ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ビースト・ストーカー 証人』

2012-03-09 23:22:04 | 新作映画
(英題:BEAST STALKER)


「実はこの映画を観ながら、
まだブログを始めて間もない頃に、
『ティラミス』という、やはりニコラス・ツェーの映画の話をしたことを思い出していた。
あの映画での彼は、ロマンチックな甘い面を見せていたけど、
これは全編ハード。
ツェーって息が長いばかりでなく
ほんとうに俳優として成長したなと思ったね」

----ニャるほど。
そういえば、その『ティラミス』も、
この映画と同じダンテ・ラム監督じゃなかった?
「うん。
ついこの前公開された『密告・者』もね。
しかも、この『密告・者』には
本作で悪役というか、主人公の刑事トンと対峙するホンを演じるニック・チョン
さらにはトンとコンビを組む刑事役としてリウ・カイチーも出演。
ニック・チョン、リウ・カイチーは、
それぞれ第28回香港電影金像奨で最優秀主演男優、助演男優賞を取っている」

----あれ、ニコラス・ツェーは?
「実は本作は『密告・者』に先立つこと2年前に作られた2008年の作品。
ニコラス・ツェーは翌年の『孫文の義士団』で香港電影金像奨助演男優賞、
続く『密告・者』で最優秀主演男優を受賞。
つまり、この作品は彼のステップアップのきっかけとなった映画とも言える」

----どういう物語ニャの?
「話は、
最初のうち、よくあるパターンで進んでいく。
腕利きの刑事が、逃走した暗黒街のボスが乗った車を狙撃。
ところが、そのトランクには女性検事アンの娘が…。
心に大きな十字架を背負うトン。
3ヵ月後、その目の前にアンのもうひとりの娘リンが何者かに誘拐される。
犯人は元ボクシング選手のホン。
彼は、病気の妻の高額な治療費のために、
暗殺者として犯罪に手を染めていた。
しかも、自らも視力を失いつつある。
そんな彼に、暗黒街のボスが獄中から指令を出す…というもの。
見どころは、ハリウッド顔負けのハードなアクション」

----アジアのアクションと言うと、最近は韓国という気がするけど?
「確かに。
ただ、韓国映画がノワールでシャープなのに対して、
香港映画のそれはスタイリッシュでパワフル。
カ―アクションにしても、
フロントガラスが粉々に割れて飛び散るさまや、
そこに人の頭が突っ込んでいくさまを
スローモーションを交えながらダイナミックに描いていく。
あれで生きているなんて、ちょっと無理があるのでは?と思わせるほどにね。
そう言う意味では、映画の嘘を巧く利用している気がする。
そして、この映画に限って言えば、よく練られた脚本」

----さっき、よくあるパターンって言ってなかったっけ?
「そうなんだけど、
ここで、この暗殺者ホンの物語が絡んでくる。
一見、『ブラック・レイン』での松田優作を思わせる非情な男に見えつつも、
ある、ひねりが施されている。
妻の治療費が目的ということでも分かるように、
彼には、人間性を捨てきれない部分がある。
果たして、彼をここまで駆り立てる、もうひとつの動機とは?
それが明らかになった時、
ぼくは涙を禁じえなかった。
フラッシュバックを用いながら
時制を行き来する映画は多いけど、
これは久しぶりにそれがよく生かされた作品だったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「オープニング・クレジットで映る
空にも意味があったこらしいのニャ」悲しい

※ヒロイン役のチャン・ジンチューが中島朋子に似ていた度

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