ利用もできるそうです。来季は一泊で焚き火なとしながらまったりしに来たいと思います。どなたか一緒しませんこと?
4時間ほどで脱渓。K田博士がNyo-の最中、多摩ナンバーの車に見られちゃったので、「テメエ、我が聖水で洗車したろかコノ!」とチンカラ竿を振りまわしておられました。
千曲川源流の里『川上村』は高原野菜の他に川上犬も有名です。川上犬とは秩父山麓の山犬が猟師によって飼い慣らされたとの言い伝えがあり、その野性的要素の残る魅力あふれる和犬です。戦時中には軍の撲殺令等により絶滅の危機にひんした時期がありましたが、村人の努力により絶滅はまのがれたそうです。現在では3百数十頭まで生息数をのばし、村内の川上犬の中でも容姿や血統の優れた犬は長野県天然記念物に指定されその血筋を継承すべく川上犬保存会により守られるようになりました(川上村HPによる) ニホンオオカミの子孫との一説もあるようです。僕はこの川上犬に惚れ込んでいます。が、この川上村で見る川上犬だからこそ凛々しくもカッコイイ川上犬であるように思います。川上犬は“我が家の可愛いわんちゃん”ではいけないのです。飼い主以外には決して懐かずどんどん吠えるどんどん噛みつく日本犬の中の日本犬であって欲しいのです。
16時10分発村営バスで帰路につきました。小海線、中央本線ともに乗り継ぎがよくJR町田駅には21時前に到着。K田劇場〆の店は、やはりこの焼き肉店しかないでしょうね!
禁漁まであと少しです。そろそろ気持ちを世附に向けましょうかね。
※ 本文と添付写真の一部には嘘が含まれております