平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第26回「瓜売」~いくさなどをせずに、みんなで楽しく過ごせばいいんだよね

2016年07月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 名護屋城でのやつし比べ。
 秀吉(小日向文世)と昌幸(草刈正雄)が同じ〝瓜売〟で被ってしまう(笑)
 しかも昌幸の方が上手!
 このままでは太閤殿下の面目丸つぶれ!
 周囲は昌幸に「下手にやってほしい」など、いろいろ要望を出すが、昌幸は「真田ここにありと見せつけるいくさ」とやる気満々(笑)
 苦肉の策として、「殿下におのれの芸の未熟さを知ってもらいたい」と、昌幸が〝瓜売〟を秀吉の前で演じるが、秀吉は「阿波守も瓜売をやるのか? お主には負けんぞ」(笑)

 ドタバタ喜劇である。
 絶対的権力者の顔色を見て右往左往する人間の姿を風刺している。
 同時に脚本の三谷幸喜さんは次のようなことを語っているような気がする。
<朝鮮出兵などをせずに、みんなでこんなふうにして楽しく過ごせばいいのに>
 朝鮮出兵の理由として、秀吉は「人は仕事がなくなると余計なことを考える」という理由をあげた。
 仕事で忙しくしてエネルギーを奪ってしまえば、謀反など企まないというわけだ。
 だが、それが理由なら、別に<戦争>でなくても<やつし比べ>でいいわけで。
 その方がみんなが楽しいし、仲良くなれますし、人も死にませんし。
 人はどうして戦争をするんだろう?
 ただ楽しく遊べばいいのに。
 二度目の引用になるが、昌幸だって言っている。
「真田ここにありと見せつけるいくさ」
 <戦争>と<やつし比べ>は同じものなのだ。

 ドタバタ喜劇は他にも。
 信幸(大泉洋)は加藤清正(新井浩文)と本多忠勝(藤岡弘、)のふたりに宴に誘われて右往左往。
 清正も忠勝も暑苦しいからなぁ。
 おでこをくっつけて酒や女性の匂いに気づかない忠勝でよかった(笑)
 きり(長澤まさみ)と父・高梨内記(中原丈雄)は、きりが側室になる件をめぐってこんなやりとり。
「どこの馬の骨ともわからぬやつに娘をやれるか! 関白殿下ならまだしも!」
「その関白殿下なのです!」(笑)

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 一方、これら喜劇パートの裏には暗い影も。
 秀頼が生まれて、関白・秀次(新納慎也)は「太閤殿下に嫌われたら、この国では生きていけないのじゃ」
 秀吉も<朝鮮出兵の失敗>という現実を冷静に見ていて、「もう、とっくに士気など下がっておるわ」
 光ある所には陰がある。

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 女性たちはたくましいですね。
 政争に翻弄されて苦悩する秀次をきりはやさしく抱きしめる。
 これで、きりは人間として深くなりましたね。
 実に味わい深い人物になった。
 そんなきりと入れ替わりに登場したのが春(松岡茉優)。
 これからはきりの役割を春がやる?

 お婆様(草笛光子)は遺言を残して大往生。
「たとえ離ればなれになっても心はひとつ。真田の家を、この地を守り抜け」
「人は定めをもって生まれてくる。おのが定めに気づくか気づかぬかじゃ」
「婆は見ているぞ、怠るな」
 信繁と信幸は、真田の家を守るため、自分の定めに従って生きていくのだろう。

コメント (2)
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