(原題:THE RINGER)
「これは聞きしに勝る超ヤバ系の作品だったね。
きちんと話さないと誤解されかねない」
----なによ。そのヤバ系って?
「これまでのハリウッドの映画常識ではありえないタブーに挑戦しているんだね。
あるひとりの金に困った男スティーヴ・パーカー(ジョニー・ノックスヴィル)が、
スペシャル・オリンピックス(知的発達障害者オリンピック)に不正出場しようと企む。
それも五種競技で6度の金メダルに輝くチャンピオン、ジミーに勝てば、
ジミーが敗北する方に賭けている
彼の叔父ゲイリー(ブライアン・コックス)がもうかる……という、あきれた理由から。
かつて陸上で活躍した経験を持つスティーヴならば
チャンピオンに勝てるだろうという、その発想も傲慢ならば、
スペシャル・オリンピックスにまぎれこむため
知的発達障害者に成りすますというのも罰当たりだ」
----ちょっと待って。
その映画、本当にハリウッドのものなの?
確か、若者が知的障害者になりすます映画は
ラース・フォン・トリアーが『イディオッツ』で撮っていたよね。
「あ~あ。あれはフェイク・ドキュメンタリー。
たとえばプールで真っ裸になって、
そのときの周囲の反応をカメラに収めたり、
レストランの食い逃げから、果ては乱交まであった。
これはそういう眉をしかめるタイプの映画ではなく、
なんと子供も楽しめるコメディに仕立てている」
----本当?にわかには信じられニャいなあ。
クレームが出そうなものだけど…?
「クレームが出るどころか、
スペシャル・オリンピックスの会長そのものが
製作総指揮を担当しているんだから驚いちゃうよね。
でも映画を観たら分かるけど、
知的発達障害者のアスリートたちがなんとも楽しい。
生まれついてのコメディアンという感じなんだ。
映画は、彼らアスリートの前でスティーヴが素の喋り方に戻り、
<偽物>とみんなにバレてしまうところから大きく動き出す。
時間こそかかったものの、
スティーヴの目的を
おぼろげに理解した彼らは
さっそくスティーヴの特訓を開始。
高慢ちきなジミーを引きずり下ろそうというわけだ。
そこに、スペシャル・オリンピックスのボランティア、
リン・シェルダン(キャサリン・ハイグル)への恋が絡んで、
話に広がりが出てくる。
リンには婚約者がいるんだけど、
その男が一見、好青年。
でも一皮剥けば実は……という設定なんだ」
----ふうん。でもやはりぎりぎりのところを行ってそう。
「うん。
最初、主人公が知的障害者に成りすますために
『レインマン』『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの
ビデオを研究しているときはどうなるかと思った(汗)。
でも意外に観終わった後はさわやか。
その描き方は潔く、清々しくさえある。
アスリートたちを演じるのは、
知的発達障害者もいれば、そうでない人も…。
製作のピーター・ファレリーは『カッッコーの巣の上で』を意識したようだ」
---えっ、ファレリー兄弟が関わっているの?
ニャるほど納得。
彼らならタブーに挑戦するのも分かる気がする。
「そう、彼らならではのアプローチ。
これも近々話そうと思っているんだけど、
たとえば
『ヘレンケラーを知っていますか』という盲聾者の日本映画がある。
これは身体的障害者の心の内と、
それを取り巻く社会を描いたもの。
その中で金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』が引用される。
『みんなちがって、みんないい。』------
『リンガー』はコメディではあるけれども、
この精神は、よく出ていたと思うよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ハリウッドのモラル壊したニャ」
※『ダーティ・ダンシング』も出てくる度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
「これは聞きしに勝る超ヤバ系の作品だったね。
きちんと話さないと誤解されかねない」
----なによ。そのヤバ系って?
「これまでのハリウッドの映画常識ではありえないタブーに挑戦しているんだね。
あるひとりの金に困った男スティーヴ・パーカー(ジョニー・ノックスヴィル)が、
スペシャル・オリンピックス(知的発達障害者オリンピック)に不正出場しようと企む。
それも五種競技で6度の金メダルに輝くチャンピオン、ジミーに勝てば、
ジミーが敗北する方に賭けている
彼の叔父ゲイリー(ブライアン・コックス)がもうかる……という、あきれた理由から。
かつて陸上で活躍した経験を持つスティーヴならば
チャンピオンに勝てるだろうという、その発想も傲慢ならば、
スペシャル・オリンピックスにまぎれこむため
知的発達障害者に成りすますというのも罰当たりだ」
----ちょっと待って。
その映画、本当にハリウッドのものなの?
確か、若者が知的障害者になりすます映画は
ラース・フォン・トリアーが『イディオッツ』で撮っていたよね。
「あ~あ。あれはフェイク・ドキュメンタリー。
たとえばプールで真っ裸になって、
そのときの周囲の反応をカメラに収めたり、
レストランの食い逃げから、果ては乱交まであった。
これはそういう眉をしかめるタイプの映画ではなく、
なんと子供も楽しめるコメディに仕立てている」
----本当?にわかには信じられニャいなあ。
クレームが出そうなものだけど…?
「クレームが出るどころか、
スペシャル・オリンピックスの会長そのものが
製作総指揮を担当しているんだから驚いちゃうよね。
でも映画を観たら分かるけど、
知的発達障害者のアスリートたちがなんとも楽しい。
生まれついてのコメディアンという感じなんだ。
映画は、彼らアスリートの前でスティーヴが素の喋り方に戻り、
<偽物>とみんなにバレてしまうところから大きく動き出す。
時間こそかかったものの、
スティーヴの目的を
おぼろげに理解した彼らは
さっそくスティーヴの特訓を開始。
高慢ちきなジミーを引きずり下ろそうというわけだ。
そこに、スペシャル・オリンピックスのボランティア、
リン・シェルダン(キャサリン・ハイグル)への恋が絡んで、
話に広がりが出てくる。
リンには婚約者がいるんだけど、
その男が一見、好青年。
でも一皮剥けば実は……という設定なんだ」
----ふうん。でもやはりぎりぎりのところを行ってそう。
「うん。
最初、主人公が知的障害者に成りすますために
『レインマン』『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの
ビデオを研究しているときはどうなるかと思った(汗)。
でも意外に観終わった後はさわやか。
その描き方は潔く、清々しくさえある。
アスリートたちを演じるのは、
知的発達障害者もいれば、そうでない人も…。
製作のピーター・ファレリーは『カッッコーの巣の上で』を意識したようだ」
---えっ、ファレリー兄弟が関わっているの?
ニャるほど納得。
彼らならタブーに挑戦するのも分かる気がする。
「そう、彼らならではのアプローチ。
これも近々話そうと思っているんだけど、
たとえば
『ヘレンケラーを知っていますか』という盲聾者の日本映画がある。
これは身体的障害者の心の内と、
それを取り巻く社会を描いたもの。
その中で金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』が引用される。
『みんなちがって、みんないい。』------
『リンガー』はコメディではあるけれども、
この精神は、よく出ていたと思うよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ハリウッドのモラル壊したニャ」
※『ダーティ・ダンシング』も出てくる度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
『ヘレンケラーを知っていますか』という作品も、気になります
『奇跡の人』のような話なんでしょうか。
『イディオッツ』とまるで違う平和な世界に、どれだけホッとしたか・・・
ところで、gooブログ、絵文字が増えましたよね。
笑った度
>『ヘレンケラーを知っていますか』という作品も、気になります
『奇跡の人』のような話なんでしょうか。
そうです。まさにそのとおりの映画でした。
ただ、ヘレン・ケラーと違っているのは、
主人公が思春期を超えてから発病していくこと。
しかも一度にではなく、二段階に病魔に襲われます。
ぼくは知らなかったのですが、
これは実話だそうです。
自主上映的興行なのでホールでの巡回公開になるのではないでしょうか?
gooブログ、絵文字。
いま気づきました。
リスト2があるんですね。
しかも猫がいっぱい