平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒15 「声なき者~突入」~彼らは自分の意思と尊厳を持つひとりの人間です!

2017年02月09日 | 推理・サスペンスドラマ
「彼らは自分の意思と尊厳を持つひとりの人間です!」
 右京さん(水谷豊)の言葉だ。

 そうなんだよな~。
 <健全な家庭を守る会>に象徴されるウルトラ保守は、戦前のような家族が大好き。
 家父長制で、<妻は夫に従い、家庭を守り、子供を国家のために役立つ人間になるように育てろ>というのが彼らの主張。
 ほんとうに気持ち悪い。
 冠城(反町隆史)の知り合いの女の子に言わせれば、「いつの時代の人?」
 彼らにとって大切なのは<個人の意思や尊厳>よりも<国家>。
 そして自分の価値観を押しつけてくる。

 で、現在は日本会議とか、こういう戦前回帰の連中がウヨウヨ湧いてきている。
 安倍内閣の中にも、日本会議のメンバーがいる。
 ………………

 ドラマとしては、上の命令を無視し、いろいろな理由をつけてギリギリまで突入しない<現場刑事の意地>がよかった。
 最初に書いたことにも関連するが、伊丹(川原和久)たちにあるのは<組織の論理>ではなく<個人の意思>。
 もちろん彼らは警察組織の人間だから、一応その論理や命令に従う。
 だが、いったんそれが違うと思えば、自分の論理で行動し、さまざまな形で抵抗する。
 冠城も権限もないのにパトカーのマイクを奪って「突入中止。突入中止!」

 右京さんと犯人の駆け引きもよかった。
 電話を介して右京は犯人と戦っている。
 右京の説得が勝つか? 犯人の強要が勝つか?
 新堂司(田中偉登)の心を動かすのはどちらか?
 犯人と対峙したときは、捜査令状が出ているというハッタリをかまして、司の母親の監禁場所を聞き出した。
 おまけに警察が突入したら司が自殺してしまうというタイムサスペンス付き。
 そしてラストは、大物・警視監の山崎哲雄(菅原大吉)への宣戦布告→劇場へ。

 逮捕された司の取調室での涙もよかった。
 母親と妹を守るために孤独な戦いをしていた司。
 敵は警察庁も関わる巨大な組織で、「母親の命を救うために自殺しろ」と強要してくる。
 そんな張り詰めた心が一気に崩壊して、あふれ出た涙。
 <健全な家庭を守る会>は、司の母親をダメな母親と否定したが、司のような、やさしくて自分の頭で考える子供を育てた彼女は実に立派ではないか。
 
コメント (11)
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