黒澤の色彩美、色彩幻想。
前にノルシュテインを書いたことがあったが
http://blog.goo.ne.jp/dearblossom/e/156486ffc8d140264596d1d78ac8bc2a
同じように寓意に満ちた オムニバス8篇。
主人公(わたし:寺尾聡)の目の前の景色が
一生になぞって進んでいく。
「第1話/日照り雨」(倍賞美津子)
「第2話/桃畑」
子どもの約束
切られた桃の木
自然への慈しみ
痛いほど美しく眩しい画である。
「第3話/雪あらし」(原田美枝子)
自然の神秘さ、厳しさ 幻想
「第4話/トンネル」
戦争で帰って来れなかった配下への自責の念
「第5話/鴉」(マーティン・スコセッシ)
ゴッホとスコセッシと絵描きの黒澤※1 がダブる。
「第6話/赤富士」(井川比佐志)
「第7話/鬼哭」(いかりや長介)
色あせた現実 原色の悪夢
今でいうなら原爆戦やスリーマイル、チェルノブイリ他よりも
環境汚染で痛めつけられた自然の悲鳴・怨念だろう。
黒澤はそのつもりはないだろうが
ネビル・シュートでも円谷でもなく、黒澤が撮ったsfとして(大して差はないが)わたしは観た。
「第8話/水車のある村」(笠智衆)
本来そうであったならいいなという理想郷/希望で結んでいる
黒澤の願いである。
毒に毒で返す表わし方の人には
♪You may say I'm a dreamerだろうが、
だけど
Kubricのドクター・ストレンジラブより
八月のラプソディの弱者のばあちゃん、水車小屋の爺さん/黒澤の言葉の方が、
わたしは深く沁みる。
それに黒澤ビギナーとしては、
社会派(寓話)の画というより、エンタメで見ている部分が大きい。
“お客さんが見たかった”画が“侍”なら
こちらは“監督が撮りたかった”画だろう。
以前、8 1/2(フェリーニ)を見たことがある※2。
友人は絶賛していたが、わたしには、さっぱりわからなかった。
(しいていえば、現実とめくるめく映像幻想の交差なのだろうか)。
2001にしても、
画と音に圧倒され、ずっと後になってから、感想が追いついて来る。
観客の感覚が追いつかないとスベル。撮る側の画って、そんなタイプ。
※1
“まあだだよ”の絵コンテみたことあるが、一等の絵本作家だと思う。
※2
名作志向ではないし、芸術芸術よりもっと普段着のヤツも観たいのだけど、
あんまり観てない/知らないから、“名前”で拾うしかないないのだ。
夢 [DVD] | |
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前にノルシュテインを書いたことがあったが
http://blog.goo.ne.jp/dearblossom/e/156486ffc8d140264596d1d78ac8bc2a
同じように寓意に満ちた オムニバス8篇。
主人公(わたし:寺尾聡)の目の前の景色が
一生になぞって進んでいく。
「第1話/日照り雨」(倍賞美津子)
「第2話/桃畑」
子どもの約束
切られた桃の木
自然への慈しみ
痛いほど美しく眩しい画である。
「第3話/雪あらし」(原田美枝子)
自然の神秘さ、厳しさ 幻想
「第4話/トンネル」
戦争で帰って来れなかった配下への自責の念
「第5話/鴉」(マーティン・スコセッシ)
ゴッホとスコセッシと絵描きの黒澤※1 がダブる。
「第6話/赤富士」(井川比佐志)
「第7話/鬼哭」(いかりや長介)
色あせた現実 原色の悪夢
今でいうなら原爆戦やスリーマイル、チェルノブイリ他よりも
環境汚染で痛めつけられた自然の悲鳴・怨念だろう。
黒澤はそのつもりはないだろうが
ネビル・シュートでも円谷でもなく、黒澤が撮ったsfとして(大して差はないが)わたしは観た。
「第8話/水車のある村」(笠智衆)
本来そうであったならいいなという理想郷/希望で結んでいる
黒澤の願いである。
毒に毒で返す表わし方の人には
♪You may say I'm a dreamerだろうが、
だけど
Kubricのドクター・ストレンジラブより
八月のラプソディの弱者のばあちゃん、水車小屋の爺さん/黒澤の言葉の方が、
わたしは深く沁みる。
それに黒澤ビギナーとしては、
社会派(寓話)の画というより、エンタメで見ている部分が大きい。
“お客さんが見たかった”画が“侍”なら
こちらは“監督が撮りたかった”画だろう。
以前、8 1/2(フェリーニ)を見たことがある※2。
友人は絶賛していたが、わたしには、さっぱりわからなかった。
(しいていえば、現実とめくるめく映像幻想の交差なのだろうか)。
2001にしても、
画と音に圧倒され、ずっと後になってから、感想が追いついて来る。
観客の感覚が追いつかないとスベル。撮る側の画って、そんなタイプ。
※1
“まあだだよ”の絵コンテみたことあるが、一等の絵本作家だと思う。
※2
名作志向ではないし、芸術芸術よりもっと普段着のヤツも観たいのだけど、
あんまり観てない/知らないから、“名前”で拾うしかないないのだ。
おー、クロサワ!!実は去年、時間がない中をぬって「隠し砦の三悪人」を日比谷シャンテで、「用心棒」を池袋新文芸座で、「酔いどれ天使」を京橋フィルムセンターへ見に行きました。絵コンテ展も恵比寿の写真美術館に見に行きましたよ。生誕100年でラッキーでした。クロサワの作品をスクリーンで見る機会はそうは無いので。
「夢」で一番印象に残っているのは、キツネの嫁入りシーンですが、エピソードとしては、あの戦死した兵隊さんたちが出てくるトンネルですね。特に犬が最初に出るでしょ・・・軍用犬ですよね。胸が痛みます。
数作を除いて、黒澤作品は見ていますが、最初は時代劇が圧倒的に面白いと思いましたが、現代でも面白いですね。でも、すべてが成功した作品とも思えないですけど・・・どの名監督でも、そうですが。
本年もよろしくお願い致します
(^_^)ノ
さまざまな批評もあるみたいですが、
“夢” わたしはスゲエと思います。
キツネの嫁入りは不思議なイントロですよね。
中盤後半が悪夢だから、なおさら無垢・無邪気が光りました。
トンネル
訓練のまま(何も知らないで)怒りを向ける軍用犬、戦死した兵隊、生き残った連隊長
どうしようもない無念さ/無情さを感じました。たかだか20分足らずですが、
今なお“現役の帰還兵”を待つ家族の多い国の“3時間物”よりもはるかに。
さて、黒澤で書きましたが
映画観るとき、洋邦問わず、作品、監督、役者、シーンの引き出しいっぱい持っていれば、なおさらおもしろいですよね。
名作・大作ばかりでなくて、B級C級も。(yoroshiku onegai shimasu^^)
黒澤書いたはいいけれど、一本気になってしまい、なおさら、そう思います^^。
えー、だらだら書いてしまいましたが
今年もおバカコメント行くかもしれませんが、
それでもよろしくおねがいします。
ありがとうごさいます。