今日は穏やかな温かい日でしたね。
さて、数週間前にBS放送で『復活の日』を放送していたので、録音して観てみました。
バブル期前の、まだ日本が上昇機運のいけいけどんどんの元気のいい時代の日本映画で、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった角川映画の作品です。当時角川映画は『犬神家の一族』や『人間の証明』『野生の証明』『戦国自衛隊』や『セーラー服と機関銃』など、元々は出版が本業にも関わらず、大金と豪華キャストを使って次々と映画を作っていました。今はすっかりお母さん役の薬師丸ひろ子も当時はアイドルでした。50歳以上の人は当時の角川映画の異常な熱気を覚えているかと思います。
その角川映画が世界に通用する大作を、ということで1980年に公開されたのが、『復活の日』。
監督は深作欣二で、キャストは今でも大河ドラマ『真田丸』で活躍している草刈正雄や、渡瀬恒彦、千葉真一、緒方 拳(あの名優 緒方 拳が端役)、小林稔侍、森田健作(今は千葉県知事)、永島敏行、多岐川裕美、丘みつ子、中原早苗、外国人ではオスカー助演賞も獲ったこともある、ジョージ・ケネディなど一体総額いくらギャラを払ったのだろうと思うくらい、当時の人気俳優が出演しています。
しかも主題歌は、当時人気のあったジャニス・イアンが歌っています。
映画の内容は、CG撮影が進歩した今からみれば、荒唐無稽なぐらい単純で、米ソ冷戦時代に開発された細菌兵器が地球上の人類のほとんどを死滅させてしまい、細菌が増殖しない極寒の南極に観測隊として来ていたごく少数の人類だけが生き残っていく、という話です。今からみると、筋書きも『そんなことあるわけないじゃん。』というぐらい飛躍しており、また画像も稚拙ですが、CG技術も発達していない頃に、巨費と時間をかけ、南極ロケも敢行して(しかもロケ隊を乗せた船が氷雪の中で立ち往生し、ニューヨークタイムズの記事になる、というおまけ付きで)当時の角川映画の意気込みは感じます。
しかし、僕を喜ばせたのは、オリビア・ハッセーが出演していたことです。(草刈正雄とオリビア・ハッセーが主演)
オリビア・ハッセーといえば、何といっても1968年に公開された『ロミオとジュリエット』の清冽なイメージが心に残っています。ニーノ・ロータの音楽も素敵でした。当時彼女は16歳か17歳でした。ラテン(アルゼンチン)の血をひく、緑と灰色の混じった青い大きな透き通るような、何かを訴えかけるような瞳が魅力的な女優でした。一種のオーラがありましたね。当時の映画雑誌『スクリーン』(現在も発刊している)や『ロードショー』(2008年で廃刊)でも彼女のグラビアでもちきりでした。当時、僕も彼女の清冽な情感溢れる瞳に魅せられてすっかりファンになりました。
『復活の日』は海外での公開も考えて作られたので、半分以上が英語になっています。ちなみに日本の俳優陣の中で一番英語がうまいのは草刈正雄だと思いました。しかし興行的にはヒットせず、制作費もカバー出来ませんでした。
さて、オリビア・ハッセーは魅力的な女優であるにも関わらず、『復活の日』以降、あまり映画に出演せず、ほとんどがイギリスのTV番組の出演ばかりですので(一時布施 明と結婚してアメリカに住んでいたこともありましたが)、その後どうしているかと、ネットサーフィンして調べましたら、2003年にマザー・テレサの生涯を描いた映画に出演していました。
その映画の公開時のインタビューの時の動画です。
オリビア・ハッセー~映画「マザー・テレサ」
年齢は重ねましたが、往時の魅力は失われていません。むしろもっと知的に、心豊かになった印象を受けます。彼女はマザー・テレサを演ずることは非常な喜びであること、また、現代社会は忙しすぎてとても他人のことなど考える余裕がなくなってしまっている。世界中の人がたとえ1分でも他人のことを思いやる心を持てば(たとえば他人の幸せを祈ることだけでもいい)、もっと住みよい世界になる、とこのインタビューで訴えています。
マザー・テレサのことは僕が述べるまでもありません。
僕は最近、会社での派閥争いや足の引っ張り合いに巻き込まれて、心が少々疲れていましたが、マザー・テレサのことを思うと、また、オリビア・ハッセイのインタビューを聴くと、そんな些末なことはもうどうでもよくなってきました。
また、英語の勉強をはじめ、まだまだ無知、未熟な自分を磨くことに力を注ごうと思います。再度受けることを躊躇していた TOEIC も来年2月にもう一度チャレンジします。
今日は僕にとって、『復活の日』です。
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