ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『銀色の髪のアギト』

2005-09-28 22:29:17 | 新作映画
----これってアニメでしょ?原作のコミックとかあるの?
「いやいや、これが久しぶりのオリジナルものなんだ。
ただ、ストーリーラインはどこかで聞いたことのあるようなものなんだけどね」

----どういうお話なの?
「舞台は300年後の地球。
そこでは人間の遺伝子操作の失敗によって
“森”が意思を持って人を襲うようになっていた。
人類は、森と共生しようとする人々と、
森と敵対する人々とに分かれて生き延びていた。
そんなある日、森との共生を模索する中立都市に住む少年アギトは
禁断の泉で不思議な光を放つ機械を発見。
その中からは、300年もの間眠りについていた美しい少女トゥーラが現れる。
ビルが崩壊し、水道も電気もない社会に困惑する彼女の前に、
同じく過去から来たという男シュナックが出現。
この荒廃した社会を元に戻すべく、彼女を連れ去る……こういうところかな」

----あれっ、森と敵対、自然との共生……。
これって『風の谷のナウシカ』と同じじゃニャい。
「うん。そうなんだよね。
すぐ分かってしまうのに、なぜ、同じテーマを取り上げたんだろう?
原案の飯田馬之介という人は
『風の谷のナウシカ』で動画を担当しているようだけど、それにしてもね。
映画自体もあまりにマンガチック」

----マンガチックって?アニメだからマンガチックなのは当たり前じゃニャいの?
「設定がSFだから、それでいいと言ってしまえばそれまでなんだけど、
それでもあまりにも“ありえねぇ~”ところから、映画は始まってしまう。
怒り狂った植物が月からぐんぐん伸びて地球を襲い、焼き払う。
あげくの果ては、月が割れてしまう。
ここで『うわあスゴい!』と言えるか、
『あれっ、宇宙空間の無酸素、大気圏突入時の高温は?』になるかで
この映画にノレるか否かが決まるだろうね」

----えいは、どうだったの?
「ここはまだいいんだけど、
地下の大激流の中、
アギトがトゥーラと共に地上へ脱出する過程で『あれっ?』と思ったな。
アギトは後に、森と契約して禁断の力を手に入れる。
でも、最初から“超人”的な活躍をするんじゃ、
この“禁断の力”というのが生きてこない。
クドいようだけど、あるルールの下だったら、
どんな“ありえねぇ~”設定でもいいと思うんだ。
それがSFやファンタジーの特権でもあるし。
でも、この時点ではまだ普通の男の子のはずだからね」

----分かった分かった。もう、その話はいいから
なにか他のポイントを話してよ。声優とかはどうなの?
「あっ、これは驚いたね。
アギト役が『亡国のイージス』の勝地涼。トゥーラが宮崎あおい。
しかも大杉漣や古手川祐子と、いわゆる俳優で固めている。
まるでハリウッドのアニメみたい。
特筆すべきはシュナック役の遠藤憲一。
『マトリックス』の予告ナレーション再び!って感じだったね」

            (byえいwithフォーン)

※こんな人にオススメだ度
最近、土の上を歩いたことがない人

※そう言えば宮崎アニメには必ず「の」という文字が入って、名詞と名詞をつないでますね。
『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』
『ハウルの動く城』…『カリオストロの城』もそう。例外は『もののけ姫』。それでも「の」は入ってますが…。
この映画のタイトル『銀色の髪のアギト』もそれを意識しているのかな?


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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBさせていただきました (chatelaine)
2005-12-06 01:17:38
テーマが似ているからかなんなのか、どうしても宮崎アニメの二番煎じ感を払拭できませんでした…。

遠藤さんの声は、個人的に好きです。「マトリックス」も(笑)
返信する
■chatelaineさん (えい)
2005-12-07 00:30:12
そうですね。

でも宮崎アニメと比較してしまうと、

少しかわいそうな気も(汗)。

相手は大物すぎます。
返信する
ジブリに対抗? (メビウス)
2006-01-09 17:14:33
映像面に関しては文句無かったんですけどね~・・



やっぱり自分もジブリ作品を彷彿としてるような所に、ちょっと目がいってしまいましたね。

自分は『ラピュタ』を思い出してしまいました(汗
返信する
■メビウスさん (えい)
2006-01-09 23:24:18
こんばんは。



この手の内容は、すでにジブリがやり尽くしている感があるだけに、

どうしても見劣りしてしまいます。

意欲は買うのですが、なんだか損している気が…。
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こんばんは。 (たいむ)
2006-01-10 18:43:59
俳優さんの声優はダメとは言いませんが、まともだったのは”大杉連さん”くらいかなあ・・なんて思ってしまいました。



タイトルのヨミは鋭いですね。気がつきませんでした。
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■たいむさん (えい)
2006-01-10 19:38:30
こんばんは。



いやアニメのことはあまり詳しくなくて、

声優さんに至っては、いよいよもって分かりません。



ただ、映画俳優の中でも旬の人たちが出ていると言う意味です。

軽く読み流してください。
返信する
今年、最初の映画です。 (あかん隊)
2006-01-18 23:16:50
こんばんは。ご無沙汰しております。

今年も、どうぞよろしくお願いします。

忙しくて、ずっと映画を観ることができませんでした。これもやっとの思いで観た映画です。

禁断症状だったせいか、その感慨も大きくて、必要以上に喜んでしまったかもしれません。それでも、勝地くんや宮崎さんは、とても良かったと思います。

少なくとも、次作(?)での「○たか子」よりは。

幸いなことに、ラピュタの記憶があまりなかったのですが、何かに似ている…と感じた部分は、たくさんありました。どうしても、世間的に高評価されているものには影響されるのは、仕方ないのかもしれません。



評判悪いらしいですが、自分は、良いと思いました。

『もののけ姫』のアシタカや、この映画のアギトのようなキャラクターには非常に弱いもので…。

(特に強烈な恋愛感情があるわけではないが、ポリシーを持って自己犠牲もいとわない、といったところですか…)長くなって、すみません。
返信する
■あかん隊さん (えい)
2006-01-19 00:04:35
こんばんは。



こちらこそ、ご挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。

今年もよろしくお願いします。

いま、お伺いしたら、

この映画についてはまだアップされてないんですね。

本当にお忙しかったんだなあ……と、改めて思いました。



さてこの映画、

どうもアニメとかドキュメンタリーとか、

いわゆる通常の実写劇映画じゃない映画は

自分が門外漢のせいもあって、

筆が湿りがちになります。

それにもかかわらず、大きく心揺り動かされると、

それはそれでまた過剰にほめる傾向があるようです(←自分)。



自己犠牲……という言葉に当てはまるかどうか、

今日観てきた『ホテル・ルワンダ』のドン・チードルは

実にすばらしかったです。
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Unknown (通りすがりー)
2006-01-21 19:15:30
こんばんわー

私も今日アギト見ました



確かに色々悪い面もありましたけど

特に気になったのは



『あれっ、宇宙空間の無酸素、大気圏突入時の高温は?』

とかそういってますが

高温の時に植物燃えてましたよ?



こういった感想サイトを持って言うようであるなら

もっとまじめに見て

感想いってもらいたいものです

適当な判断でそう言われてもね?
返信する
こんばんは。 (えい)
2006-01-21 21:42:01
言葉足らずだったようで…。



植物が燃えていたのは確認しました。

ただ、ぼくはあの大気圏突入で

「植物だから燃えつきてしまうのでは?」と

思う人もいるのでは……と考えたわけです。

私の文章力のなさで誤解を与え、

不愉快な気持ちを抱かれた人がいたとしたら

申し訳ありませんでした。

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