幣舞橋を渡った先の「南大通」から分かれる小路。
一見普通の生活道路ですが・・・、
「武富私道」と名前が付いています。
どういう道なのでしょうか・・・。
いきなり写真が夏から冬(3月なので初春か)になり申し訳ありません。
ここは、かつて「久寿里(クスリ)場所」の漁場持にして、釧路の開拓に大きな足跡を残した「佐野孫右衛門」の功績を称える「佐野碑園」に近い場所ですが、その佐野家が没落した後、新たに漁場の権利を買収したのは、佐賀県出身の「武富善吉」という人物でした。
武富善吉は、明治40年(1907年)、千葉県の「津田沼商工銀行」を買収して「釧路銀行」を創設するなど、産業経済界の重鎮となり、釧路の開発に多くの足跡を残しています。
写真のこの辺りには、かつて、善吉の本邸敷地内に勧請された「武富稲荷神社」という神社がありました。
自宅の敷地内に稲荷神社を勧請できるほどという、ちょっと想像がつかないような有力者であったということなのですね。
再び季節は夏に(すみません一回でできなくて)。
武富善吉の釧路における足跡と、その本邸が存在したことによる「武富私道」(現在は「武富小路」)の由来が刻まれています。
「佐野碑園」と比べるとあまり知られていないのかもしれませんが、釧路の歴史の礎となった「米町」地域にある、釧路の歴史散歩をする上では欠かせない場所ということで、今後も語り継がれていくとよいなと思います。
(「武富小路」はこちら)