しろくま

軟い雑感、とりとめなく。

漆の実のみのる国

2011-02-08 | 本棚
年末未読仕分けから。
まだ全然片付いていないが
これに決めた。



『一茶』同様、歴史もの。海坂藩でなく米沢藩。ドラマ性より史実に肉付け。

上杉鷹山:貧窮にあえぐ藩の立て直し。
恥ずかしながら
「生せは生る 成さねは生らぬ 何事も 生らぬは人の 生さぬ生けり」の言葉以上の知識はないが、
Wikiより、生き生きと辿りたい。

ほんの、手に取ったばかり。
未読仕分けだし、
読後に、国のかじ取りなんて言うのもおこがましい
まずは通読。

藤沢作品、まだ半分も行っていないが、
皮肉屋でない、素直な書き方に好感が持てる。
どれも、人物に、作者に惚れ直してきた。

立て直し意識で読む人だったなら、
読み終えた爽快感は
どんな分析本、ハウツー本* よりも、
モチベーション、高めるんじゃないかな※。
藤沢作品、そんな気がする。



最近、環境について、とある映画を見た。
程々にいい作品だとわたしは思ったが、
打ち上げで監督の説教聞かされてうんざりしたと、友人。
“人物”も大事な要素なのだろう。

*たとえば「マネジメント」だの「失敗学」だの、わたしもよくはわからない。
だけど、“気持ち”こそ、そもそもの源泉みたいな気がする。

地震で追記が遅くなったが(3/19)
手に取った時の期待とは違う感じを受けた。
上下37章。
上24章のうち15章目でようやく治憲(鷹山)登場
竹俣当綱との初めての挨拶の短い会話で若き治憲の非凡さを描くのはさすがだが、
必要とはいえ背景描写が長くもどかしい。
そして下26-37章のうち35章まで借金と貧しさに打ち負かされ続けてきた政策だが
35章にしてようやく莅戸善政を再び迎え再建の歯車が整う。
治憲と善政の語らいに世と政と民が総括され、
37章で歯車が回り始め、鷹山の回想で〆ている。
回り始めた歯車・施策をもう少し彼のペンで読みたかったが、闘病中だったのだ。
執筆時のバブルのはじけた世を憂い、命を押して執ったペン。哀悼を禁じ得ない。

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